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テザー(USDT)疑惑再燃で一段安|bitFlyerの新規通貨はリスク(LSK)

本日2018年1月31日(水)時点のビットコイン情報をお届けします。
15時頃のビットコイン価格は、1,079,000円前後(時価総額:約18.17兆円)です。

昨日の同時刻帯より12万円ほど安い水準です。
コインチェック事件に加え、仮想通貨デザー(USDT)を発行するTether社への疑惑が再燃して、売り優勢の相場展開となっています。
日本時間1月31日午前3時台には10,000ドルの大台を割り込んだものの反発を見せ、その後も前回急落時の反発ポイント10,000ドルを挟んだ攻防が続いています。

なお、1月中に発表予定と告知されていた国内最大手取引所bitFlyerの新規取扱通貨は本日1月31日午後2時30分頃、本命の一つと噂されていた「リスク(LSK)」と発表されました。
早速取引が開始され、急騰し始めているものの、国内で唯一先行して上場していたコインチェック社が取引停止中で購入できない投資家層も多いと見られ、過去事例のように勢いが継続するかは不透明です。

本日の記事では、コインチェック事件の続報と、相場下落要因として再燃している仮想通貨テザー(USDT)を巡る疑惑、Facebookが仮想通貨やICO関連の広告を全面禁止するという発表を取り上げたいと思います。

 

【1】出金再開見通しは来週以降、SBI北尾社長は自社戦略を狂わせられて激怒

時価580億円相当のネム(XEM)流出事故以降、12種類のアルトコインの取引と全ての出金を停止したままのコインチェック社は30日深夜、出金再開見通しを数日中にも明らかにすると発表しました。

コインチェック社の今回の措置については、顧客からのクレームが連日殺到しており、なかには出金停止措置が当局の意向と勘違いした投資家が金融庁へクレームを入れるケースもあるようで、金融庁の業務改善命令とは関係なく、自主的に出金を停止している旨を強調するよう指導が入った可能性もありそうです。

出金再開の予定につきまして | コインチェック株式会社

 

コインチェック事件は多くの投資家、関係企業を巻き込む騒ぎとなっていますが、グループ内で専門子会社を次々と設立し、仮想通貨を基盤とした新たな金融生態系の構築を推進していたSBI北尾社長は、仮想通貨への信頼を大きく揺るがした同社に怒りを爆発させており、30日の決算説明会では「最も腹が立つのはシステムに金を払うべきなのに、客を集めるCMで多額の金を払ってる」「こういう輩はカス中のカス」など、厳しく批判しています。

同グループの仮想通貨取引所SBIバーチャルカレンシーズは、昨年12月に事前登録者向けの口座開設申込受付を開始し、1月中にも取引所をオープンすると見られていたものの、30日には口座開設手続きなどを2月以降に延期する旨を発表しており、コインチェック事件の影響を感じさせます。

コインチェック社に対して、楽天やSBIなど大手企業による救済買収を期待する声も投資家層から上がっていましたが、北尾社長は「私どもはこんな会社に投資してない。一切の付き合いをやめると宣言してる」とバッサリ斬って捨てています。

dialog-news.com

 

先週木曜日まで「急成長を遂げた日本有数のスタートアップ企業」として、高い注目と羨望を集めてきたコインチェック社は、ハッキングの被害者にも関わらず、社内管理体制の甘さと事件後対応の不味さが相まって、犯罪者を見るような目線で世間から睨まれるという、何とも厳しい状況に追い込まれています。

 

【2】仮想通貨テザー(USDT)を巡る疑惑再燃で、相場は一段安

コインチェック事件後も、日本のいち取引所の問題として大きく崩れることがなかった仮想通貨マーケットでしたが、ブルームバーグが日本時間1月31日未明に、仮想通貨テザー(USDT)を発行するTether社と、関連会社である香港大手取引所Bitfinexに対して、米商品先物取引委員会(CFTC)が昨年12月に召喚命令を出していたと伝えたことで一段安となりました。

www.bloomberg.co.jp

 

テザー(USDT)は、1USDT=1米ドルでペッグされた「デジタル米ドル」とされており、投機目的というより、仮想通貨取引を行なう際の基軸通貨や、相場急落時の退避目的、取引所間の送金用などとして用いられています。
現時点では、1USDT=0.98米ドル前後で取引されています。

発行額と同等の米ドルなど法定通貨をTether社が確保・管理していることが信用の裏付けとされているものの、本当にTether社が数億ドルとも20億ドル以上とも言われる発行額に値する法定通貨を確保しているのかや、関連会社であるBitfinexと結託した相場操縦を疑う声が以前から多くありました。

仮に、法定通貨の裏付けがないまま大量発行したテザー(USDT)を用いてビットコインを購入していた場合、当局の検査前にビットコインを大量決済して換金する可能性や信用不安が広がる恐れがあり、相場はネガティブに反応しています。

一方、Tether社とBitfinexは米国外企業であり、Tether社は今年1月から米国籍を持つ人のUSDTの使用・保持を禁じる利用規約変更に踏み切ったため、米商品先物取引委員会(CFTC)の召喚命令について実効性を疑う声も出ています。

 

【3】Facebookが仮想通貨、ICOの広告全面禁止、業界団体も表現規制へ

Facebookが30日、「誤解を与えたり虚偽を含んだりする金融商品の広告は受け入れない」として、仮想通貨やICOについての広告を全世界で禁止することを発表しました。

仮想通貨ブームを受けて、ネットワーク効果が高いSNS上では聞いたことがないような仮想通貨の販売やICOを告知する広告が氾濫しており、Facebookは子会社のインスタグラムも含めて、詐欺的かかどうかにかかわらず仮想通貨関連の広告を全面禁止する方針と見られています。
仮想通貨業界にとってみれば新規顧客を獲得する手段が制限されることになり、Twitterなど他のSNSも追随すれば、より大きな打撃となりそうです。

www.nikkei.com

 

なおコインチェック事件を受けて、業界団体である日本仮想通貨事業者協会(JCBA)と日本ブロックチェーン協会(JBA)は1月29日、適切な広告の表現や管理体制などを加盟企業に求める自主規制方針を発表しました。
コインチェック社が事件前に大量のテレビCMを放映するなど、セキュリティ管理体制の強化より集客プロモーションを重視していたと批判されていることが背景にあります。

広告表現などについての業界自主規制は、金融業界では一般的に取り入れられている中、いまだ有力取引所間での対立や方向性の違いを背景に、業界団体が分裂したままであるなど、意思統一に時間が掛かる状態であったことで、自主規制を始めとする様々な決め事が後手に回っている感は否めません。

仮想通貨取引の広告取扱いに関する会員への要請について | 一般社団法人 日本仮想通貨事業者協会(JCBA)

仮想通貨交換業に関する広告等の表示及び景品類の提供についての留意事項 | JBA

 

本日、こちらからは以上です。

 

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。