本日2018年3月8日(木)時点のビットコイン情報をお届けします。
15時頃のビットコイン価格は、1,046,000円前後(時価総額:約17.68兆円)です。
昨日の同時刻帯より9万円ほど安い水準です。
米証券取引委員会(SEC)が、仮想通貨取引所はSECに登録すべきだとの見解を示したことや、海外大手取引所Binanceでハッキング被害があったとの憶測が駆け巡ったことで、ビットコイン相場は警戒感から急落し、10,000ドルを割り込みました。
その後一旦反発するも、金融庁が取引所7社に対する行政処分を発表したことや、2014年に破綻したマウントゴックス社の破産管財人が、382億円相当のビットコインを売却済みとした上、まだ未売却のビットコインが1,800億円相当残っていると発表したことが重荷となり、再び弱含みの展開となっています。
本日の記事では、金融庁が一斉に発表した取引所7社に対する行政処分内容と、国内未登録の海外ICO業者・取引所に対する金融庁の対応方針を取り上げたいと思います。
【1】金融庁が7業者に対し一斉に行政処分、テックビューロ社・GMOコイン社も
仮想通貨取引所への立ち入り検査を順次進めていた金融庁が、顧客保護体制やマネロン対策などが不十分として、複数の業者を行政処分する見通しであることを日経新聞が昨夜報じていましたが本日午前、7業者に対する行政処分が一斉に発表されました。
◇業務改善命令(改善計画書の提出)
- テックビューロ社
- GMOコイン社
- コインチェック社(みなし業者)
- バイクリメンツ社(みなし業者)
- ミスターエクスチェンジ社(みなし業者)
◇1ヶ月間の業務停止命令
- ビットステーション社(みなし業者)
- FSHO社(みなし業者)
コインチェック社は2回目の業務改善命令となる他、ビットステーション社とFSHO社は1ヶ月間の業務停止命令という重い処分内容となりました。
特にビットステーション社は、100%株主の経営企画部長が顧客のビットコインを私的に流用していた事実が明らかとなっており、刑事事件に発展しそうです。
ビットステーション株式会社に対する行政処分について:財務省東海財務局
早速、今回の行政処分を受けて、ビットステーション社を含むみなし業者3社が金融庁の登録要件を満たすのは困難と判断し、申請を取り下げて廃業すると報じられており、16社存在していたみなし業者の撤退が加速しそうです。
金融庁登録済み業者ではコインチェック事件を受け、金融庁が2月2日に資産管理状況やセキュリティ体制についての説明を求める報告徴求命令を全ての業者に出した後、報告内容が不十分だったして、テックビューロ社とGMOコイン社に立ち入り検査に入っていたことから、行政処分の有無が注目されていましたが、両社ともに業務改善命令となりました。
特にテックビューロ社は、頻発するシステム障害や不正アクセス事案が指摘された上、再発防止策や顧客への情報開示が不十分と断じられたことから、3月22日締切の改善計画書提出後も、当面監視されることになりそうです。
このところ活発な金融庁の動きから事前にある程度予想されていた展開とは言え、大手取引所や知名度が高い企業グループに対して行政処分が下されたことで、コインチェック事件と絡めて各メディアが大きく取り上げることは必至で、新規参加者が減少するなど、国内マーケットへの悪影響が懸念されます。
なお、まだ立ち入り検査が済んでいない金融庁登録済み業者も多いため、第2弾の処分発表が今後あるかもしれず注意が必要です。
【2】金融庁、未登録の海外事業者への対応は海外FXと同じ
タイに拠点を置く日系のICO業者は、3月7日付のプレスリリースで仮想通貨交換業の登録を済ませていない業者が日本居住者に対してICOのトークンを販売することは資金決済法違反となると金融庁から警告を受けたことを明らかにしました。
金融庁は、募集時のホワイトペーパー(事業計画書)に日本居住者は販売非対象と記載するだけでは不可で、実際に日本居住者が購入できない態勢を整備する必要があると指摘しています。
この辺りは海外FX業者への対応と同一と言え、金融庁は未登録の海外取引所に対しても日本居住者の口座開設を停止するよう求めている模様で、日本人利用者も多い海外大手取引所Binanceは、今年1月にWebサイトの日本語表記を突如削除しました。
同取引所のCEOはインタビュー記事で、金融庁から警告があったことを認めており、一時期日本進出への意欲も示していましたが、審査のハードルが高く取り止めたようです。
本日、こちらからは以上です。