本日2021年7月5日(月)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は3,800,000円前後(時価総額:約71.15兆円)です。
昨日の同時刻帯と比べて50,000円安い水準です。
週末から週明けにかけてのビットコインは、引き続き33,000ドル~36,000ドル程度の値幅で方向感に欠ける動きに終始しました。
本日の記事では、イランで提出準備が進められている仮想通貨関連法案の話題や、各国規制当局からの警告が相次ぐ仮想通貨取引所バイナンスの話題を取り上げたいと思います。
【1】イラン、仮想通貨のマイニングや決済に関する法律を整備へ
イランの経済委員会が先月23日、「仮想通貨マイニングの支援と取引市場の組織化」と題した法案を作成したことがわかりました。
地元メディアTasnim News Agencyによると、同法案ではまず、仮想通貨マイニング事業を産業鉱山貿易省の規制管轄下に置き、同省にライセンスの発行を担当させることが規定されています。
そのうえで、仮想通貨マイニングを国の収入源と考え、国内の公認マイニングファームの収入を、次のイラン暦年(2022年3月21日からの1年間)で5億ドル(約560億円)に引き上げ、その後も年10%のペースで成長させていくことを目指すとしています。
そのための奨励策として、法案では発電所の建設や発電所への投資を行うマイニング業者に対し、国家開発基金からローンを提供することを提案。また、貧困地域の発電所に投資する場合、一部の税金を免除する考えも示されています。さらに、発電所を管理するマイニング業者が、エネルギー省に余剰電力の売却を申請できるようにすることも検討されているようです。
イランは核開発問題を巡って米国主導の経済制裁が続き、外貨決済が制限されていることから、物資不足による厳しいインフレに見舞われている状況にあります。そのため、マイニングで得た仮想通貨を輸入代金の決済手段として用いることで制裁を回避し、国内経済を立て直す狙いがあると考えられます。
ただ、仮想通貨マイニングを奨励する一方で、仮想通貨の使用に関しては厳しく規制する方針が示されています。
まず、マイニング業者に安価に電力を供給するものの、そこで得た仮想通貨はエネルギー代の支払いに使用することを義務付ける考えのようです。法案では、イラン・イスラム共和国中央銀行(CBI)を、仮想通貨の国内取引における規制権者とし、マイニング業者はCBIにマイニングで得た仮想通貨の量を報告することも求めています。
また、法案にはイラン国内において「国内の仮想通貨以外での支払いを禁止する」ことも明記。ここで言う「国内の仮想通貨」が、イランが発行準備を進めているとされる独自仮想通貨のことを指しているのか、ライセンスを保有する国内業者がマイニングした仮想通貨を指しているのかは定かではありませんが、いずれにせよ国内では仮想通貨を自由には使用させない方針であることは間違いなさそうです。
【2】風当り強まるバイナンス、タイでは刑事告発の動きも
規制の網を巧妙にかいくぐりながら、グローバルに事業を拡大してきた仮想通貨取引所最大手バイナンスに対し、各国の規制当局による警戒の目が強まる状況が続いています。
バイナンスを巡っては、先月25日に日本の金融庁が、無登録のまま日本国内の利用者を対象に仮想通貨交換業を行っていることを指摘し、資金決済法に基づく警告を発出。また、同26日には英金融行動監視機構(FCA)が、ライセンスなしに事業を行っていることを理由に、英国内での事業活動を禁止する警告を出しています。
そうした中、タイ証券取引委員会(SEC)は今月2日、バイナンスがライセンスを取得しないまま国内で仮想通貨ビジネスを展開したとして、刑事告発したことを発表。今年4月5日にこの件に関する警告書を送付したものの、期限内に回答がなかったことから告発に踏み切ったとしています。
タイでは法律で、ライセンスを取得した事業者のみに仮想通貨関連のビジネスを認めているため、仮に有罪判決となれば、2~5年の懲役、20万バーツ~50万バーツの罰金、あるいは違反期間1日につき1万バーツを超えない罰金が科される可能性があるようです。
また、今月1日にはケイマン諸島とシンガポールでも、バイナンスを巡って規制当局から声明が出されています。
ケイマン諸島金融監督官庁(CIMA)は、バイナンスやバイナンスグループ、バイナンスホールディングなどの法人が、同島内で「仮想通貨取引所を運営するための登録、ライセンス供与、その他の方法による許可を受けていない」と指摘。そのため、バイナンスはCIMAの規制監督の対象でないとの認識を示しています。
ただ、バイナンスの法人のひとつはケイマン諸島にあるため、CIMAはバイナンスのグループ企業が同島内で規制対象となる活動を行っていないかを調査しているとも述べています。
また、シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行に相当)も、バイナンスを巡る世界的な規制動向を注視していることを明らかにしています。
同社の現地法人バイナンス・アジア・サービスは、シンガポールでライセンスを申請しているところであり、現在は審査結果が出るまでの猶予措置として無許可のままでの運営が許されている状況にあります。
MASは声明で、「バイナンスに対する他の規制当局の措置を認識しており、必要に応じて追加措置を講じていく」とコメント。ライセンス申請者は、「MASによる継続的な監督において綿密な調査の対象となる」とし、引き続き厳格な目で審査を行っていく意向が示されています。
マネーロンダリング対策やテロ資金供与対策として、世界的に仮想通貨取引所への規制が強まる中、これまで法律を無視するような事業活動を進めてきたバイナンスへの包囲網が敷かれるのは仕方ないものの、圧倒的な取引高を誇る同社の市場への影響は大きいだけに、引き続きその動向には注意を払いたいところです。
本日、こちらからは以上です。