本日2018年7月12日(木)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は、712,000円前後(時価総額:約12.21兆円)です。
昨日の同時刻帯より1万円ほど高い水準です。
この水準で膠着しており、大きな動きはありません。
本日の記事では、マルタで実施される世界初のICCO(イニシャル・コンバーチブル・コイン・オファリング)の概要と、ICOに対して依然厳しい姿勢を示す中国人民銀行の副総裁発言について取り上げたいと思います。
【1】マルタで世界初のICCO実施へ、3年後に自社株式へ転換できるトークンを販売
マルタ拠点のブロックチェーン企業、パラディウム社が米大手取引所ビットトレックスなどと提携して、世界初のICCO(イニシャル・コンバーチブル・コイン・オファリング)を実施することが明らかとなりました。
ICCOは、資金調達時に発行するトークンに対して、一定期間後に発行会社の株式へ転換できる権利を持たせる転換社債に似た仕組みで、パラディウム社の場合、購入から3年経過後に株式に転換できるとしています。
販売期間は7月25日から9月30日で、1億5,000万ユーロの調達を目指しています。
米SECがICOで販売されるトークン・仮想通貨は証券と認定し、証券法の枠組みで規制する方針を示す中、ICCOのスキームはこれまで以上に証券寄りであり、日米などでの実施は困難と見られますが、マルタ当局はこのプロジェクトを承認したようです。
世界最大級の仮想通貨取引所バイナンスがマルタに拠点を移設した今年3月には、ジョセフ・マスカット首相が歓迎のコメントをツイートするなど、マルタは仮想通貨事業の受け入れに積極的な姿勢で知られています。
ICCOは、バイナンスやコインチェックなど仮想通貨取引所の高収益体質が認知されたことで、今後立ち上がる有力な取引所の株主になりたいという欲求に応えるものであると同時に、取引所自身が発行する自社コインと同様、中長期的に自社を利用するユーザー(ファン)を囲い込めるメリットが期待できそうです。
ただ前述の通り、ICCOは証券の領域に踏み込んだ資金調達手段であるため、堂々と実施できる国はかなり限定されると考えられ、結果としてマルタへ拠点を移すことを検討する仮想通貨事業者が増えることになりそうです。
【2】中国人民銀行、中国人を対象としたICOは壊滅させると警告
中国人民銀行の潘功勝副総裁は、中国人を対象としたICOを「壊滅させる」と強い表現で警告しました。
中国でのICOは99%が詐欺だとされ、昨年9月よりICOは既に全面禁止となっています。
潘副総裁は、ICOを含めて既存の法的・政策的枠組みに適合しない商品を提供する事業者に改めて警告した格好です。
中国では当局の規制方針を受け、昨年9月までに大手取引所は全て閉鎖に追い込まれており、規制以前には80%〜90%程度の世界シェアを誇っていた人民元建ての取引は、現時点で1%以下となっています。
一方、中国国内から撤退した取引所は海外に拠点を移したり、人民元建て取引を止めるなど規制を回避する格好で事業を継続しています。
また、中国国内に施設を構えるマイニング業者もまだ数多く存在することから、中国から仮想通貨が消えた訳ではなく、地下に潜ったとも言える状態です。
今般の中国人民銀行からの警告は、一線を越えた事業者についてはすぐに摘発するという姿勢を示したものなのかもしれません。
本日、こちらからは以上です。