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中国人民銀行、独自デジタル通貨を「独身の日」に発行か|米SEC委員長、「仮想通貨のために証券法を変えるつもりない」|スイス金融当局、仮想通貨企業に初めて銀行ライセンスを発行

本日2019年8月29日(木)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,017,000円前後(時価総額:約18.20兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べて約98,000円安い水準です。
上値の重い展開が続いていたビットコインは、三角持ち合いを下方にブレイクすると売りが加速し、日本時間29日3時頃に一時9,555ドルまで急落。ただ、9,500ドル近辺を下限とした大型のディセンディングトライアングルも強く意識されていることから、ひとまずこの水準では下げ渋る動きとなっています。

本日の記事では、中国の独自デジタル通貨の発行日を巡る報道や、米SEC委員長による仮想通貨の法規制を巡る見解、仮想通貨市場を存在感を高めるスイスの最新動向について取り上げたいと思います。

 

【1】中国人民銀行、独自デジタル通貨を「独身の日」に発行か

米経済誌フォーブスは28日、関係者の話として、中国人民銀行が独自に開発を進めるデジタル通貨のローンチ準備がすでに整い、早ければ11月11日の「独身の日」までに発行されるかもしれないと報じました。

同通貨は、法定通貨である人民元と同じ性格を持たせた「デジタル人民元」とも言えるもので、Facebookがリブラ構想を発表したことによって、中国の金融システムがリスクにさらされるとの懸念が急速に高まり、開発を加速させていた経緯があります。

独自デジタル通貨の流通方法について人民銀行は、金融機関などにまず発行し、そこから法定通貨と交換する形で一般層に流通させる「二層運営システム」を採用する方針を明らかにしています。

報道では当初、EC大手アリババ・グループやネットサービス大手のテンセント、カード決済大手中国銀聯(ユニオンペイ)に、国営銀行である中国工商銀行、中国建設銀行、中国銀行、中国農業銀行を加えた最低7社がその役割を担うとされています。

まずは13億人の中国国民や人民元でビジネスを行う企業に流通させることになりますが、将来的には提携銀行などを通じてアメリカやその他の地域にも広めていく計画もあるといい、人民元の国際化という野望の実現に向けて攻勢を強めていくことになりそうです。

報道について人民銀行はまだ公式に肯定も否定もしていませんが、中国のネット消費が1年で最も盛り上がる日と言われる「独身の日」は、独自デジタル通貨の船出としては十分にありえるタイミングであり、今後の展開に引き続き注目したいところです。

coinpost.jp

 

【2】米SEC委員長、「仮想通貨のために証券法を変えるつもりない」

米証券取引委員会(SEC)のジェイ・クレイトン委員長はこのほど、仮想通貨のために証券法を変えるつもりはないとの認識を示しました。

同委員長はブルームバーグのインタビューの中で、「多くの人は新しい技術を取り込むためにSECがルールを変更することを期待しているようだが、そうしたことは起きないとあらかじめはっきりと言っておく」とコメント。仮想通貨を現行法の規制の対象外にするなどの例外を作るつもりはないとしました。

ただ、証券法や他の法律の基本原理を犠牲にしてはならないとしながらも、「新たな技術を使って、国際送金のコストを削減できるのならば、私も大賛成だ」ともコメントするなど、むやみにテクノロジーの革新を阻害する考えはないことも明らかにしています。

また、仮想通貨が証券に該当するかについて議論が続いている中、クレイトン委員長はビットコインやイーサリアムについて証券には該当しないとの見解を示しています。

一方で、全ての仮想通貨を同一に扱うことは考えておらず、ホワイトペーパーに投資を煽るような文言が記載されているICOプロジェクトが目立つ中、それらの多くは証券に該当し、証券法に抵触する可能性が高いと指摘しています。

SECは今年4月、ICO発行に関する有価証券性を判断するためのフレームワークを公表。すでにこの基準をもとに罰金が課された事例もありますが、SECが多くの違反の可能性を認識している中、取り締まられるプロジェクトが今後さらに拡大していく可能性がありそうです。

coinpost.jp

 

【3】スイス金融当局、仮想通貨企業に初めて銀行ライセンスを発行

スイス金融市場調査局(FINMA)は26日、同国の仮想通貨関連企業であるSEBA Crypto(セバ・クリプト)とSygnum(シグナム)に、銀行・証券業のライセンスを与えたことを明らかにしました。FINMAによると、仮想通貨関連企業に銀行・証券ライセンスが与えられるのは初だといい、今後世界初の「仮想通貨銀行」が誕生する可能性もありそうです。

