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分かりやすさ重視で、技術的な説明は極力省きます。噛み砕きすぎて一部不正確だったり、解説に主観が交じったりもしますが、分かりやすさ重視のためとご理解ください。

NY州当局が独自ステーブルコインを承認|ビットコインETNが取引停止に

本日2018年9月11日(火)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は、707,000円前後(時価総額:約12.20兆円)です。

昨日の同時刻帯より1万円ほど高い水準です。
大きな動きはなく、安値圏で推移しています。

本日の記事では、ウィンクルボス兄弟が運営する米仮想通貨取引所ジェミニがNY州規制当局から独自ステーブルコインの発行承認を得たというニュースや、米SECから取引一時停止の決定を下された米ドル建てのビットコインETNについて取り上げたいと思います。

 

【1】NY州規制当局、ジェミニの独自ステーブルコインの発行を承認

ウィンクルボス兄弟が運営する米仮想通貨取引所ジェミニが、米ドルと1対1の比率で連動するよう設計された独自のステーブルコインの発行を、NY州規制当局より承認されたことを発表しました。

このコインはジェミニ・ドル(Gemini dollar、略称GUSD)と名付けられ、発行量と同等の米ドルを保有することでコインの価値を裏付けるとしており、第三者の上場監査法人が米ドルの残高を毎月チェックするとしています。

法定通貨とペッグさせるステーブルコインと言えば、香港Tether社が発行するテザー(USDT)が最も浸透しているものの、同社は発行額と同等の米ドルを本当に確保・保有しているかどうかの監査を受け入れず実態が疑問視されているほか、発行したUSDTを原資にした相場操縦疑惑も取り沙汰されています。

一方、デジタル法定通貨とも言えるステーブルコインは、早くて安い送金・決済手段として注目されており、7月にはIBMがフィンテック企業と共同で、米ドルにペッグする仮想通貨「Stronghold USD」の開発に乗り出すと発表しています。

今回、スキームを整えたジェミニ・ドルがNY州規制当局から承認された事実は大きく、今後の広がりに注目が集まります。

jp.cointelegraph.com

 

【2】米ドル建てのビットコインETN、誤解を招く表記で取引一時停止に

スウェーデンの証券取引所ナスダック・ストックホルムが、米国人投資家も購入可能な米ドル建てのビットコイン上場投資証券(ETN)を8月に上場したことが話題となっていましたが、米SECはこのETNの取引を9月20日まで一時的に停止する決定を下しました。

上場投資証券(ETN)は、ベンチマークとなる市場価格と連動する仕組みを持つ点で、上場投資信託(ETF)と似通っているものの、現物資産を保有するETFとは異なり、裏付け資産を持たない債券(リンク債)の一種と位置づけられ、発行会社の信用リスクが存在します。

今回、対象のETNの取引サイトなどで上場投資信託(ETF)と誤解させるような記述ががあったことが問題視されたようです。

米SECはCBOEが申請するビットコインETFの承認可否または審議延長の決定を9月30日までに行なう予定で、市場の注目と緊張感が高まる中、紛らわしい表記を行なうETNの一時排除を決定したとみられます。

jp.cointelegraph.com

 

本日、こちらからは以上です。

 

マイニング損益分岐点を中国事業者が公表|爆発的な成長局面は終了か

本日2018年9月10日(月)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は、701,000円前後(時価総額:約12.10兆円)です。

先週金曜日の同時刻帯より2万円ほど安い水準です。
日本時間9日午前2時台に急落し、午前5時台には6,100ドル前後の安値を記録しました。
幾分持ち直したものの、5日の暴落以降は弱気に傾いています。

本日の記事では、中国大手事業者が公表したマイニングの損益分岐点や、仮想通貨の爆発的な成長局面は終わった可能性があるとするイーサリアム共同創設者の見解などを取り上げたいと思います。

 

【1】中国大手マイニング事業者、マイニングの損益分岐点を公表

仮想通貨相場の勢いが失速し、底値を探る展開が続く中、一つの目安になりそうなのがマイニングでの採掘コストですが、世界6位の規模を誇る中国のマイニング事業者が主要仮想通貨をマイニングする場合の損益分岐点を公表しました。

