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中国人民銀行、独自デジタル通貨「DCEP」のテスト運用開始へ|中国招商銀行がウォレット企業に出資、仮想通貨インフラ国有化の始まりか

本日2019年10月29日(火)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,011,000円前後(時価総額:約18.21兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べて約35,000円安い水準です。
中国の習近平国家主席がブロックチェーン技術の開発・活用を加速させる方針を示したことをきっかけに、短時間で約40%の急騰を見せたビットコインですが、足元では上昇の勢いも一服し、日本時間29日8時頃に一時9,177ドルまで反落しています。

本日の記事では、中国人民銀行が独自デジタル通貨のテスト運用を開始する可能性があるとの報道や、中国の大手商業銀行による仮想通貨ウォレット企業への出資について取り上げたいと思います。

 

【1】中国人民銀行、独自デジタル通貨「DCEP」のテスト運用開始へ

中国の政府系シンクタンクである中国国際経済交流センターの黄奇帆副理事長は28日、中国人民銀行(PBoC)が独自デジタル通貨(DCEP:Digital Currency Electric Payments)のテスト運用を、近く開始する可能性があることを明らかにしました。当初のテスト運用は商業銀行間のみで行い、その後、一般にも流通させる方針だといいます。

PBoCはすでに独自デジタル通貨の流通方法について、金融機関などにまず発行し、そこから法定通貨と交換する形で一般層に流通させる「二層運営システム」を採用することを明らかにしており、今回のテスト運用はこうした方針に沿ったものと考えられます。

また、同通貨の発行技術についてはこれまで明らかにされていませんでしたが、「ブロックチェーンを活用してより効率よく、低コストに送金できる新たなシステムを開発する必要がある」との見解が示されたことから、ブロックチェーン技術をベースとした通貨である可能性が高そうです。

coinpost.jp

なお、PBoCの独自デジタル通貨の発行時期を巡っては、今年8月に米経済誌フォーブスが関係者の話として、中国のネット消費が1年で最も盛り上がる日と言われる「独身の日(11月11日)」までに発行されると報じていましたが、その後PBoC幹部が否定コメントを出しています。

中央銀行によるデジタル通貨の発行については、世界各国で研究が進められており、日本銀行もそのメリットとして、利便性の向上、金融政策の有効性の確保、通貨発行益減少の防止などを挙げています。

一方で、民間銀行による信用創造力の低下などの懸念材料があるうえに、前例もないことから、二の足を踏んでいる国は多いと見られ、先行事例として中国のDCEP発行には世界中の注目が集まることになりそうです。

 

bitcoinnews.hatenadiary.jp

 【2】中国招商銀行がウォレット企業に出資、仮想通貨インフラ国有化の始まりか

中国情勢に詳しい仮想通貨投資会社プリミティブ・ベンチャーズの創業メンバーであるドビー・ワン氏は28日、中国の大手商業銀行のひとつ「中国招商銀行」が、香港に拠点を置く仮想通貨ウォレット企業「BitPie(ビットパイ)」に対して出資を行ったことを明らかにしました。

ワン氏によると、ビットパイは中国本土で最も古くからウォレットサービスを提供している会社であり、中国の仮想通貨ユーザーの多くが同社のウォレットを利用しているといいます。また、中国本土以外にも、香港や日本、カナダなどでも事業を展開しています。

 

今回、中国招商銀行がビットパイへの出資に動いた背景には、中国人民銀行によるDCEP発行があることは間違いなく、多くの中国人ユーザーを抱えるビットパイのウォレットを活用することで、DCEPの流通をよりスムーズに進める狙いがあると考えられます。

なお、中国招商銀行の親会社である招商局集団が、中国の国有企業を管理・監督する組織「国務院国有資産監督管理委員会」傘下の中央企業ということもあり、ワン氏は今回の出資が「仮想通貨関連インフラの国有化の始まり」だと指摘。

さらに、最終的にはマイニングやASIC(集積回路)の生産、取引所なども国有化される可能性があるとの見解を示しています。

習近平国家主席の強力なメッセージ、暗号法の可決、DCEPのテスト運用、ウォレット企業への出資と、中国が国を挙げて着実に歩みを進める中、世界初の中央銀行によるデジタル通貨が発行される時はすぐそこまで迫ってきています。

jp.cointelegraph.com

なお、習主席がブロックチェーン技術の開発・活用を加速させる方針を示したことを受けて、ビットコイン価格も大幅な上昇を見せましたが、27日に中国国営メディアCCTVの経済番組に出演した政府高官は、「ブロックチェーンは革命的な技術だが、その応用は仮想通貨の投資・投機目的ではない。トレーダーは落ち着いてほしい」と、過剰反応気味な市場に対して冷静になるよう促しています。

coinpost.jp

本日、こちらからは以上です。

 

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。