両社は正式な営業開始に向け、これからFINMAが求めるいくつかの規制対応を行う見通しで、セバ・クリプトはデジタル資産への投資から保管、取引、借入までワンストップで行える新たなプラットフォームを、今年10月上旬までにローンチできるよう、対応を進めていく方針を明らかにしています。

一方、シグナムは具体的なローンチ目標は示していませんが、デジタル資産のカストディや、あらゆる金融資産を担保にした資産トークンの発行し、仲介者を経ずに売り主・買い主がスピーディーに直接取引できるプラットフォームの提供を目指すとしています。

これまで「世界の銀行」として発展してきたスイスですが、仮想通貨市場においても国際規制の先手を打ち、独自のルールを定めることで存在感を高めています。Facebookのリブラの運営母体となるリブラ協会もスイスを拠点としているなど、将来的にスイスには「仮想通貨大国」として関連企業やマネーが集まることになるのかもしれません。

jp.cointelegraph.com

本日、こちらからは以上です。

 

1.2兆円相当のBTC所有権を巡る裁判、自称サトシ・ナカモト敗訴か?|仮想通貨インフルエンサーが米大統領選出馬を検討、BTC支給を公約に|米ペット用品大手、ビットコイン還元サービスを導入

本日2019年8月27日(火)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,074,000円前後(時価総額:約19.22兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べて約10,000円安い水準です。
日本時間26日9時頃に一時10,650ドルまで急騰したビットコインですが、短期下降トレンド線を明確に上抜けできず、徐々に売りに押されると、同27日12時頃には一時10,085ドルまで反落しています。

本日の記事では、巨額のBTC所有権を巡る裁判や、仮想通貨支持派の出馬意向が相次ぐ米大統領選、米ペット用品大手によるビットコイン還元サービスの導入について取り上げたいと思います。

 

【1】1.2兆円相当のBTC所有権を巡る裁判、自称サトシ・ナカモト敗訴か?

米フロリダ州南部地方裁判所で行われている、自称サトシ・ナカモトことクレイグ・ライト氏と、かつてのビジネスパートナーである故デイブ・クレイマン氏の遺族が争う、共同マイニングで得たビットコインの所有権を巡る訴訟が結審し、ライト氏の証言が棄却されたことが裁判傍聴人によるTwitter報告で判明しました。

同裁判は、2009年~2011年にかけてライト氏とクレイマン氏が共同でマイニングをして得た110万BTC(約1.2兆円)の所有権を巡るもので、クレイマン氏の遺族はライト氏が全てを着服したと主張したうえで、50%を受け取る権利などを求めていました。

一方、これまでライト氏はビットコインアドレスの開示請求に対して、信託会社が保管しているため、秘密鍵を覚えていないなどと述べていました。

裁判の過程では、ビットコインの資産管理を巡る記録として、ライト氏がEメールやメッセージアプリ「Bitmessage(ビットメッセージ)」でのやり取りを提出していました。

しかし、証人として出廷したビットメッセージの創設者ジョナサン・ウォーレン氏が、同アプリがリリースされた2013年11月19日以前にやりとりされたとされるメッセージが存在していることを指摘し、文書は偽造されたものだと証言するなど、ライト氏は自身の主張を裏付ける有効な証拠を提出できませんでした。

Twitter情報では、裁判所が遺族側の取り分を認めたほか、併せて請求していたビットコイン関連のソフトウェアの知的財産権についても所有権が認められたようです。

正式な判決内容を待つ必要はありますが、今後については、巨額のビットコインが遺族に渡った場合、その相続税を支払うためにビットコインが売りに出されるのかが気になるところです。

coinpost.jp

 

【2】仮想通貨インフルエンサーが米大統領選出馬を検討、BTC支給を公約に

20万人以上のTwitterのフォロワーを抱え、仮想通貨業界のインフルエンサーとして知られる、米仮想通貨カストディCASAのジェームソン・ロップCTOは24日、「全国民に毎月1000ドル分のビットコインを支給」することを公約に、2020年11月3日に予定されている米大統領選挙への出馬を検討していることを明らかにしました。

 

Twitter上では大きな反響を呼んでいますが、公約の現実味は乏しく、フォロワーからは「年3兆ドル必要になるけどどうするのか?」「任期が終了する頃には37兆ドルの借金を背負うことになる」といった懐疑的なコメントも目立っています。

ただ、次回の米大統領選挙は、仮想通貨やブロックチェーンがひとつのテーマになる可能性は十分にありそうです。

米大統領選の民主党候補者のひとりアンドリュー・ヤン氏は、華人実業家らしく新興技術が社会にもたらすインパクトを大切にしており、仮想通貨支持派として現在不明確な状況にある仮想通貨関連規制の明確化を求めているほか、ブロックチェーンを用いた投票の効率化なども提案しています。

