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11年休眠していたウォレットからBTCが移動、サトシが関与?|半減期後初の難易度調整は6%の易化、ネットワークは安定するか?

本日2020年5月21日(木)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,030,000円前後(時価総額:約18.93兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べて約25,000円安い水準です。
9,800ドル付近で持ち合い状態が続いていたビットコインですが、後述する休眠ウォレットからの資金移動が換金売りの準備ではないかとの憶測を呼んだこともあり急落。日本時間21日0時頃に一時9,100ドルを付けました。

本日の記事では、「サトシ・ナカモトによるものでは?」と話題になった11年休眠していたウォレットからの資金移動や、半減期後初の難易度調整を取り上げたいと思います。

 

【1】11年休眠していたウォレットからBTCが移動、サトシが関与?

昨夜の仮想通貨コミュニティでは、約11年間に渡って休眠状態が続いていたウォレットからビットコインが移動したことが、大きな話題となりました。

今回動きがあったのは、2009年2月9日に生成された50BTCが保管されていたウォレットで、日本時間20日の23時54分頃に2つのウォレットに分けて送金されたことが確認されています。

www.blockchain.com

ビットコインのブロックが初めて生成されたのは2009年1月、ピザ2枚と1万BTCの交換によってビットコインが初めて価値を持ったのは2010年5月22日とされています。そのため、コミュニティ内では今回の動きにはビットコインの生みの親であるサトシ・ナカモト本人、あるいは彼に近い人物が関わっているのではないかとの憶測が広がっています。

ただ、こうした見方に対し、ビットコインマイニングに採用されている「プルーフ・オブ・ワーク」の仕組みの原型をつくったことで知られる暗号学者で、ブロックチェーン企業BlockcstreamのCEOを務めるアダム・バック氏は、サトシ・ナカモトである可能性は低いとの見解を披露。「もしサトシがコインを売るなら、(自身の関与がわからないよう)最も最近にマイニングしたものや、最も匿名性の高いものを売るだろう」としています。

また、ビットコインの初期開発に関わり、サトシ・ナカモトから最初のビットコイン取引を受けた故ハル・フィニー氏の遺族は、「私の夫がマイニングしたものではない」とコメント。さらに、同じく初期の開発者であるマルティ・マルミ氏も、「私がビットコインを見つけたのは2009年4月だ」とし、無関係を主張しています。

jp.cointelegraph.com

一方で、サトシ・ナカモトを自称するオーストラリア人実業家、クレイグ・ライト氏が関与している可能性を指摘する声もあります。

その理由としては、同氏がビジネスパートナーだった故デイビッド・クレイマン氏と共同でマイニングして得た110万BTCの所有権を巡り、その遺族から起こされた裁判の際、裁判所の求めに応じて提出した自身が保有するウォレットアドレスのリストの中に、今回休眠から動き出したウォレットが含まれているからです。

ただ、ライト氏はこれまでの言動から「嘘つき」「詐欺師」などと非難されている人物であり、このアドレスリストの信ぴょう性にも疑いの目が持たれています。

しかし、次の裁判が7月6日に控えている中、アドレスリストの信ぴょう性を示すためにも、ライト氏は事実がどうなのかに関わらず、今回の送金が自身によるものだと主張せざるを得ない面もあり、今後同氏が関与を主張してくる可能性もありそうです。

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【2】半減期後初の難易度調整は6%の易化、ネットワークは安定するか?

今月19日、半減期後初となるビットコインの難易度(Difficulty)調整が行われ、新たなDifficulty値は前回比マイナス6%の「15,138,043,247,082」となりました。

btc.com

難易度調整とは、過去2,016ブロックの生成時間を基準に算出されるハッシュレートの推定値から、次の2,016ブロックの生成時間が10分になるよう調整する仕組みで、約2週間に1度調整が行われています。

ハッシュレートが低下してブロック生成の時間が10分より長くなれば、難易度を易化することで生成時間を短縮し、ハッシュレートが上昇すれば難化させて時間を延ばすことになります。

今回の半減期後のハッシュレートは、半減期前から30%超の低下。マイニング報酬が半減したことで、赤字になるマイナーが増えていると見られる中、撤退するマイナーが出てきている表れだと考えられます。

実際、先日にはカナダ・トロントに拠点を置くHyperBlockが、米モンタナ州ミズーラで運営していた20メガワット規模の大型マイニング施設を閉鎖し、破産手続きを開始するといった事例も明らかとなっています。

coinpost.jp

ハッシュレートの大幅な低下によってブロック生成時間が長くなることで、ビットコインネットワークでは資金詰まりや手数料の高騰が発生していますが、難易度調整によって安定化が進むことが期待されます。

ただ、難易度調整は過去約2週間のデータを基に行われることから、半減期前のネットワーク状況も加味される今回の調整だけでは、その影響を完全にカバーするには不十分な可能性があり、もうしばらくビットコインネットワークの動向を注視していく必要がありそうです。

本日、こちらからは以上です。

 

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。