同社の公表データによれば、世界最大手Bitmain社が2015年8月に発売したAntminer S7の損益分岐点は約11,581ドルと、既に大きく採算を割れているようです。

一方、2016年6月発売でいまだ多くのマイニング事業者の主力機とみられるAntminer S9の損益分岐点は約4,422ドルとされており、まだ十分な利益が出ている計算となりますが、世界的にみても割安な電気代で機器を稼働させている結果とみられるため、他地域では採算割れとなっていてもおかしくはなさそうです。

マイニング機器はBitmain社以外からも、日本のGMOも含めて様々な新機種が次々と発売され、年々性能が向上していますが、数千台・数万台規模で運用しているマイニング事業者からすれば、機器の差し替えは相当の投資負担となるため、利益を上げている業者は設備投資を行ない、どんどん計算処理能力を高めていく一方、そのペースに追いつけずに撤退を決断する事業者が出てくるのは致し方なさそうです。

jp.cointelegraph.com

 

【2】イーサリアム共同創設者、爆発的な成長局面は終了との見解

時価総額2位の仮想通貨イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は、ブルームバーグの取材に応え、仮想通貨が爆発的に成長する局面は終わってしまった可能性があるとの見解を示しました。

ヴィタリック氏は、平均的な教養がある人は既にブロックチェーンについて一度は聞いたことがあるはずで、ここから更に1,000倍成長する機会はもうないと述べ、今後の焦点は仮想通貨・ブロックチェーン技術の実態経済における実際の応用に移りつつあるとしています。

www.bloomberg.co.jp

 

仮想通貨バブルが弾けたという観点でいけば、下落の度合いが激しいのは価値保存手段としての意味合いが強いビットコインより、具体的な利用目的を持った他のアルトコインです。

ビットコインは昨年末の高値から70%以上下落していますが、イーサリアム(ETH)は年初の高値から85%以上下落、時価総額3位のリップル(XRP)は90%以上も下落しており、一時の勢いを完全に失っています。

各々のプロジェクトが実用化されていけば、その価値に見合った価格に収束していくとみられますが、将来の漠然とした期待値だけで人が群がり価格が吊り上がる時期は、ヴィタリック氏の指摘通り、既に過ぎ去ったと考えて良いのかもしれません。

 

本日、こちらからは以上です。

 

米コインベースが仮想通貨ETFの申請検討か|イランでビットコイン急騰

本日2018年9月7日(金)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は、719,000円前後(時価総額:約12.41兆円)です。

昨日の同時刻帯とほぼ変わらない水準です。
暴落は止まったものの弱く反発する程度で勢いはなく、6,500ドル前後で推移しています。

本日の記事では、米コインベースが世界最大の資産運用会社ブラックロックと組んで仮想通貨ETFの申請を検討しているというニュースと、イランでビットコイン人気が高まり2万4000ドル相当まで急騰した背景などを取り上げたいと思います。

 

【1】米コインベース、世界最大の資産運用会社とETFの申請を検討か

米ビジネス・インサイダーは6日、米国最大の仮想通貨事業者コインベースが世界最大の資産運用会社ブラックロックと組んで、仮想通貨ETFの申請を検討していると報じました。

コインベースは3月、ビットコイン(BTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)という同社が取り扱う4通貨を組み込んだインデックスファンドを一部投資家向けに公開すると発表していたこともあり、今回話が挙がったETFも複数の仮想通貨が組み込まれたものだろうと予想されています。

32ヶ国でビジネス展開し、2,000万人以上の顧客基盤を持つなど、世界の仮想通貨業界で最も影響力を持つコインベースと、世界25都市に拠点を持ち6.3兆ドルの資産を運用するブラックロックの最強タッグが成立し、仮想通貨ETFの実現に向けて動き始めれば、そのインパクトは計り知れませんが、今のところ両社で複数回話し合いを行なっただけで、何らかの同意に至ったという訳ではなさそうです。