17年11月の立候補表明当初、ヤン氏は泡沫候補としか見られていませんでしたが、インターネットやSNSを駆使した選挙活動で支持を広げており、今や米電気自動車大手テスラのイーロン・マスクCEOも支持を表明するなど、注目候補に躍り出ています。

この他にも、仮想通貨・ブロックチェーンの推進派であるエリック・スワルウェル下院議員が民主党候補の指名獲得を目指しているほか、仮想通貨懐疑論者として知られる民主党のエリザベス・ウォーレン氏も大統領選に出馬する意向を表明しています。

これから大統領選が本格化していく中、今後約1年間の動きは仮想通貨業界にとって大きな注目となりそうです。

coinpost.jp

 

【3】米ペット用品大手、ビットコイン還元サービスを導入

ビットコイン報酬アプリを開発するLolli(ロリ―)が、米ペット用品大手Petco(ペトコ)との提携を発表しました。この提携によって、ロリ―のユーザーがペトコのECサイトで商品を購入すると、購入額の最大3.5%がビットコインで還元されるようになります。

また、ロリ―の利用者がロリーのTwitterアカウントをシェアして犬の写真をツイートすると、0.00005BTC(約54円)がもらえるキャンペーンも行うとのことです。

なお、ロリーは先月25日にも、米大手スーパーのセイフウェイと提携し、同じようにビットコイン還元サービスを提供しています。

日本でも今月20日に、大手取引所bitFlyerがTポイント・ジャパンと提携し、Tポイントをビットコインに交換できるサービスの提供を開始するなど、ビットコイン普及のために還元策を活用することはひとつのトレンドとなっています。

ただ、すでにビットコインのファンである人であれば、ビットコインを入手できる機会が広がることは喜ばしいことですが、これまで無関心だった人がこうしたサービスでわずかなビットコインを得るために関連アプリをダウンロードしたり、ウォレットを作成したり、ビットコインを購入したりするかといったら、正直なところ疑問符がつきます。

jp.cointelegraph.com

本日、こちらからは以上です。

 

米下院金融サービス委員会、今後もリブラを「強力に監視」|リブラ協会、創業メンバーのうち3社が脱退を検討か|英中銀総裁、リブラのような仮想通貨に基軸通貨を置き換える案を提示

本日2019年8月26日(月)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,088,000円前後(時価総額:約19.47兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べて約20,000円高い水準です。
週末のビットコインは、10,000ドル付近で上値の重い動きが継続。しかし、特段の材料はないものの、日本時間26日9時頃に急激に買いが強まると、一時10,650ドルまで急騰。ただ、上昇の勢いも一時的で、その後は10,300ドル付近まで押し戻されています。

本日の記事では、FacebookのLibra(リブラ)を巡る直近の新たな動きを中心に取り上げたいと思います。

 

【1】米下院金融サービス委員会、今後もリブラを「強力に監視」

米下院金融サービス委員会のマキシン・ウォーターズ委員長は、今秋の委員会の優先事項を公表。その中で、Facebookが発行を計画する仮想通貨「Libra(リブラ)」について、引き続き強力な監視体制を敷いていく意向を明らかにしました。

ウォーターズ委員長はこれまで、Facebookが過去に大量の顧客データ流出させていることから、その企業体制を疑問視しており、同社にリブラの開発停止を求める書簡を送るなど、米議会におけるリブラ批判の急先鋒とも言える存在として知られています。

同委員長は監視体制強化の一環として、ムニューシン財務長官や消費者金融保護局(CFPB)のクレイニンガー局長、連邦住宅金融局(FHFA)のカラブリア局長、米連邦準備理事会(FRB)のクオールズ副議長など、政府高官や規制当局の担当者を議会証言に呼ぶ方針を示しています。

議会証言が実現した際には、各人からリブラに対してどのような見解がなされるのか注目されますが、ムニューシン財務長官やクオ―ルズFRB副議長がすでにリブラに対して懸念を示しているように、追い風となるような発言は期待しづらそうです。

coinpost.jp

また、ウォーターズ委員長はこのほど、リブラ協会の本部が置かれるスイスを訪問し、規制を担当することになるデータ保護委員会(FDPIC)、財務省国際金融局(SIF)、スイス金融市場監査局(FINMA)などの担当者と面会。

しかし、「大きなハイテク企業に、プライベートでコントロールされるグローバル通貨を発行させることに対する懸念は払拭されていない」とし、残念ながらFacebookに対する信用が回復する流れとはならなかったようです。

jp.cointelegraph.com

 

