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ビットコインキャッシュに乗換でビットコイン暴落|週末の相場は大荒れ

本日2017年11月13日(月)時点のビットコイン情報をお届けします。
16時頃のビットコイン価格は、720,000円前後(時価総額:約11.95兆円)です。

先週金曜日の同時刻帯より10万円ほど安い水準です。
週末の間、ビットコイン(BTC)からビットコインキャッシュ(BCH)への乗換取引が殺到し、日本時間11月12日15時台にはビットコインが一時60万円割れ寸前まで暴落したのに対し、ビットコインキャッシュは24時間で3倍の33万円台にまで暴騰するなど大荒れの相場展開となりました。

本日、ビットコインは73万円台まで反発する一方、ビットコインキャッシュは12万円台まで急落するなど、依然激しい値動きが続いています。
本日の記事では、ジェットコースターのような値動きを見せた週末からの相場展開とその背景をまとめてみたいと思います。

 

【1】マイニング業者がビットコイン⇒ビットコインキャッシュへ一斉に乗換

11月1日、マイニング業者に対する匿名の投稿がネット上で公開されました。
11月10日頃に起きるビットコインを採掘する難易度の調整タイミングにあわせて、ビットコインを売って、ビットコインキャッシュを買うことと、ビットコインのマイニングを止めて、ビットコインキャッシュをマイニングすることを促した上、「ビットコインキャッシュが真のビットコインを名乗ることになる」とした革命宣言とも言える内容でした。

An open letter to Bitcoin miners from another miner

この投稿はSegwit2Xの導入延期が決まる前のことでしたが、世界最大のマイニング業者である中国BITMAIN社の共同設立者ジハン氏が11月10日、「明日は新しい日となるだろう」と意味深な発言をした辺りから、ビットコインキャッシュの価格が上昇し始めました。

 

更に、マイニング業者が採掘対象をビットコインからビットコインキャッシュへ実際に切り替え始め、ビットコインの下落とビットコインキャッシュの上昇が加速しました。

採掘するマイニング業者が大幅に減少したことで、ビットコインネットワークの処理能力がダウンし、ビットコインの送金待ち件数は10万件以上となるなど大幅な遅延が生じる事態となり、更にビットコインの売りが加速しました。

ビットコイン未確認取引件数

 

【2】ビットコインキャッシュの難易度が一気に4倍となり、流れは反転

11月10日〜11月12日で、ビットコインが20万円超下落し、ビットコインキャッシュが20万円超上昇するという資金シフトが起きましたが、次に起きたのはビットコインキャッシュの難易度調整でした。

マイニング業者が大量にビットコインキャッシュに移動し、処理能力が大幅に増加したことでバランスが崩れ、採掘の難易度が一気に4倍に高まりました。

ビットコインキャシュの採掘難易度グラフ

 

この結果、ビットコインキャッシュを採掘するよりビットコインを採掘した方が収益性が良くなることとなり、マイニング業者がビットコインに戻り始めました。
相場も一気に反転し、ビットコインは反発、ビットコインキャッシュは急落という、何とも慌ただしい展開となりました。

ただ、ビットコインキャッシュは日本時間14日早朝、マイニングの難易度を調整するアルゴリズムに変更を加えるハードフォーク(バージョンアップ)を実施する予定であるため、その結果難易度が実情に即して大きく下がることになれば、再びマイニング業者がシフトする可能性が高く、相場もまた動きそうです。

 

【3】利己的に動くマイニング業者に振り回される仮想通貨マーケット

週末の間、マイニング業者の結託や大移動により振り回された格好の投資家層からは、さすがに疲れたとの声も聞こえてきます。

ビットコインとビットコインキャッシュの両方を同数保有している人はさほど大きな影響はありませんでしたが、ビットコイン単独で見れば、週末だけで時価総額が1-2兆円目減りしたことになります。

送金遅延はしばらく続きそうで、実需面でのマイナスも無視できません。

マイニング業者が各々の利益追求のため、利己的に動くのは以前からですが、マーケット規模や参加者数がどれだけ大きくなってきても、全体から見ればごく少数のマイニング業者に全てを握られてしまっている状況は、客観的に見て恐ろしく感じられ、ビットコインが本当の意味でメジャーな存在になるには、まだまだ解決すべき課題が多く残っていそうです。

 

本日、こちらからは以上です。

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。