本日2017年11月24日(金)時点のビットコイン情報をお届けします。
16時頃のビットコイン価格は、913,000円前後(時価総額:約15.25兆円)です。
水曜日の同時刻帯から大きく変わらない水準です。
香港の大手取引所Bitfinexが大量発行させた仮想通貨Tetherを原資に相場を操縦していたのではという疑惑が引き続き嫌気され、ビットコインからビットコインキャッシュに一部資金が流れている模様で、ビットコインの下落とは逆に、ビットコインキャッシュは一時19万円台まで急騰しました。
Bitfinex絡みの疑惑がしばらく材料視されそうな雰囲気です。
本日の記事では、「SankeiBiz」が取り上げたマイニング時の電気代問題や、「プレジデントオンライン」の仮想通貨取引での利益に対する税金に注意を促す記事をピックアップしつつ、所感などをまとめてみたいと思います。
【1】増加する一方のマイニング電力消費にアナリストが警告
産経新聞グループの総合経済情報サイト「SankeiBiz」が、増加する一方のマイニングの電力消費を基に、電気代の採算を取るためには2022年までに30万ドル〜150万ドルまで上昇する必要があるとシティグループのアナリストが試算したことを報じました。
約10分に1回のペースで行なわれるマイニングでは暗号パズルを最も早く解いた者にのみ報酬(現在12.5BTC=約1,125万円相当)が与えられるルールのため、マイニング業者は競い合い、数万台もの専用機器で大量に電力を消費して計算に取り組んでいます。
暗号パズルの難易度は、2016ブロック(約2週間)ごとに平均10分に1回のマイニングとなるよう自動調整されるため、
ビットコイン価格が高騰
↓
報酬を求めてマイニング機器台数が増加
↓
ネットワークの計算能力が増加(消費電力も増加)
↓
マイニングの難易度が増加(採掘コストが高騰)
↓
ビットコイン価格が高騰
のループ、すなわち採掘コストが上昇したことを根拠に、ビットコインの価格が押し上げられてきた側面があります。
実際、マイニングの難易度やネットワークの計算能力は、価格高騰と連動して過去1年で5倍以上に増加しています。
一方、マイニングでの電力消費量が高まるにつれ、貴重なエネルギーの無駄遣いだと批判的な声も高まってきており、今回アナリストが指摘したように、今後、ビットコインのマイニングアルゴリズムが大幅に変更されない限り、電力消費を抑えるため、各国政府がマイニングに対して制限・規制・課税などを検討する可能性は否定できず、ロシアが検討しているという「マイニング税」はその先鞭になるかもしれません。
【2】雑所得とされた仮想通貨取引での利益、相場への影響は?
プレジデントオンラインが、ビットコインの税金について注意を促す記事を本日公開しました。
国税庁が9月、「ビットコインで得られた利益は雑所得」とする指針を発表し、数千万単位、億単位という多額の利益を得たエンジニアや学生など税制に疎い古株ユーザー層などを中心に動揺が走りました。
(国税庁)ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係
今回の記事執筆者は雑所得とされたことを「厳しい判断」とし、主に3つの問題があると指摘しています。
雑所得が不利だとする3つの理由
- 他の所得と損益通算できない
- 損失を繰越控除できない
- 累進税率が適用される
FX取引もくりっく365を除き、最初は雑所得とされていたものの、2012年分から一律20%の分離課税となったことが、その後の市場拡大に大きく貢献しました。
仮想通貨取引についても、取り巻く環境が整備されていくにつれ、数年先には分離課税となる可能性がありそうですが、FXでの歴史を参考にすれば、多額の利益を得たにも関わらず、納税しなかった人を見せしめ的に脱税容疑で起訴するといった事案も来年以降起こり得そうです。
なお、仮想通貨取引の特徴として、ビットコインを決済した後に円で保有するより別の仮想通貨で保有しているケースが多く見受けられます。
来年の納税を考えると、既にビットコイン等で多額の利益を確定済みの人が、更に利益確定額・納税額を増加させる決済を年内行なうことに抵抗が生まれやすい一方、年明けには、2月、3月の確定申告時期に向けて、納税資金捻出のための決済が出やすい環境と言えます。
年明けにビットコインやアルトコインに急落が生じた場合、納税資金捻出の売りがパニック的に重なる場面があるかもしれません。
本日、こちらからは以上です。