【2】リブラ協会、創業メンバーのうち3社が脱退を検討か

23日付けのフィナンシャル・タイムズは、リブラの運営母体となるリブラ協会から少なくとも3社が脱退を検討していると報じています。なお、具体的な企業名は明らかにされていません。

リブラ協会にはVISAやマスターカード、ペイパル、ウーバーなど、創業メンバーとして28社が名を連ねています。しかし、米議会などがリブラに対して厳しい目を向ける中、現在はFacebookにのみ批判の矛先が向かっているものの、今後は参画企業にもその矛先が向かう可能性もあり、各企業にとって公にリブラを支持することが難しい状況となっているのが背景にあると考えられます。

7月にはVISAのアルフレッド・ケリーCEOも、署名したのは法的拘束力のない「意向表明書」であることを明らかにしたうえで、「正式に参画が決まった企業はひとつもない」と述べるなど、リブラと少し距離を置いています。

四面楚歌の状況ともいえる中、脱退が相次ぐようであればFacebookにとって大きな痛手となりそうです。

jp.cointelegraph.com

 

【3】英中銀総裁、リブラのような仮想通貨に基軸通貨を置き換える案を提示

米ワイオミング州ジャクソンホールで23日開催された国際経済シンポジウムで、イングランド銀行(英中央銀行)のマーク・カーニー総裁が、基軸通貨としての米ドルはFacebookのリブラのような仮想通貨に置き換えられる方がいいとの考えを示し、話題を呼んでいます。

カーニー総裁は講演の中で、「経済政策の不透明感や保護主義が高まる中、ネガティブなショックに対して現状では適切に対応できない。政策余地が限られており、世界経済におけるディスインフレーションを悪化させている」と指摘。こうした状況を打開するためには、将来的に劇的な措置を講じる必要があるとの見解を示しています。

その具体案として提示したのが、世界の基軸通貨としての米ドルをリブラのような仮想通貨に置き換える案で、同総裁は「人民元などの別の不換通貨がドルにとって代わるよりもいい選択肢」であるとの認識も示しています。

先進国の中銀総裁がこうした発言を行うのは異例ともいえますが、同総裁はリブラ構想の発表直後から、金融監督当局として調査は必要としながらも「イングランド銀行は構想に寛容」と語るなど、理解を示していました。

さらに、マイナス面を追求するだけでなく、「Facebookがリブラを使って解決しようとしている問題を認識しなければならない」とも述べるなど、現実から目を背ける各国政府や当局に警鐘も鳴らしています。

リブラのように既存の金融システムに大きな影響を与える可能性がある仮想通貨に対しては、世界各国の政治家や規制当局から否定的な意見が多い状況にありますが、カーニー総裁の存在が新たな流れを生み出せるのか注目したいところです。

coinpost.jp

なお、イギリスからは、100万ドル(約1億500万円)に相当するビットコインがハッキングされたことを巡る訴訟で、同国商業裁判所がビットコインを初めて「法的財産」として認める判決を下した、との報道も伝わっています。

最終的な承認はまだですが、新たな法的前例となる見通しで、イギリスの人がビットコインなど仮想通貨を購入するにあたっての心理的なハードルをやや下げる可能性がありそうです。

coinpost.jp

本日、こちらからは以上です。

 

テザー、オフショア人民元連動のステーブルコイン「CNHT」を発行へ|韓国の仮想通貨取引所、取引量不足で97%が破たん危機

本日2019年8月22日(木)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,052,000円前後(時価総額:約18.82兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べて約99,000円安い水準です。
ビットコインは日本時間20日8時頃に一時10,940ドルまで上昇し、同15日に付けた安値(9,467ドル)からの半値戻しを達成したものの、この水準では上値が重く徐々に失速。その後、短期上昇トレンド線を下抜けたことで下げが加速すると、同22日11時頃には一時9,755ドルまで急落しています。

本日の記事では、テザーが発行計画を明らかにしたオフショア人民元連動のステーブルコイン「CNHT」や、衰退が進む韓国の仮想通貨市場について取り上げたいと思います。

 

【1】テザー、オフショア人民元連動のステーブルコイン「CNHT」を発行へ

大手仮想通貨取引所Bitfinex(ビットフィネックス)の株主で、中国のビットコイン長者として知られるZhao Dong氏は21日、ビットフィネックスの姉妹会社Tether(テザー)が、近い将来、中国本土外で流通するオフショア人民元に連動(ペッグ)したステーブルコイン「CNHT」を発行する予定であることを明らかにしました。

現在、テザーは米ドルペッグの「USDT」とユーロペッグの「EURT」という2つのステーブルコインを流通させているほか、日本円ペッグの「JPYT」も発行準備を進めています。