7月にはブラックロックがビットコインETF上場プロジェクトチームを組成した等の噂が市場に流れて相場が反発したこともありましたが、その際は同社CEOが否定コメントを出していました。

米SECは市場参加者が最も注目しているCBOE申請のビットコインETFについて、9月30日までに可否または審議延長の判断を下す予定ですが、来年2月末頃まで判断を留保するというのが大方の見方です。

一方、来年2019年に承認されることはほぼ確実と見られており、来年に向けて水面下で大手金融機関と仮想通貨事業者の間で様々な話し合いが進んでいそうです。

coinpost.jp

 

【2】イランでビットコインが2万4000ドル相当まで急騰した背景

イランで取引されるビットコイン価格が世界平均の3倍以上にあたる2万4000ドル相当まで急騰したと話題となっています。

米トランプ政権による経済制裁再開の流れを受けて、通貨リアルの下落が続いている中、イラン政府が4日に仮想通貨マイニングを産業として認めると発表したことで、ビットコインの人気が急速に高まったことが背景にあるとみられます。

jp.cointelegraph.com

 

他国より高いプレミアム価格で取引される先例としては、昨年後半以降の価格高騰時によく見られた韓国の「キムチプレミアム」が有名で、一時は30%近く価格差が開いていましたが、ブーム鎮静と共に縮小し、現在では2-3%程度の差に収まっています。

今回のイランプレミアムは韓国の比ではありませんが、同国にビットコインを送金して高値で売却するためには同国の取引所に口座を開設する必要がありハードルが高く、換金したリアルを受け取ることも難しいため、裁定が働きにくい面があります。

また、リアルを外貨と交換する場合、公式レートの数倍となる非公式レートでの交換がスタンダードとの情報もあり、ビットコインも外貨の一種と考えれば、驚くほどのプレミアムとは言えないのかもしれません。

 

本日、こちらからは以上です。

 

 

 

ビットコインが暴落、ゴールドマンの計画白紙報道とOKExのメンテが背景

本日2018年9月6日(木)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は、716,000円前後(時価総額:約12.35兆円)です。

昨日の同時刻帯より10万円ほど安い水準です。
ゴールドマン・サックスが仮想通貨トレードデスクを設置する計画を取り止めたとの報道や、世界最大級の取引所OKExのメンテナンスに合わせたポジション決済などが重なり、大幅に下落しました。
ドル建てでは6,400ドル台まで下落し、ここ2週間の上昇分が全て吹き飛んだ格好です。
時価総額は1日で2兆円近く目減りしました。

本日の記事では、今回の暴落の原因とみられるゴールドマン・サックスの報道とOKExのメンテナンス前に起きた投資家の動きなどを取り上げたいと思います。

 

【1】ビットコインが暴落、ゴールドマンの計画白紙報道が売り材料視

米ビジネス・インサイダーは、金融大手ゴールドマン・サックスがこれまで準備を進めていた仮想通貨のトレーディングデスク開設の計画を取りやめたと報じました。

これが売り材料視されてビットコインの下落が加速し、アルトコインは軒並み20%前後下げる暴落相場となりました。

仮想通貨を取り巻く規制状況が不明瞭な状態であることから、投資銀行が取引するためには多くのステップを踏む必要があり、その大半が同社のコントール外にあるとの理由で計画の優先順位を引き下げた、と匿名の関係者の話を伝えています。

ただ、完全に中止という訳ではなさそうで、一旦白紙に戻すものの環境が整ってくれば再び優先順位を上げてくる可能性は高そうで、現在同社は大口顧客の仮想通貨を保管するカストディ業務に注目している模様です。

jp.cointelegraph.com

 

【2】暴落のきっかけは、大手取引所OKExのメンテナンス発表か

今回の下げは日本時間5日18時台から始まりましたが、暴落のきっかけになったのは世界最大級の取引所OKExが取引システムのアップグレードのため、香港時間5日20時頃から1時間ほどサービスを停止すると発表したことです。

