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SBIグループの仮想通貨戦略の全体図が明らかに|専門子会社を続々と設立

本日2017年9月21日(木)時点のビットコイン情報をお届けします。
17時頃のビットコイン価格は、435,000円前後(時価総額:約7.20兆円)です。
目新しい材料が乏しい状況が続き、レンジ相場となっています。

本日の記事では、日本経済新聞社、金融庁、Fintech協会主催で現在開催されているフィンテックイベント「FIN/SUM WEEK 2017」において9月19日(火)、SBIグループの北尾社長が「仮想通貨を基盤とした、新たな金融生態系を構築する」と宣言して話題となっていましたので、その戦略とこれまでの流れを抜粋してご紹介いたします。

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【1】SBIグループのフィンテック出資が2016年から加速

2015年12月、SBIインベストメント株式会社が「FinTechファンド」を設立し、2016年から国内最大手のビットコイン取引所bitFlyerを始め、仮想通貨・ブロックチェーン関連企業に次々と出資し始めました。

FinTechファンド等を通じた新たな技術革新分野への投資実績(SBI)

 

また2016年5月には、米リップル社に11.05%出資するとともに、合弁で「SBIリップルアジア」を設立(SBI:60%、リップル社:40%)し、日本、アジアでの銀行間国際決済について、基盤提供を開始すると発表しました。

米Rippleとの合弁会社 「SBI Ripple Asia」を2016年5月18日に設立(SBI)

 

【2】SBIグループの仮想通貨専門子会社が続々と誕生

2016年11月には子会社、SBIバーチャルカレンシーズを設立し、仮想通貨取引所に参入することを発表しました。2017年5月にWebサイトは公開されたものの、金融庁への登録完了待ちで、まだサービスは開始されていません。

当時のプレスリリースでは、「SBIグループ各社向けに仮想通貨の交換および取引サービスを提供」「国内外の仮想通貨取引所との連携を通じ、取り扱う仮想通貨の種類の充実や仮想通貨を用いた発展的なサービスを開発」するとしています。

次いで2017年6月の株主総会では、海外(香港)において、新たな仮想通貨取引所の設立準備を進めていると発表しました。

新たな仮想通貨取引所の海外での設立を準備中(SBI)

 

そして今回のイベント講演において、仮想通貨のマイニングを行なうSBI Cryptoを2017年8月に設立済みで、ビットコインから分裂したビットコインキャッシュのマイニングを開始していると発表しました。
マイニング拠点は企業秘密ということですが、電気代をいかに下げるかが最大のテーマと言明していることから、国外である可能性が高そうです。

国内外の取引所においては、ビットコインだけではなく、マイニングしたビットコインキャッシュ、出資先であるリップルの仮想通貨XRP、更にはグループコイン(SBIコイン?)、地域トークンなども取り扱い、流通させていく予定とのことです。

 

【3】仮想通貨を基盤とした新たな金融生態系の構築を狙うSBIグループ

今回のイベント講演では、SBIグループの仮想通貨戦略の全体図が明らかとなりました。
SBIホールディングス、SBI証券、SBI BITSなどを中心に据えながら、下記の陣容で仮想通貨を基盤とした新たな金融生態系を確立する狙いです。

◇仮想通貨取引所

SBIバーチャルカレンシーズ(2016年11月設立、金融庁へ登録申請中)
SBI MAX(香港、設立準備中)

◇仮想通貨マイニング

SBI Crypto(2017年8月設立)

◇仮想通貨を使った送金

SBIリップルアジア(2016年5月設立)

◇仮想通貨関連のポータルサイト

モーニングスター(サイト作成準備中)

◇ICO(トークン)発行企業及び取引所の評価(格付け)

モーニングスター(準備中)

◇仮想通貨ファイナンス専門の会社によるICO及び仮想通貨建て債券の発行等のプロモーション

SBI CapitalSupport、SBI CapitalBase(仮称、新設予定)

◇仮想通貨のヘッジファンド

JVを近々設立予定

◇仮想通貨のデリバティブ市場の創設

 

【4】IT・金融に強い有名企業グループの参入が続く

GMOグループも、仮想通貨取引所参入(2016年10月設立、2017年5月から営業開始)に加えて、2018年上半期には今後100億円規模の投資を行ない、北欧でマイニング事業を開始すると発表して話題になりましたが、今回の発表では、銀行、生保、損保、証券、FXなど様々な金融専門子会社を抱えるSBIグループの総合力、展開力が改めて強調された格好です。

SBI、GMO、DMMといったIT・金融に強い有名企業グループの参入が本格化すれば、ビットコイン・仮想通貨業界の勢力図も大きく変わっていきそうです。

 

本日、こちらからは以上です。

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。