「CNHT」はそれらに続くプロジェクトとなり、発行後はまずZhao Dong氏が設立したP2Pレンディング・ウォレット企業RenrenBit(レンレンビット)が、サポートを行うといいます。

現在、中国人投資家はステーブルコインとして主にUSDTを利用していますが、米ドルペッグであることから、そこには為替変動リスクが存在することになります。そのため、為替変動のリスクを抑えることができる「CNHT」が発行されれば、中国人投資家からの需要はそれなりに多くありそうです。

ただ、かねてからテザーに対しては疑いの目が向けられているため、市場ではCNHTに対して否定的な声も多く聞かれています。

仮想通貨投資会社プリミティブ・ベンチャーズの創設パートナーDovey Wan氏は、中国政府はCNHTを歓迎しないだろうと指摘。また、世界最大級の仮想通貨取引所Huobi(フォビ)の共同創設者Jun Du氏は、中国人投資家に新たなシステミックリスクをもたらす恐れがあるとして、早くもCNHTのボイコット運動を呼び掛けています。

現在、中国人民銀行が現金の代替となる独自デジタル通貨の開発を進めている中、中国当局がCNHTに対してどのような反応を示すのか注目したいところです。

coinpost.jp

 

【2】韓国の仮想通貨取引所、取引量不足で97%が破たん危機

韓国メディアのBusiness Koreaは、同国の仮想通貨取引所の97%が、取引量の不足によって経営破たんの危機にあると報じています。

2017年の仮想通貨バブルの際には、韓国の取引所は世界の取引量の20%を占めていました。その熱狂ぶりから、韓国で取引される仮想通貨の価格は他国と比べて最大で約50%ものプレミアムが付き、「キムチプレミアム」という言葉も生まれていました。

しかし、報道によると、取引量で世界のトップ100に入る韓国の仮想通貨取引所は現在大手5~6社しかなく、2018年に黒字だったのは最大手のUpbitのみであるなど、ほとんどの取引所が苦境に立たされているといいます。

実際、今年4月には一時世界14位の取引量を誇っていたCoinnestが、取引量の減少を理由に閉鎖。また、今年1月にローンチしたばかりのPrixbitも、経営不振により同8月に事業停止を発表しています。

こうした状況に陥る背景には、韓国政府が2018年1月に導入した仮想通貨取引口座の「実名登録システム」が影響しています。これは仮想通貨の匿名取引を禁止したもので、取引所における顧客口座を引き受ける銀行に口座の実名化を義務付けるものですが、現在のところ銀行は積極的に実名化の対応を進めておらず、対応済みなのはUpbit、Bithumb、Coinone、Kobitの大手4取引所にとどまっています。

そのため、多くの取引所では実名化の対応がなされていないことから、投資家が入出金をできない状況にあり、新たな投資マネーの流入に繋がらないだけでなく、海外取引所への投資家の流出も拡大しています。

また、取引量が著しく減少する国内取引所を避け、海外取引所でのプロジェクト上場を目指す韓国の仮想通貨関連スタートアップ企業も増加しており、韓国の仮想通貨・ブロックチェーン産業は確実に衰退の道を歩んでいます。

2017年まで世界の仮想通貨市場をけん引するなどポテンシャルは高いだけに、今後、韓国政府が巻き返しの一手を打つことができるのか注目されます。

coinpost.jp

本日、こちらからは以上です。

 

Binance、Libra類似のステーブルコイン「Venus」の開発を始動|NY最高裁、テザー裁判でNY司法当局の管轄権を認める

本日2019年8月20日(火)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,151,000円前後(時価総額:約20.58兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べて約44,000円高い水準です。
10,500ドル近辺を上限とする保ち合いが続いていたビットコインは、同水準を上抜けすると上昇が加速し、日本時間20日9時頃に一時10,955ドルまで上値を拡大しています。

本日の記事では、バイナンスが発表した新ステーブルコイン「Venus」構想や、テザー裁判に関する新たな動きを取り上げたいと思います。

 

【1】Binance、Libra類似のステーブルコイン「Venus」の開発を始動

世界最大級の仮想通貨取引所「Binance(バイナンス)」は19日、世界の法定通貨に連動する新たなステーブルコイン「Venus(ヴィーナス)」を開発することを発表しました。今後、政府やグローバル企業にヴィーナスへの参加を促し、オープンなコミュニティを形成することを目指すとしています。

細かい仕様については明らかとなっていませんが、バイナンスの公式発表によると、ヴィーナスはFacebookが開発する「Libra(リブラ)」に似た機能を持ち合わせる一方、より地域にフォーカスした「ローカル版リブラ」とも言えるコインになるとしています。

