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【350万口座】仮想通貨の利用状況をFXと比較|12月だけで1兆円純増も…

本日2018年4月10日(火)時点のビットコイン情報をお届けします。
15時頃のビットコイン価格は、727,000円前後(時価総額:約12.34兆円)です。

昨日の同時刻帯より4万円ほど安い水準です。
4月7日よりじわじわと値を上げてきていましたが、9日午後7時台に急落して上昇前の70万円台前半、6,700ドル台まで戻りました。
3月末から6,500ドル〜7,400ドルのレンジでの値動きが続いています。

本日の記事では、今回始めて明らかにされた国内主要業者の利用状況データと、そこから読み取れる実態について取り上げたいと思います。

 

【1】仮想通貨市場の規模感が分かるデータが初公開、FXと比較すると?

金融庁は3月、仮想通貨交換業等をめぐる諸問題について制度的な対応を検討するため、「仮想通貨交換業等に関する研究会」を設置することを決め、その初会合が本日4月10日に開催されることとなりました。
学識経験者、金融実務家などをメンバーに、仮想通貨交換業者等の業界団体、関係省庁をオブザーバーとして、金融庁が事務局を務める構成です。

その会合での説明資料として、仮想通貨交換業協会がまとめた国内主要業者の利用者データが使われるようで、その一部が業界メディアにより明らかにされました。
仮想通貨マーケットの規模感が分かる集計データが公開されるのは初めてで、大変興味深い内容となっています。

 

 

現物取引顧客数350万人は、コインチェックが170万口座、bitFlyerも100万口座以上と見られることから想定の範囲内と言えますが、有力FX企業16社の口座数合計が464万口座(2018年2月末現在、矢野経済研究所調べ、以下同じ)であることを考えると、わずか3年ほどで約20年の歴史を持つFXに肉薄したことになり、驚異的な普及スピードであったことを再認識させられます。

年間取引高は現物取引は12.7兆円、レバレッジ取引を含めると69兆円規模となっており、想定よりは現物とレバレッジとの取引高の差は開いていないようです。
有力FX企業12社の「月間」取引高合計276兆円から見ると低く見えますが、レバレッジ25倍の短期取引が前提のFXと、現物での長期保有者が多い仮想通貨マーケットの違いのほか、昨年12月はbitFlyerで約10兆円、コインチェックで4兆円と盛り上がったものの、年度前半はそれ程でもなかったことや、最大レバレッジの違い(bitFlyerは15倍、コインチェックは5倍)も影響したと考えられます。

 

【2】昨年12月だけで1兆円の純増も、損失を被った人多数で資金流出が続く現状

公開されたデータの中で特に興味深いのは、入出金データです。
年度別で見ると毎年桁違いに伸びており、平成29年度(2017年4月〜2018年3月)には入金−出金で計算して1兆円以上の投資資金が投下されていることが分かります。
これは有力FX企業15社の預かり残高合計9,387億円を上回る金額です。

 

ただし月別で見ると、1兆円の純増はビットコインが史上最高値を付けて仮想通貨マーケットが最も盛り上がった昨年12月だけで達成していること分かります。
ボーナス時期だったことやコインチェックの大量テレビCM放映も影響したと見られます。
現在のビットコイン価格はこの時の1/3水準ですので、この純増マネーで投資した人は大きな損失を被ったことになります。

年が明けて相場が変調した1月は入金額が減少し、出金額が一気に増加します。
そしてコインチェック事件(1/26)発生後の2月、3月は入金額が更に減少し、出金額を下回るようになりました。

 

コインチェックは凍結していた出金を再開した2月13日当日だけで401億円の出金があったと発表しているため、2月・3月の出金の多くは同社からの流出であると思われます。
(他社への乗換えも考慮するとコインチェックからの出金額は更に多い可能性もあります)

今般のマネックスによるコインチェック買収により、資金流出ペースは落ちると見られるものの、市場全体への資金流入額が増加しない限りマーケットは盛り上がりに欠けるため、新規マネーをもう一度仮想通貨マーケットに呼び込むキッカケが必要と言えそうです。

 

本日、こちらからは以上です。

 

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。