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イラン政府、仮想通貨マイニングを正式な産業として承認へ|業界団体JVCEA、金融庁に仮想通貨税制の改正要望書を提出

本日2019年7月23日(火)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,110,000円前後(時価総額:約19.79兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べて約37,000円安い水準です。
売買材料に乏しい中、10,600ドル前後の狭いレンジ内での小動きが続いていたビットコインですが、日足の25日移動平均線に上値を抑えられる形で徐々に売りが優勢になると、日本時間23日の4時頃に一時10,100ドルまで下落。ただ、下値も限定的で、その後は10,300ドル付近まで値を戻しています。

本日の記事では、イラン政府が仮想通貨マイニングを産業として正式に認める方針であるとの報道や、日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)が金融庁に提出した税制改正の要望書について取り上げたいと思います。

 

【1】イラン政府、仮想通貨マイニングを正式な産業として承認へ

イラン商工鉱業農業会議所は22日、同国政府の経済委員会において「デジタルコインをマイニングするメカニズム」が承認されたことを明らかにしました。今後、閣僚級会合を経て、仮想通貨マイニングが正式な産業として認められる見通しだといいます。

経済委員会のトップであるエリヤス・ハズラティ氏は、「仮想通貨産業がイランで正式な産業として認められるべきだと考えている。税収や関税で有利に立てればと思う」とコメントしています。

jp.cointelegraph.com

イランではアメリカによる経済制裁の影響で自国通貨リアルの信用力が著しく毀損していることから、仮想通貨の需要が高まっていますが、政府は以前からリアルの流出に繋がる仮想通貨の取引や決済については違法であるとの立場をとっています。

その一方で、経済制裁下での貴重な収入源となるマイニングについては黙認してきたため、補助金によって電力価格が安く抑えられているイランでは、マイニングが盛んに行われてきました。

しかし、マイニングによって電力消費が急増した結果、国内の電力網が不安定化するという事態となったため、今年6月には政府がマイナーへの電力供給の遮断に動いたり、マイニング業者から1,000台規模のマイニング機器を没収するといった強権的な対応がとられました。

jp.cointelegraph.com

そうした状況もあって、これまで曖昧な立ち位置であったマイニング産業を正式に認め、免許制とすることで、より政府がコントロールしやすい環境を作りたいという狙いがあると見られます。

なお、免許を与えるにあたっては、2つの条件が課される見込みとなっています。
1つ目はマイニング業者には輸出向けの電力価格が適用されるという点で、これは国内一般消費者向けの電力価格より50%ほど割高な水準となるようです。

2つ目はマイニングによって得られた仮想通貨は、国家の景気に寄与させることと定められるようで、国外への資金流出は許さないという考えは維持されています。

イラン政府の思惑としては、マイニングによって収入を得て、それを国内に還流させることで厳しい国内経済を下支えする、という良いとこどりの展開になることだと思いますが、マイニングはOK、取引・決済はNGというチグハグ感が否めない現状では、結局はマイニングした仮想通貨は国外に流出する可能性が高く、思惑通りとなるのは難しそうです。

btcnews.jp

 

【2】業界団体JVCEA、金融庁に仮想通貨税制の改正要望書を提出

一般社団法人日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)は19日、金融庁に対して仮想通貨の税制に関する改正要望書を提出したことを発表しました。

要望書では、今国会で成立した改正金融商品取引法によって、仮想通貨関連デリバティブ取引が、金商法上のデリバティブ取引のひとつとして認められたことから、税制についても他の金商法上のデリバティブ取引と同等に取り扱うことが適当であると指摘されています。

現在、株式等の取引や外国為替証拠金取引(FX)の所得税は、一律20%(所得税15%、住民税5%)の申告分離課税です。しかし、総合課税である雑所得に分類される仮想通貨は、給与所得など他の収入と合算した額に対して最大で55%(所得税45%、住民税10%)課税されるため、他の金融商品に対して著しく不利な税制となっています。

また、株式やFXでは一定の場合に確定申告が不要となっているほか、損益通算や3年間の譲渡損失繰越控除が認められているものの、現在のところ仮想通貨の取引ではそうした優遇措置も全くありません。

仮想通貨の所得税制については以前から投資家の不満が強く、株式やFXの投資家が仮想通貨を避けてしまうなど、国内市場が盛り上がらない一因となっています。
その結果、仮想通貨取引の主役はこの1年で国内取引所から海外取引所へと完全に移ってしまっており、業界としても要望の実現を巻き返しのきっかけにしたいと考えています。

なお、JVCEAの要望書の概要は以下の通りです。

  1. 支払調書に記載する個人番号(マイナンバー)の取得期限について3年程度の猶予を認めること
  2. 仮想通貨の現物取引とデリバティブ関連取引について、他の金商法上のデリバティブ取引と同様に申告分離課税とし、譲渡損失の損益通算や繰越控除を認めること
  3. 決済利用促進のため、仮想通貨に少額非課税制度を導入すること
  4. ICOでの仮想通貨発行を課税所得ではなく資本取引として認知すること
  5. 仮想通貨を用いた地域振興プロジェクトやスタートアップ企業への支援など、新規性の高いプロジェクトへの投資について株式と同様にエンジェル税制を設けること

jvcea.or.jp

今回の要望書の内容は、本来なら特に違和感のない正論とも言える主張ではあるものの、その実現は簡単にはいかないと予想されます。

まず、日本では今年10月から消費税が10%に引き上げられる見通しで、国民の負担が増す一方である中、比較的資金に余裕があると考えられる一部投資家の税負担の軽減に繋がる仮想通貨税制の改正は、受け入れられる余地が少ないことが挙げられます。

また、21日行われた参議院議員選挙において、仮想通貨税制の改正を訴えて出馬していた政界唯一の仮想通貨推進派である藤巻健史氏が落選し、仮想通貨業界に理解のある政治家がいなくなってしまった点も、税制改正の実現に向けては大きな痛手と言えそうです。

coinpost.jp

本日、こちらからは以上です。

 

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。