その情報がSNSを通じて拡散し、多くの投資家が知ることになりましたが、8月22日に大手取引所Bitmexのメンテナンス(取引不可)時間を狙った仕手の買い仕掛けが大量に入り、短時間で相場が急騰した記憶がまだ新しいため、その連想が働き、メンテナンス開始前にポジション調整や売り仕掛けとみられる下落が始まっていました。

Futures Trading Upgrade 2.0, Downtime & Fee Adjustments – Help center

 

メンテナンス自体は多少延長されたものの大きな問題はなく終了しましたが、この下げで地盤が緩んだ面があり、ロスカットまでの余裕が削られた投資家も多かったことが更なる下落に繋がった可能性があります。

ゴールドマン・サックスの報道も含めて、ここまで大きく下げるほどの材料ではないと言えますが、結果として今回の暴落で8月半ばからじわじわと反発してきた上昇分を一気に吹き飛ばしてしまい、本格的な相場回復を期待している投資家層からは深いため息が聞こえてきそうです。

 

本日、こちらからは以上です。

 

米Yahoo!が仮想通貨を主要メニューに昇格|LINEは独自コインを配布開始

本日2018年9月5日(水)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は、820,000円前後(時価総額:約14.14兆円)です。

昨日の同時刻帯より1万円ほど高い水準です。
徐々に下値を切り上げて、再び上昇し始めてきました。

本日の記事では、米Yahoo!ファイナンスが仮想通貨をメインカテゴリの一つに昇格させたニュースと、LINEが配布を開始した独自コイン「LINK(リンク)」について取り上げたいと思います。

 

【1】米Yahoo!ファイナンス、仮想通貨をメインカテゴリの一つに

世界有数のアクセス数を誇る人気サイト、米Yahoo!ファイナンスのメインカテゴリの一つとして、仮想通貨(Cryptocurrencies)が追加されました。

仮想通貨に関する様々なニュース記事や動画、また仮想通貨情報サイトCrypto Compareのデータを用いて112種類の仮想通貨のドル建て価格を掲載するなど、力が入っています。

米Yahoo!ファイナンス|仮想通貨(Cryptocurrencies)

coinpost.jp

 

8月30日に報じられた仮想通貨の売買機能については、当面iOSアプリのみの対応となるようですが、Androidやデスクトップ版についても準備を進めている模様です。

今後コンテンツが更に充実していけば、これまで仮想通貨を取引していなかった層や取引から離れている投資家層の関心を引くことが期待できそうです。

jp.cointelegraph.com

 

【2】LINEが独自コイン「LINK」の配布を開始、9月には自社上場予定

7月から規制が厳しい日米を除く各国で、仮想通貨取引所事業「BITBOX」を開始したLINEは4日、同社の独自コイン「LINK(リンク)」の配布を開始すると発表しました。

プレスリリースによれば、コイン発行に際してICOで資金を調達する予定はなく、同社グループの様々なサービスを利用することによって受け取ることができるようです。
まずは「BITBOX」利用者に対して取引量の0.1%をLINKコインで還元するとしています。

9月にはLINKを自社取引所に上場させ、他の仮想通貨との交換取引が可能となる計画で、同社ではLINKの価値を最低5ドルと見込んでいる模様です。

fnnews.jp

 

このLINKは合計10億コイン発行される仕組みで、うち8億コインをユーザーに無償発行し、グループ内の決済通貨として普及させる狙いがあると同時に、2億コインはLINE側に留保されるため、自社取引所に上場して1コイン5ドルの値が付くのであれば、10億ドルの価値を生み出せるという計算でしょうか。

一方、仮想通貨交換業ライセンスを取得していない日本では、他の仮想通貨との交換に応じられない仮想通貨LINKではなく、代わりにLINKポイントを発行し、既存のLINEポイントとの交換(1ポイント=1円)とするようです。

仮想通貨LINKを9月に自社上場させて目論見通り5ドル以上の価値をキープできるかが、最初の関門となりそうです。

thebridge.jp

 

本日、こちらからは以上です。

 

