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コインチェック、流出ネムの補償と一部通貨の決済・出金を3月12日開始

本日2018年3月13日(火)時点のビットコイン情報をお届けします。
15時頃のビットコイン価格は、1,007,000円前後(時価総額:約17.03兆円)です。

昨日の同時刻帯より2万円ほど安い水準です。
日本時間3月12日午後7時台に、ドル建て市場で9,900ドル前後まで上昇しましたが、午後11時台に大口の売り仕掛けが入り、大きく値を下げました。
ここ数日、8,500ドル〜10,000ドルのレンジで仕手筋に振り回される展開が続いています。

本日の記事では、ついに昨日3月12日からネム保有者への日本円補償を開始すると共に、一部仮想通貨の決済取引・出金を再開したコインチェック社の動きについて取り上げたいと思います。

 

【1】コインチェック、一部仮想通貨の決済取引・出金を3月12日から再開

ネム流出事故以降、ビットコインの取引や日本円の出金(2月13日〜)以外は停止していたコインチェック社が、ビットコインの出金や5種類のアルトコインの決済取引・出金を3月12日より再開しました。

一方、アルトコイン全ての新規取引や、7種類のアルトコインの決済取引・出金は解除されず、引き続き凍結されたままです。

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いまだ解除されていないもの
  • 新規口座開設
  • アルトコイン全ての新規取引
  • リスク(LSK)の決済取引、出金
  • ファクトム(FCT)の決済取引、出金
  • モネロ(XMR)の決済取引、出金
  • オーガー(REP)の決済取引、出金
  • ジーキャッシュ(ZEC)の決済取引、出金
  • ネム(XEM)の決済取引、出金
  • ダッシュ(DASH)の決済取引、出金

 

決済取引や出金だけを解除し、新規取引を解除しないのは、金融庁から行政処分を受けた企業が顧客保護上取らされる措置として良くありますが、今回コインチェック社はアルトコインの中でもイーサリアムなど5種類の決済・出金はO.K.とする一方、リスク(LSK)など7種類は引き続きNGにしています。
その理由を「各種リスクの洗い出しや技術的な安全性等が確認でき次第」としているものの、どこか歯切れが悪い印象です。

リスク(LSK)を除く6種類については、国内で唯一コインチェック社のみが取り扱っていた仮想通貨で、リスク(LSK)についてもbitFlyerが1月31日から取扱を開始しましたが、いまだ金融庁の公式ページ(いわゆるホワイトリスト)には記載されておらず、金融庁の扱いはグレーと言えそうです。

公式の説明通り、技術・セキュリティ上の問題が残っていることで7種類を除外した可能性もありますが、匿名性が高い仮想通貨として金融庁が警戒していたダッシュ、モネロ、ジーキャッシュや、ギャンブルのような仕組みを持つオーガーが含まれているのは偶然の一致とは考えづらく、金融庁の思惑を感じさせます。

金融庁|仮想通貨交換業者と取扱通貨一覧リスト

 

なお、停止が続く新規取引や口座開設受付の再開などについては「経営管理態勢及び内部管理態勢が整い次第再開」としており、現在交渉中と見られる増資引受企業の経営参加など、抜本的な体制変更が実現しないと難しいかもしれません。

2度目の業務改善命令の書面提出期限は3月22日であるため、そのタイミングで新しい発表が出る可能性がありそうです。

 

【2】コインチェック、ネム保有者への日本円補償を3月12日開始

コインチェック社は3月8日に開いた記者会見での説明の通り、ネムの保有者に対して1XEM=88.549円で算出した金額を日本円で補償する措置を3月12日より開始しました。

補償金額は463億円、対象者は約26万人となり、補償分は対象者のコインチェック口座の残高に反映する形となります。

流出事故から1ヶ月半でようやく事態が前進しました。

corporate.coincheck.com

 

ネム価格は流出発覚後に暴落し、昨日の補填開始発表前は元の1/3水準である38円前後で推移していましたが、コインチェックから補償された日本円でネムを買い直す投資家が殺到するという思惑から発表直後より急騰し、本日現在45円前後まで戻してきました。

コインチェックでは日本円の補償を受けてもアルトコインの新規取引は停止中でネムは購入できず、ネムの取扱最大手のZaifに資金移動する必要があるため、本格的な買い直しの動きは明日以降となりそうです。

ただ、Zaifを運営するテックビューロ社もまた業務改善命令を受けたばかりで、Zaifに資金を投入することに抵抗を覚える投資家も多いことから、どこまで値を上げるかは微妙な情勢です。

 

【3】コインチェック、ピーク時の預かり資産は1兆円を軽く超えていた模様

コインチェック社は前回の記者会見で、現在の口座数が170万、昨年12月度の取引高が約4兆円に達していたことを明らかにしましたが、預かり資産額については依然公表していません。

そこで、有志がコインチェックが仮想通貨を管理しているコールドウォレットのアドレスを割り出して調査したところ、3月10日時点の推定預かり資産額は7通貨分だけで4,000億円超あるようです。

 

 

ここに流出したネムや、未取引の日本円、他のアルトコインなどを加算すると5,000億円オーバーは確実で、更にどの仮想通貨も昨年12月のピークから概ね半値以下に下落していることを考えると、ピーク時には1兆円を軽く超えていた計算となります。

同社の急成長ぶりが伺える反面、事故に巻き込まれた格好の投資家数(口座数170万)と預かり資産の多さに改めて驚かされます。

FX業界のトップ企業でも口座数は65万前後(DMM.com証券)、預かり資産は1,500億円程度(GMOクリック証券)ですので。
なお月間取引高だけは、レバレッジ25倍と狭いスプレッドで高回転が効くFXの方が70兆円台(GMOクリック証券)と圧勝している格好です。
※FXデータは2018年1月末現在

 

本日、こちらからは以上です。

 

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。