本日2018年3月6日(火)時点のビットコイン情報をお届けします。
15時頃のビットコイン価格は、1,207,000円前後(時価総額:約20.40兆円)です。
昨日の同時刻帯より1万円ほど安い水準です。
じわじわと値を切り上げる中、日本時間3月6日午前3時台には2月21日以来となる11,700ドル台に到達したものの、その後売りが出て急落しました。
SankeiBizが報じたG20での仮想通貨規制案が売り材料視された面もあります。
本日の記事では、今月アルゼンチンで開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議では仮想通貨について風説の流布・空売りの禁止なども議論される見通しと伝えるSankeiBizの記事や、取引所自身のインサイダー取引疑惑に関しての所感などをまとめてみたいと思います。
【1】アルゼンチンG20では、風説の流布・空売りの禁止なども議論対象に
3月6日の朝、産経新聞グループの経済情報サイトSankeiBizが、今月19日、20日にアルゼンチンで開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議で、仮想通貨規制案が議論される見通しであることを報じました。
G20で仮想通貨規が議論されることは既に周知のニュースではあったものの、今回の記事では、乱高下する仮想通貨市場への対策として風説の流布や空売りの禁止なども議論されるとしており、これまでより踏み込んだ内容となっています。
空売りの禁止については、CBOE・CMEのビットコイン先物市場を始め、世界中の取引所で信用取引・先物取引・FX取引といった様々な形態で提供されているレバレッジ取引の存在意義や土台を揺るがしかねない規制案ですが、規制により流動性が落ちることで、逆に値動きが不安定になるリスクもあり、すぐに導入という結論にはならないかもしれません。
一方、風説の流布については、これまで違法とする根拠がなかったことで、インターネット、特にSNS上で数多くの虚偽情報やポジショントークが飛び交っており、詐欺行為の温床にもなっているため、対策が議論されることに違和感はありません。
なお、bitFlyer、コインチェック、Zaifといった国内大手取引所の取引画面には、ユーザー同士が意見を交換し合うチャット機能が以前から付いており、日常的にポジショントークが飛び交っていますが、風説の流布と見做される発言も多く、偽情報やその場のムードに流されて取引する人が続出しかねない状況であることから、いずれ規制の対象になる可能性が高そうです。
【2】取引所のインサイダー問題、取引所とブローカーの兼務が背景に
世界最大規模の仮想通貨取引所を運営する米コインベースが、昨年12月にビットコインキャッシュ(BCH)を上場した際、直前に不自然な値上がりが見受けられたことから、従業員などによるインサイダー取引疑惑が広がっていましたが、損害を受けたとする利用者が集団訴訟を起こす騒ぎに発展しました。
同社は疑惑の広がりを受け、インサイダー取引に関与した従業員がいないかどうか内部調査すると発表していましたが、明確な進展は報告されていませんでした。
日本でも取引所が新しい仮想通貨を上場する際に、内部情報を知る立場の従業員または会社自体が値上がりを見越して事前に大量に買っているのでは、という疑いは根強く、特に顧客同士の取引をマッチングさせる取引所方式ではなく、会社が売買の相手方となる販売所方式では、会社側が事前にアルトコインを大量に仕入れているケースが多いことから、金融商品取引法などで禁止されているフロントランニングに近い構造となってしまいます。
(仮想通貨は金融商品取引法の対象外ですが)
株式市場であれば、東証などの「取引所」と取引を仲介する「証券会社」が明確に分離しており、取引所には高い倫理観と公正な市場運営が求められていますが、仮想通貨マーケットでは仮想通貨取引所が「取引所」と「ブローカー」を兼任している点が公正な市場運営を歪める要因になっているように感じます。
日経新聞社もコインチェック事件を契機に、事業の実態や法的な位置付けを鑑みて、2月5日から「取引所」ではなく「交換会社」と表記を改めるようになりました。
仮想通貨は国家が管理する既存金融に対するアンチテーゼとして、非中央集権を標榜して誕生しましたが、普及とともに様々な問題点が明らかとなり、国家による規制の流れが避けられないのであれば、少なくとも投資ジャンルに関しては、公的な「取引所」と民間の「ブローカー(交換会社)」とに分離した方がすっきりしそうです。
本日、こちらからは以上です。