コロンビア、免税で仮想通貨企業を誘致|ビットコインETFは原理に反する

本日2018年9月4日(火)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は、807,000円前後(時価総額:約13.92兆円)です。

昨日の同時刻帯とほぼ同じ水準です。
大きな動きはなく、7,300ドル前後で膠着しています。

本日の記事では、5年間の免税により仮想通貨企業を誘致する方針を示したコロンビアと、ビットコインETFは仮想通貨業界に悪影響をもたらすとした有識者の見方について取り上げたいと思います。

 

【1】コロンビア、5年間の免税を打ち出して仮想通貨企業を誘致

6月の決選投票で勝利し、8月に大統領に就任したコロンビアのイバン・ドゥケ氏は、同国に仮想通貨関連企業を誘致する方針を明らかにしました。

仮想通貨関連企業には所得税を5年間課さないとしており、誘致した企業が成長すれば多くの雇用を創出し、免除した分以上の利益を国内にもたらすと期待を寄せています。

世界最大級の取引所バイナンスやOKExなどを相次いで誘致し、いまやブロックチェーン・アイランドと称される地中海の小国、マルタ共和国を参考にした取り組みとみられます。

coinpost.jp

 

一方、隣国のベネズエラは、ハイパーインフレ対策として10万ボリバルを1ボリバル・ソベラノに切り下げるデノミを8月に実施したものの通貨の下落が止まらず、生活に困窮した難民が周辺国に押し寄せる事態となっていますが、同国が独自発行する仮想通貨ペトロを巡る疑惑について、ロイターが現地に記者を派遣して調査した記事を掲載しました。

ペトロは埋蔵原油が裏付け資産と説明していますが、現地では原油を採掘するインフラが全く整備されておらず、埋蔵エリアの再開発には200億ドルはかかり、国有石油会社PDVSAにとっては天文学的数字であることや、ペトロを取り扱う取引所がほぼないこと等が指摘されています。

ペトロについては、ベネズエラがよくやるゴマカシだと痛烈に批判する声も上がっており、年内に100万%に達すると予測されているインフレ率や、南米史上最悪といえる難民危機状況とともに、今後の行方が注目されます。

jp.cointelegraph.com

 

【2】ビットコインETFは仮想通貨業界に悪影響をもたらすとの見方

ビットコイン市場における今年最大の注目テーマはビットコインETFの承認可否ですが、ビットコイン関連技術の専門家であるアンドレアス・M・アントノプロス氏は、ETFの承認は必然ながら、その存在は長期的に見て仮想通貨業界に悪影響をもたらすと警告を発しました。

ビットコインETFへの投資は、投資家自身が仮想通貨を保有・管理するこれまでの投資手法とは異なり、ファンドが保有するビットコインのシェアを持つ形態となるため、かえって投機が増えることになると指摘するほか、個々の投資家ではなく、カストディアンが一括して秘密鍵を管理することになれば、そこに権限が集中する中央集権的な構造となり、ビットコインの原理に反するとしています。

とは言え、市場参加者の需要や技術力を持たない層のためにビットコインETFの実現は不可避で、技術力を有して自らビットコインを保有する機関投資家と、仲介者に任せる機関投資家の2タイプが登場するだろうと今後の予想を示しました。

jp.cointelegraph.com

 

米SECはCBOEが申請しているビットコインETFの承認可否、または延長判断を9月30日までに下す見込み(今のところ来年2月まで判断を保留するというのが大方の見方)で、承認されればビットコイン市場に強い追い風をもたらすと考えられていますが、金融当局の監督下で、完全な金融商品としてパッケージされるビットコインETFは、非中央集権を標榜して誕生したビットコインとその愛好者にとって、どこか矛盾した居心地の悪い存在なのかもしれません。

 

本日、こちらからは以上です。

 

楽天、みんなのビットコイン買収で事業参入|金融庁が登録審査を厳格化

本日2018年9月3日(月)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は、805,000円前後(時価総額:約13.88兆円)です。