ヴィーナス(金星)という名称も、てんびん座を意味するリブラに対抗したものと受け取ることもでき、リブラをかなり意識したプロジェクトと言えそうです。

バイナンスは世界最先端のブロックチェーン企業としてステーブルコインを安全に運用する技術と、国際決済システムのノウハウを蓄積しているとして、ヴィーナスの運用に自信を示しており、発展途上国を中心に「世界の金融システムを変革、再構築したい」と語っています。

また、今後アメリカや韓国でヴィーナスを開発することを想定しているといい、各国政府に対して、サンドボックス制度の適用や民間企業のステーブルコインの発行、クロスボーダーの決済システムの開発許可などが必要になると提議しています。

Facebookのリブラが世界各国で拒否反応を示され、プロジェクトの進行が危ぶまれる中、まずはローカル版リブラ「ヴィーナス」に対して世界がどのような反応を見せるのか注目したいところです。

coinpost.jp

 

【2】NY最高裁、テザー裁判でNY司法当局の管轄権を認める

ニューヨーク州最高裁判所は19日、ニューヨーク州検事総長事務局(NYAG)が、大手仮想通貨取引所「Bitfinex(ビットフィネックス)」とその親会社で仮想通貨テザー(USDT)の発行母体である「iFinex(アイフィネックス)」を訴えた裁判に関して、NYAGに管轄権があることを認め、調査を継続することを許可したことがわかりました。

本裁判は、ビットフィネックスが8.5億ドルの損失補填にテザー準備金を不正に利用していた疑いがあるとして訴えられたもので、NYAGは関連書類の提出を求めていました。

しかし、ビットフィネックスはニューヨーク州で営業を行っていないとの立場から、NYAGには管轄権がないとし、告訴の取り下げを主張。それに対して、NYAGはニューヨーク州の住民に無登録で営業を行っていたと抗弁するなど、当面の焦点は管轄権の有無へと移っていました。

7月末の裁判では、判断により多くの時間が必要として結論が出ませんでしたが、今回、NYAGの管轄権が正式に認められたことで、ビットフィネックスらは関連資料の提出を回避することができなくなり、厳しい状況に追い込まれそうです。

また、ビットフィネックスらを巡っては、テザーを担保なしに大量発行し、ビットコインを買い支えする「テザー砲」の存在も指摘されています。今後、NYAGによる調査や裁判の動向次第ではそうした動きも取りにくくなり、ビットコインの値動きにも影響が出てくる可能性があるため、テザーの発行状況の変化にも注目したいところです。

jp.cointelegraph.com

本日、こちらからは以上です。

 

現物受け渡しのビットコイン先物「Bakkt」、9月23日にローンチへ|BTC下落の要因は「PlusToken」の大型詐欺?資金の動きに関心

本日2019年8月19日(月)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,106,000円前後(時価総額:約19.77兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べてほぼ横ばいの水準です。
日本時間15日15時頃に一時9,467ドルまで急落したビットコインですが、100日移動平均線を支えに反発すると、同17日1時頃には一時10,540ドルまで上昇。その後も10,300ドル前後で底堅い値動きが続いています。

本日の記事では、9月23日のローンチを発表したビットコイン先物「Bakkt」や、ここ最近の下落の一因になったとの声もある大型の仮想通貨詐欺事件について取り上げたいと思います。

 

【1】現物受け渡しのビットコイン先物「Bakkt」、9月23日にローンチへ

ニューヨーク証券取引所の親会社であるインターコンチネンタル取引所(ICE)が現物受け渡しのビットコイン先物取引を提供するために設立した「Bakkt(バックト)」は16日、米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)から信託有限会社(カストディアン)設立の承認を受けたことを公表しました。

これにより、ビットコイン先物取引プラットフォームのローンチが可能な状態となったことから、同社は9月23日から日次・月次のビットコイン先物契約を開始すると発表しています。

ICEは2018年8月にバックトの構想を発表し、当初は同年12月のローンチを目指していましたが、米商品先物取引委員会(CFTC)による承認は過去2度に渡って延期されていました。

その後、自己認証プロセスを通じてCFTCから承認を受けることができ、7月にビットコイン先物のテストを開始するなど、着実にローンチに近づいていた中、最後の関門となっていたのがNYDFSからのカストディアンライセンスの取得でした。

バックトの発表によると、現物市場の価格に頼らないことで、ビットコインのベンチマーク価格における透明性の高い価格発見メカニズムとして機能できるため、現物市場の価格操作問題や取引所の一貫性のない資金洗浄対策によるリスクを回避することが可能になるといいます。

