ビットコインの値動きや最新情報を、あなたに分かりやすく伝えたい

分かりやすさ重視で、技術的な説明は極力省きます。噛み砕きすぎて一部不正確だったり、解説に主観が交じったりもしますが、分かりやすさ重視のためとご理解ください。

急拡大するBTC貸出サービス、主要3社の預かり資産は1年で7倍に|加速するリップル離れ、大手取引所でも取引停止が相次ぐ

本日2020年12月29日(火)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は2,745,000円前後(時価総額:約51.01兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べて約80,000円安い水準です。
年末で市場参加者が減る中で値幅は限定的ではあるものの、ビットコインは利益確定売りが優勢となっており、日本時間29日13時頃に26,326ドルまで軟化しています。

本日の記事では、急拡大する仮想通貨レンディングサービスの動向や、加速するリップル離れの動きを取り上げたいと思います。

 

【1】急拡大するBTC貸出サービス、主要3社の預かり資産は1年で7倍に

仮想通貨メディアのDecryptによると、今年1年間でビットコインのレンディング(貸出)サービスが急拡大し、主要3社の預かり資産が平均734%の増加となりました。

市場が急拡大している背景には、従来の個人投資家だけでなく、機関投資家による需要が高まっていることがあるようです。

運用資産総額(AUM)が最も大きく伸びたのはBlockFi(ブロックファイ)で、前年比1,500%増の40億ドル(約4,150億円)以上に拡大しています。

同社には、米決済大手ペイパルの創業者ピーター・ティール氏が率いるベンチャーキャピタルのヴァラー・ベンチャーや、日本のリクルートなどが出資。また、米決済大手ビザと提携し、2021年からビットコインが還元されるクレジットカードの提供を開始する予定となっています。

その他、テザー社などが出資を行うCelsius Network(セルシウス・ネットワーク)のAUMは前年比636%増の35億ドル(約3,630億円)、欧州のフィンテック企業クレディッシモが運営するNexo(ネクソ)は同266%増の20億ドル(約2,070億円)となっています。

f:id:bitcoinnews:20201229110337p:plain

レンディング主要3社のAUM(Decryptより)

また、ユーザー数もセルシウスが467%増の25万人となるなど順調に拡大。ブロックファイは30万人のユーザーを抱え、ネクソは100万人を数えています。

f:id:bitcoinnews:20201229110415p:plain

レンディング主要3社のユーザー数(Decryptより)

レンディングサービスは、投資家が保有している仮想通貨を貸し出すことで利息を得られる仕組みとなっています。仮想通貨は本来、取引所に預けたままにしていたり、ウォレットに保管していたりしても、銀行預金のような利息は付きませんが、レンディングサービスを活用することで利息が受け取れるため、長期投資家に人気があります。

現在の主要3社のビットコイン貸し出しによる利回りは、ブロックファイが6%(2.5BTC未満)、ネクソが6%(Nexoトークンで利息を受け取る場合は8%)、セルシウスが4.74%(CELトークンで受け取る場合は6.2%)となっており、その源泉はレンディングサービス事業者が投資家やマーケットメイカーの需要に応じて貸し出す際に、借り手から徴収する利息となっています。

decrypt.co

ただ、レンディングサービスは、長期投資家にとってはより大きなリターンに繋がる魅力的なサービスである一方で、レンディングサービス事業者が破産すれば、最悪の場合、預けていた資金が戻ってこない可能性がある点には注意が必要です。

実際、今年11月には米仮想通貨レンディング事業者のCred(クレド)が、連邦倒産法第11章(チャプター11)を申請し、ユーザーが資金を回収できない事態が発生しています。

クレドもそうでしたが、経営が厳しい企業や詐欺的な企業ほど目先の資金を集めるために、顧客に破格の条件を提示しがちであるだけに、レンディングサービスを利用する際には利回りの高さだけにこだわらず、多角的な事業者選別を行いたいところです。

jp.cointelegraph.com

【2】加速するリップル離れ、大手取引所でも取引停止が相次ぐ

米証券取引委員会(SEC)が今月22日に、仮想通貨「リップル(XRP)」の販売で証券法に違反したとして、リップル社とブラッド・ガーリングハウスCEO、共同創業者のクリス・ラーセン氏を提訴したのは記憶に新しいところですが、ここにきて業界のリップル離れが一段と加速してきています。

提訴の判明後からリスク許容度の低い一部の小規模取引所では、XRPの取引サービス等の停止、さらには上場を廃止する動きが見られていましたが、同様の動きは徐々に大手取引所にも拡大。26日には欧州最大級の仮想通貨取引所であるBitstamp(ビットスタンプ)が、米国の顧客を対象にXRPの取引と預け入れを1月8日から停止することを発表しています。

 

また、29日には中華系の大手仮想通貨取引所OKCoin(OKコイン)が、米国でのXRPの取引と預け入れを1月4日から停止することを発表。さらに、同日には世界最大級の仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)もXRPの取引を段階的に制限し、1月19日に全面的に停止することを発表しています。

特に、IPO(新規株式公開)の準備を進めているコインベースは、SECとの関係を良好に保ちたいこともあってか、停止対象をアメリカの顧客に限定しないより厳しい対応をとっています。

現在のところ、大手取引所にもXRPの上場廃止の動きが広がる可能性は低いと見られていますが、不透明感は非常に強いため、引き続きその動向には細心の注意を払いたいところです。

また、XRPは日本人に人気の高い通貨だけに、今後は日本国内の取引所の対応も注目されます。

現時点では国内取引所はXRPの取引停止等の措置は取っていませんが、世界的にこの流れが続けば何らかの対応を取らざるを得なくなる可能性があります。また、今回の一件を受けて、金融庁がホワイトリストからXRPを除外するような事態となった場合も、国内取引所がXRPの取り扱いを行うことは困難となります。

 本日、こちらからは以上です。

 

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。