先週金曜日の同時刻帯より3万円ほど高い水準です。
再び上昇トレンドを描き始め、ドル建てでは7,300ドル台、円建てでは約1ヶ月ぶりに80万円台に回復しました。

本日の記事では、楽天がトレイダーズ傘下のみんなのビットコイン社を買収して仮想通貨事業に参入するというニュースや、業者登録審査の厳格化を打ち出した金融庁の動きと今後の影響について取り上げたいと思います。

 

【1】楽天、みんなのビットコイン買収で仮想通貨事業に参入

Eコマース大手の楽天は8月31日午後、トレイダーズグループ傘下の仮想通貨取引所である「みんなのビットコイン」を、子会社の楽天カードを通じて買収することを発表しました。

みんなのビットコインは2017年3月に事業を開始しましたが、金融庁からの登録が下りず、みなし業者の状態が長く続いており、今年4月には社内管理態勢の不備などを指摘されて業務改善命令を受けていました。

楽天の買取額は2.65億円とされているものの、10月1日の株式譲渡日に支払う額は1.7億円、残額0.95億円は1年以内に仮想通貨交換業の登録を受けられた場合のみ支払うという条件が付けられており、1.3〜1.4億円の純資産からあまり上乗せはない厳し目の評価と言えそうです。

楽天ポイントをグループ内の実質的な通貨として流通させている楽天としては、将来的に独自の仮想通貨(楽天コイン?)を発行し、グループ内の決済手段とすることを模索する上で仮想通貨交換業ライセンスは不可欠であり、イチから新規申請するよりはみなし業者を買収した方が早いという判断が働いたとみられるほか、楽天証券などにおいて仮想通貨を取引したいという顧客からの要望に応える狙いがありそうです。

corp.rakuten.co.jp

 

これで今なお業務を継続しているみなし業者3社には、コインチェック⇒マネックスが買収、LastRoots⇒SBIが2度目の出資、みんなのビットコイン⇒楽天が買収、と金融事業を営む大手の資本が全て入ったことになります。

既に参入済みのGMO、SBI、DMMや、日米は対象外ながら仮想通貨交換業を開始したLINE、主要株主として今秋にも参入予定のYahoo!など、仮想通貨業界のメンツはかなり豪華になってきました。

各大手が実績の面でも存在感を放ってくれば、bitFlyerを始めとする専業大手が牽引してきたこれまでとは異なる仮想通貨マーケット、サービスに変化していく可能性がありそうです。

 

【2】金融庁が業者登録審査を厳格化、順番待ち企業の断念相次ぐか

時事通信は1日、金融庁が仮想通貨交換業者の登録審査について、審査書類の質問項目を従来の4倍にあたる約400項目に大幅拡充したことで実質的に厳格化したと報じました。

これまでは収益状況やシステムの安全対策の説明など表層的な質問に留まっていたのに対し、経営陣の関与状況が分かるよう取締役議事録を提出させたり、株主構成も定期的にチェックするなど、実質的に意思決定を行なっている人物の特定や社内管理態勢の適切性にも踏み込んで審査を進める模様です。

立入検査によって取締役議事録を適切に作成していない業者が見つかるなど、ずさんな内部管理態勢の実態が明らかになったことが背景にあります。

審査厳格化により、100数社が順番待ちとされている業者の申請断念が相次ぐ可能性もありそうで、続報が待たれます。

www.jiji.com

 

なおインターネット上では、世界最大級の仮想通貨取引所バイナンスの2018年第1四半期の利益が2億ドルに達し、ドイツ銀行を上回って、米ナスダックの2億900万ドルとほぼ同等となったことが話題となっています。

創業1年未満という歴史上最速のスピードで成長しているバイナンスを、金融庁が無登録で営業しているとして国内から撤退させたことについて、もったいなかったと残念がる声も聞かれますが、自由を求める同社と金融庁の方針が全く噛み合わないことは自明の理で、他の海外有力業者にとっても日本で活動することは更に難しくなったと言えそうです。

jp.cointelegraph.com

 

本日、こちらからは以上です。

 

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。