バックトは機関投資家の参入障壁を引き下げ、需給面からビットコイン相場を押し上げる要因になると期待されています。ただ、プラットフォームが提供されたとしても、法律や税制が追い付いていない現状では、思惑通りに機関投資家が本格的に参入してくれるかは不透明と言えそうです。

www.coindeskjapan.com

なお、今回バックトのローンチが具体化したことで、今後注目されるのが取引所による価格操作などへの懸念から、再三に渡って承認判断が先延ばしされているビットコインETFの動向です。

バックトのローンチによって、流動性の向上が期待できるほか、CFTCの監視の目も効くようになることから、これまでのような価格操作は難しくなると考えられ、ETFの承認にはプラスに働くと見られています。

ビットコインETFを巡っては現在、投資運用会社VanEck、仮想通貨ファンドのBitwise Asset Management、資産管理会社Wilshire Phoenixが、それぞれ米証券取引委員会(SEC)に申請を出しており、9月から10月にかけて最終の可否判断が下される予定となっているため、結果が注目されます。

 

bitcoinnews.hatenadiary.jp

 

【2】BTC下落の要因は「PlusToken」の大型詐欺?資金の動きに関心

仮想通貨投資会社プリミティブ・ベンチャーズの創業メンバーであるドビー・ワン氏は、中国のウォレットサービス「PlusToken(プラストークン)」による出口詐欺事件で騙し取られたビットコインが、少なくとも20万BTC(約2,210億円)に上るとの見方を示しました。

そのうえで、本事件に関連した換金売りがここ最近の下落の要因になっている可能性があるとし、注意喚起を行っています。

プラストークンとは、2018年にサービスを開始した中国のウォレットサービスで、自動アービトラージシステムによって相場動向に関係なく日利約0.3%(月利約10%)を得られる「毎日資産が増えていく次世代ウォレット」を謳って会員を集めていました。

しかし、現実味のないリターン構造であるうえに、会員をランク付けし、新たな会員を紹介するとそのランクに応じて高率な報酬を得られるといった典型的なネズミ講の仕組みも導入されていたことから、当初より疑念の目が向けられていました。

プラストークンによる詐欺事件はすでに立件され、6月以降、中心メンバーも逮捕されていますが、預けられた30億ドル相当の仮想通貨の出金機能は、逮捕を受けて停止された状態にありました。

しかし、中心メンバーの逮捕後もプラストークンの関連アドレスから取引所への資金移動が行われていることから、まだ逮捕されていないメンバーが換金・マネーロンダリングを進めているとの見方があります。

中国のブロックチェーン分析会社「PeckShield(ペックシールド)」も、プラストークンのウォレットからの資金移動が7月初旬から始まっており、その頃から換金を進めている可能性があるとの見解を示しています。

coinpost.jp

なお、仮想通貨の大型資金移動をTwitterで配信している「Whale Alert(ホエール・アラート)」によると、17日には4件で計22,923BTCという巨額の資金移動が見られており、確証はないとしながらも「プラストークンによるものと思われる」とツイートしています。

現在のところ、実際にプラストークンが換金売りを進めている確証はなく、市場への影響も憶測の域を出ませんが、当面はトレードを行うにあたってこの件を頭の片隅に置いておく必要がありそうです。

jp.cointelegraph.com

本日、こちらからは以上です。

 

NZが仮想通貨による給与支払いを合法化|独保険大手アリアンツ、ドルペッグのトークン発行を準備|米仮想通貨ヘッジファンドCEO、現在のビットコイン市場を不安視

本日2019年8月15日(木)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,044,000円前後(時価総額:約18.66兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べて約85,000円安い水準です。
節目として意識されていた12,000ドルの突破に失敗したビットコインは、夏休みシーズンの薄商いの中、目立った反発局面もなくズルズルと値を下げ続け、日本時間15日13時頃に一時9,803ドルまで下値を拡大しています。

本日の記事では、NZでの仮想通貨による給与支払いの合法化や、独保険大手によるトークン発行の動き、現在のビットコイン市場を不安視する米仮想通貨ヘッジファンドCEOの発言などを取り上げたいと思います。

 

【1】NZが仮想通貨による給与支払いを合法化

ニュージーランドの内国歳入庁(IRD)は8月付けの公報の中で、企業が従業員に対して仮想通貨で給与支払いを行うことを合法であると認めると共に、課税に関するガイダンスを公表しました。

同決定は2019年9月1日から3年間にわたって適用される見通しで、フィナンシャルタイムズによると、仮想通貨による給与支払いの合法化は世界初だといいます。

IRDは仮想通貨での給与支払いの条件として、「給与の支払いが雇用契約に基づいて行われたサービスへの対価」「固定の金額」「報酬の一部分として定期的であること」などを提示。通常の給料や賃金以外に、賞与なども対象に含まれるようです。

