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テックビューロ、Zaifを事業譲渡|フィスコは転換社債発行で原資を調達

本日2018年10月11日(木)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は700,000円前後(時価総額:約12.12兆円)です。

昨日の同時刻帯より4万円ほど安い水準です。
日本時間11日午前9時台より下げ足を速め、10時台に入ると一気に300ドル急落しました。
いまだレンジ内での値動きとは言え、久々に大きく動きました。

本日の記事では、テックビューロとフィスコがZaifの取引所事業と顧客資産を事業譲渡する契約を締結したニュースについて取り上げたいと思います。

 

【1】テックビューロ、Zaifをフィスコに事業譲渡すると発表

先月、70億円相当の仮想通貨流出事故を起こして顧客資産が45億円毀損する状態となり、去就が注目されていたテックビューロは10日夕方、支援を申し出ていたフィスコとの間で、Zaifの取引所事業を譲渡する契約を締結したと発表しました。

流出した顧客資産分の仮想通貨をフィスコ側は調達済みとしており、滞りなく進めば11月22日に事業譲渡が実行されるスケジュールとなっています。

当初、フィスコがテックビューロの株式の過半数を取得する企業買収とされていましたが、協議を進めた結果、事業譲渡に変更となりました。
テックビューロは流出事故を受けて9月に3度目の業務改善命令を金融庁から受けており、事故の実態解明後には業務停止命令が出る可能性もあっただけに、リスク回避の観点から会社ごとではなく、取引所事業と顧客資産だけを引き受ける方式としたとみられます。

テックビューロはソフトウェア開発事業や海外事業など取引所事業以外を7月に設立した新会社に移管済みのため、取引所事業を売却した後は仮想通貨交換業の登録を廃止した上、解散する考えを示しています。

prtimes.jp

 

【2】フィスコ、グループ各社に転換社債を発行して原資を調達

Zaifの事業と顧客を引き受けることとなるフィスコも10日、事業譲渡の内容や資金の調達方法についてのリリースを出しました。

フィスコ|持分法適用関連会社における事業の譲受けに関するお知らせ

譲渡代金は55億円に設定されてはいるものの、流出した顧客資産45億円や関連費用、事業の引き継ぎに同意しない顧客分などを差し引いて、テックビューロに支払う実質額は3億円程度と見込んでいるようです。

また、グループ会社を引受先とした転換社債を42億円分発行して原資とすることも明らかにしましたが、テックビューロの説明では既に流出した顧客資産分の資金を調達済みとなっているのに対し、フィスコの10月18日を払込期日としてこれから調達するとしていることから、テックビューロの説明は都合良く歪められている感があります。

 

フィスコはZaif事業をそのまま承継し、取り扱う仮想通貨も変更ないと発表したことで利用者から安堵の声が聞かれるものの、Zaifはフィスコが取り扱っていない仮想通貨を数多く上場しており、その中には昨年ICOで100億円超の資金を調達して発行したCOMSAや、Zaifトークンなどテックビューロ色が強いものも含まれるため、事業承継後も本当に上場され続けるのか様子を見る必要がありそうです。

仮に上場を継続しない仮想通貨が出てきた場合、国内の他取引所では売却できずに海外で売却する等の手順を踏む必要が生じることから、面倒を嫌って売りが殺到する可能性が高そうです。

 

加えてフィスコのリリースで併せて注目されたのは、テックビューロの財務状態です。
ビジネス拡大を優先して手数料をマイナスにするなどの営業施策を取っていた結果、2018年3月期は売上5億、純損失20億円となっていました。

昨年ICOで調達した100億円は、新会社に移管済みでテックビューロ内には残っておらず、なかなか厳しい財務状態であったと言えます。

 

【3】事前に新会社に事業資産を移管していたテックビューロに疑惑の声も

テックビューロは7月にテックビューロホールディングスという新会社を設立して、国内取引所以外の事業を移管しましたが、ホールディングスと名付けながら、現在のテックビューロと直接の資本関係を持たずに(親会社でも子会社でもない)、テックビューロの株主がそのまま新会社の株主にも収まるという不思議な形態を取っています。

金融庁の規制が強まり、自由度がなくなったことで経営陣のやる気が明らかに失われていた中、テックビューロに国内取引所事業を残したのは、金融庁登録ライセンスに高い値が付いていたため、他社への売却を企図した準備作業とみられていましたが、流出事故から、関係が深いフィスコへの事業譲渡、会社精算というシナリオが明らかにつれ、インターネット上では事前に価値があるものを外出しした上での計画倒産ではないかという疑惑の声も広がっています。

フィスコがZaifの顧客に対して、損害賠償の引受義務は承継しないとしている一方、テックビューロは会社の解散を予告しているのも気になる点です。

特に焦点となっているのは、昨年100億円超集めたICO調達資金の行方ですが、スイスに設立した子会社が発行体となっており、現在はテックビューロホールディングスの管轄下にあるとみられるものの、実態が見えません。

偶然のタイミングで事故が起きただけという見方もできますが、朝山社長を始めとするテックビューロの経営陣が一切表に出ず、事情を説明しない姿勢が疑惑に拍車をかけており、当面は騒がれることになりそうです。

 

本日、こちらからは以上です。

 

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。