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米財務長官「今後5年はFRBによるCBDC発行は不要」|仮想通貨否定派の国際決済銀トップ、CBDCは「新しい可能性もたらす」

本日2019年12月9日(月)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は814,000円前後(時価総額:約14.72兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べてほぼ横ばいの水準です。
目ぼしい材料のないビットコインは、7,500ドル付近で方向感に乏しい展開が続いています。

本日の記事では、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)に関する米財務長官や国際決済銀行トップの見解を取り上げたいと思います。

 

【1】米財務長官「今後5年はFRBによるCBDC発行は不要」

ムニューシン米財務長官は5日、米下院・金融サービス委員会の公聴会に出席し、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)やFacebookのリブラに関する見解を示しました。

公聴会でムニューシン米財務長官は、FRB(米連邦準備制度)によるデジタル通貨の発行について、「パウエルFRB議長と長い間議論してきたが、今後5年はFRBによるデジタル通貨の発行は必要ないというのがお互いが共有する見解」とコメント。

中国人民銀行がCBDC発行間近とされ、フランス中央銀行も2020年初頭にCBDCのテスト運用を行う方針を示すなど、ここ最近、世界的にこのテーマに関する議論や具体的な動きが加速していますが、アメリカとしてはCBDCの発行を急ぐ考えがないことが改めて示された形となります。

なお、パウエルFRB議長は11月、CBDCに関する米議員からの質問状に対する返答で、アメリカと他国では事情が異なり、国内でCBDCを導入するのは難しいとの見解を示しています。

その際、CBDCの導入に慎重な理由として、米国民の現金志向が他国より高いこと、他国より信頼性の高い決済システムを有していること、金融政策の運用上の問題などを挙げていました。

jp.reuters.com

また、ムニューシン財務長官は公聴会でFacebookのリブラについても言及。「彼らの顧客や銀行口座を持たない多くのアメリカ人にとって利便性が向上するなら、私はFacecookがデジタル決済の領域に参入することは賛成」と肯定的な見方を示しています。

ただ、「銀行秘密法とアンチマネーロンダリング規則に完全に準拠する必要がある」とも述べており、あくまでもリブラが容認されるのは法律等を遵守していることが前提だとしています。

coinpost.jp

【2】仮想通貨否定派の国際決済銀トップ、CBDCは「新しい可能性もたらす」

数々の仮想通貨批判で知られる国際決済銀行(BIS)の総支配人アグスティン・カルステンス氏が5日、米プリンストン大学で「マネーと決済システムの未来:中央銀行の役割は?」をテーマに、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)に関する啓蒙的な講義を行っていたことがわかりました。

カルステン氏は過去に、「(仮想通貨は)バブルであり、ポンジスキームであり、環境災害だ」と発言するなど、仮想通貨批判の急先鋒のひとりとされてきました。

jp.cointelegraph.com

ただ、CBDCに関しては、今年3月時点では様々なリスク要因を挙げたうえで「導入を急ぐべきでない」との見解を示していたものの、同7月には「想定よりも早くCBDCを発行する必要性に迫られるかもしれない」としたうえで、中銀の取り組みを支援する考えを明らかにするなど、その態度は徐々に軟化していました。

カルステンス氏は講義の中で、決済システムのひとつとして考え得るもので、金融機関のみがアクセスできる「ホールセールCBDC」と、企業や消費者が使う「リテールCBDC」に分けられると発言。

ホールセールCBDCについては、既に金融機関は中央銀行に当座預金口座を保有していることから、中央銀行の流動性の提供に適合できるため、リテールCBDCに比べて難しい問題は少ないとの考えを示しました。

一方、リテールCBDCについては、本人確認やマネーロンダリング防止などが課題になると指摘。ただ、24時間365日いつでも決済サービスを利用でき、第三者を介さないP2Pでの送金も可能になることから、「金融セクターに新しい可能性をもたらす」として期待を寄せています。

カルステンス氏がその考えを変節させている背景には、2019年6月に発表されたリブラ構想が大いに関係していると想像できます。

民間のデジタル通貨マーケットが拡大すれば、これまで金融システムの中心にいた中央銀行の存在感が薄れ、ひいては中央銀行相互の決済をする組織であるBISの存在意義も問われかねないため、BISのトップであるカルステンス氏には焦りが生まれていると言えそうです。

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本日、こちらからは以上です。

 

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