ただ、自営業の場合は対象外となるため、フリーランスで仕事を行っている人などはその報酬を仮想通貨で受け取る選択はできなそうです。

また、支払いに利用できる仮想通貨は、「法定通貨に直接交換可能」「少なくとも1つの法定通貨にペッグされている」といった条件を満たしている必要があり、ビットコインやイーサリアムなど、一部のメジャーな仮想通貨に限られるとみられます。

これは、仮想通貨での給与支払いを合法と判断したとはいえ、IRDは法定通貨との交換が容易でないものは「お金」として認めないスタンスをとっているからで、ガイダンス内でも「給料として支払われる仮想通貨は"お金のようなもの"でなければならない」と記載されています。

仮想通貨で支払われた給与への課税については、一般的な所得税と同様に源泉課税方式の「PAYE(Pay As You Earn)」と呼ばれる制度が適用されるため、所得税は雇用主によって源泉徴収され、税務当局へと収められることになります。

www.coindeskjapan.com

現在、日本ではGMOインターネットがややグレーな方法を用いて、給与の一部を仮想通貨で受け取れる制度を設けていますが、本来法律上では給与の支払いは円しか認められていません。

昨年から日本でもデジタルマネーでの給与支払いについての議論はスタートしているものの、銀行口座の開設が難しい外国人労働者を念頭にプリペイドカードやスマートフォンの決済アプリなどに給与を入金するといった議論にとどまっており、仮想通貨での給与支払いまで踏み込んだ議論が行われていないのが実情です。

ただ、今回先進国のひとつであるニュージーランドで大きな一歩を踏み出したことで、他国にも同様の動きが広がっていくことが期待されます。

www.gmo.jp

 

【2】独保険大手アリアンツ、ドルペッグのトークン発行を準備

ドイツの保険大手アリアンツが、ブロックチェーン基盤のデジタルトークンの開発を進めていることが明らかとなりました。

アリアンツの代表者によると、トークンは投資銀行大手JPモルガンが準備を進めているJPMコインと同様に、米ドルに対して1対1でペッグされるとしています。同トークンの発行は、200を超える国・地域の顧客に、透明性・即時性の高い決済環境を提供することを目的としたもので、すでに開発は「高度な段階」にあると語っています。

www.theblockcrypto.com

ブロックチェーン基盤のエコシステムの開発は、グループ企業のアリアンツ・グローバル・コーポレート&スペシャリティが担当。すでに基本システムの構築とテストは実施済みで、今後、送金テストを実施していく予定だとしています。

ブロックチェーン技術というと仮想通貨にばかり目が行きがちですが、その本質はブロックチェーン上で生成したトークンを様々なサービスとひも付けし、独自の経済圏を構築する「トークンエコノミー」にこそあるとも言われます。

ブロックチェーン技術の実用化が進み、トークンエコノミーが拡大することで、法定通貨中心の経済とは全く異なる経済圏、社会が生まれる可能性もあり、今後も企業のブロックチェーン技術に対する取り組みには注目したいところです。

jp.cointelegraph.com

 

【3】米仮想通貨ヘッジファンドCEO、現在のビットコイン市場を不安視

米仮想通貨ヘッジファンドBKCMのブライアン・ケリーCEOは、米CNBCの経済番組「Fast Money」に出演し、現在のビットコイン市場について「アドレスの増加が見られない」と指摘したうえで、新しいお金が流入していないことに懸念を示しました。

また、ビットコインを資産の逃避先として利用し始めている機関投資家もいるとしたものの、まだ投機的であり「真の買い手」が参入するのを見る必要があるともコメントしています。

ただ、ケリー氏はこうした懸念は短期的なものだと指摘。同氏は世界経済が嵐に突入するタイミングと機関投資家が仮想通貨を受け入れ始めたタイミングが重なったことが、今年のビットコイン相場の高パフォーマンスに繋がったとしたうえで、「もう一回上昇局面があると思う」と先行きには強気な見方を示しました。

ただ、世界的に景気不安が高まり、株価が大きな調整局面を迎える中、安全資産の代表格であるゴールドの価格は連日高値を更新しているものの、デジタルゴールドと称されるビットコインはここ数日暴落を続けています。

ビットコインは資産の逃避先として一定の需要はあると考えられますが、ボラティリティが非常に高いため、本格的なリスクオフの局面ではより信頼性の高いゴールドに資金が流れ、株などと同様に売られてしまうのが現状なのかもしれません。

coinpost.jp

本日、こちらからは以上です。

 

 

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