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FXのレバレッジが来年から最大10倍に?|ビットコインへの影響を考察

本日2017年9月28日(木)時点のビットコイン情報をお届けします。
16時頃のビットコイン価格は、474,000円前後(時価総額:約7.86兆円)です。

ビットコイン自体には大きな材料は見当たらないものの、日本時間9月27日(水)19時頃から上昇し始め、動意付きました。

各国の価格差を見るとここ数日、米国市場の価格が他国市場を上回っており、中国の規制についての続報待ちの中、米国市場が相場を先導している印象です。

Bitcoin相場 in 日本 トレード支援情報

また、韓国最大の取引所Bithumbが、Zcashというビットコインより匿名性を高めたアルトコインを上場すると発表し、その噂が広がった昨日から大幅に値を上げていたことから、材料不足のビットコインも動意付いて連れ高となったという見方もできそうです。

本日の記事では、9月27日夜に日経新聞が報じたFXレバレッジ規制(最大10倍)の情報と、ビットコイン取引への影響などをまとめてみたいと思います。

 

【1】FXのレバレッジが来年から最大25倍⇒10倍に引き下げか

日経新聞が9月27日、金融庁がFXの証拠金倍率(レバレッジ)を引き下げる検討に入ったと報じました。本日9月28日付の朝刊1面にも掲載されています。

早ければ来年にも内閣府令を改正して実施する可能性があるとのことで、FX事業を展開する上場企業(GMO、ヒロセ通商、マネーパートナーズなど)の株価は軒並み値を下げています。

何故この時期に?という疑問はありますが、金融庁によるレバレッジ規制は過去2回行なわれてきており、国内のビットコイン取引所が提供するレバレッジ取引もFXを参考に最大25倍としているため、今後様々な影響が出てきそうです。

www.nikkei.com

 

【2】FXのレバレッジ規制の経緯と、今後の影響

1998年の改正外為法の施行により、一部金融機関のみに認められていた為替取引が個人や一般企業にも開放され、1998年10月にひまわり証券が日本初のFX取引サービスを開始して以降、FX業者が続々と誕生しました。

当初はレバレッジ規制などはなく、100倍〜400倍という高いレバレッジを提供する業者が数多くありましたが、思わぬ価格変動により巨額の損失を抱える投資家が相次いだことを問題視した金融庁は、2010年8月からレバレッジを最大50倍に、更に2011年8月からは最大25倍に制限する規制を導入しました。(個人の取引口座に対して)

FXのレバレッジ規制状況(個人を対象)
  • 1998年 … FX取引誕生
  • 2008年 … レバレッジ100倍〜400倍が主流に
  • 2010年 … レバレッジ最大50倍に制限
  • 2011年 … レバレッジ最大25倍に制限
  • 2018年 … レバレッジ最大10倍に制限?

 

レバレッジ規制は、最高時速60kmしか出せない自動車のようなもので、初心者の思わぬ重大事故を抑制する一方、上級者には強い不満をもたらし、レバレッジ制限が緩い海外のFXサービスを利用する人も一定数います。
(日本の法律では保護されないため自己責任)

また、レバレッジが低くなると投資効率が悪くなり取引量が伸びないため、FX業者の収支が悪化し、当時は事業撤退や事業譲渡が相次ぎました。

2018年、本当にレバレッジが最大10倍に制限されることになれば、FX業界に再び業界再編の波が押し寄せそうです。

 

【3】ビットコインのレバレッジ取引と、今後の影響

現状、多くのビットコイン取引所が現物取引に加え、レバレッジ取引を導入しています。
形態としては、FX型、先物取引型、信用取引型の3種類がありますが、取引期限やコストなどの違いはあれ区別が曖昧で、似たような取引サービスです。

なお、信用取引と言っても日本円を貸し出すサービスは、今年に入ってから貸金業の免許が必要と指摘されたことから、今は仮想通貨の貸し出しに限定されています。
また、先物取引は仮想通貨関連法の中で明記がなく、扱いはグレーなようです。

レバレッジ最大25倍のビットコイン取引

Zaif(先物)、Bitpoint(FX)、QUOINEX(信用)、GMOコイン(FX)など

レバレッジ最大15倍のビットコイン取引

bitFlyer(FX)

レバレッジ最大5倍のビットコイン取引

coincheck(信用)

 

FXでのレバレッジ規制を参考に、レバレッジを25倍までに自主規制していた中、FXのレバレッジが最大10倍までに規制されると、ビットコイン取引のレバレッジも最大10倍にとどめようとする流れが出てきそうです。

FXでは、価格が1日で±5%、±10%(ドル円で5円〜10円)動くようなことはリーマンショックなど余程の事件でも起きない限りありませんが、ビットコインを始めとする仮想通貨の世界では日常茶飯事です。ビットコインは9月に入って大きく値を下げたとは言え、年初から見れば4倍以上になっています。
仮想通貨はボラティリティが極めて高いため、FXと比較すれば現物取引でも数倍のレバレッジが常に掛かっているような状態とも言えます。

今回金融庁がFXのレバレッジ規制を強める理由が投資家保護であるとするなら、ビットコイン取引のレバレッジについても同等以上の制限、又は自主規制を求めても不思議ではありません。

本日現在、世界のビットコイン売買の半数弱は円建ての取引ですが、円建て取引の内訳を見ると、bitFlyerのレバレッジ取引が約2/3を占めており、レバレッジが最大10倍に制限されると、かなり影響を受けそうです。

Bitcoin (BTC) - Live Bitcoin price and market cap

【9月28日16時現在】
円建て46%、ドル建て34%、韓国ウォン建て9%、ユーロ建て5%、中国元建て3%

【円建て取引の内訳】
bitFlyerFX65%、coincheck20%、bitFlyer12%

 

世界各国で仮想通貨、ICOについての規制、ルール化が検討されている中、日本は世界に先駆けて仮想通貨関連法を整備し、FinTechの期待分野として健全に育成させようとする方針が見て取れ、中国のように突然禁止されるようなことはなさそうです。

その意味では安心な反面、今回の報道により、ビットコイン取引においても投資家保護を目的として、レバレッジ規制が今後導入される可能性が高まったと考えられることから、日本での規制の動きにも一層注目していく必要がありそうです。

 

本日、こちらからは以上です。

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。