本日2017年10月10日(火)時点のビットコイン情報をお届けします。
16時頃のビットコイン価格は、539,000円前後(時価総額:約8.97兆円)です。
先週金曜日の価格から4.5万円ほど上昇し、中国のICO全面禁止発表前に付けた最高値(9月1日:56万円台)に迫る勢いを見せています。
10月25日にビットコインが再び分裂し、ビットコインゴールドなる新しい仮想通貨が誕生する見通しであることが材料視されています。
アルトコインはほぼ全面安で、ビットコインへの資金還流が見られます。
本日の記事では、話題のビットコインゴールドについて取り上げつつ、ビットコインの分裂が相場のプラス要因となっている傾向と理由について、考察してみたいと思います。
- 【1】ビットコインから分裂予定のビットコインゴールドとは?
- 【2】8月に分裂して誕生したビットコインキャッシュの再来となるか?
- 【3】11月に導入予定のSegwit2xで、更なる分裂も?
- 【4】本家ビットコイン(BTC)相場への影響は? 分裂は買い材料か?
【1】ビットコインから分裂予定のビットコインゴールドとは?
ビットコインゴールドは、香港のマイニング業者LightningASIC社が主導して進めているハードフォーク(ビットコインからの分裂)計画で誕生する予定の新しい仮想通貨です。
10月25日頃に実行され、11月に取引所上場を目指しているようです。
現在のビットコインは、マイニングに最適化されたASICと呼ばれる専用チップでのマイニングが主流となっており、一般のパソコンユーザーは太刀打ちできず、マイニング業者による寡占状態が長く続いています。
ビットコインゴールドでは、マイニングに関わるアルゴリズムを変更して、専用チップの優位性を低減させ、一般のパソコンユーザーなどより多くの人がマイニングに参加できるようになることを目指しています。
また、ビットコインは約10分に1回のマイニング処理可能量(ブロックサイズ)を上限1MBと固定化しているため、大量の送金をさばけない問題に直面していますが、ビットコインゴールドではマイニングする人が上限値を任意に変更できる仕組みとするようです。
【2】8月に分裂して誕生したビットコインキャッシュの再来となるか?
ビットコインゴールドの実現性や、技術的な完成度は現状定かではありませんが、先行事例となるビットコインキャッシュも、8月1日に分裂して誕生した当初、あまり期待されてはいませんでした。
ただ、ビットコイン保有者に同数のビットコインキャッシュが割り当てられるルールであったため、各取引所に取扱(分裂への対応)を望む声が殺到し、いまや多くの取引所で取り扱われるメジャーなアルトコインとなりました。
なお分裂当初(8月2日頃)、ビットコインキャッシュは一時8万円台を付け、30万円前後だったビットコインの30%近い価値を持っていましたが、その後は緩やかに下落し続け、10月10日現在では4万円弱とビットコインの7.5%程度の価値となっています。
ビットコイン保有者から見れば、ビットコインキャッシュは降って湧いたボーナスのようなものであったため、今回も10月25日時点のビットコイン保有者に同数のビットコインゴールドが割り当てられるという先行期待がここ数日、ビットコインの買い材料となっている格好です。
【3】11月に導入予定のSegwit2xで、更なる分裂も?
ビットコインキャッシュが分裂誕生したという余波はあったものの、この夏、マイナー勢(主に中国)と開発コミュニティ勢(主にアメリカ)間の対立によるビットコインの完全な分裂は回避されました。
しかし11月には、約10分に1回のマイニング処理可能量(ブロックサイズ)を1MBから2MBに引き上げるSegwit2xの導入が控えています。
この是非を巡って各勢力が再び対立しているため、状況次第でビットコインが更に分裂するリスクがあります。
仮に10月25日頃にビットコインゴールドが分裂誕生し、11月にもSegwit2xを巡って分裂することになれば、ビットコインは合計4種類に分かれることになります。
2017年11月以降、ビットコインが4種類に?
- ビットコイン(BTC) … 2009年1月〜
- ビットコインキャッシュ(BCH) … 2017年8月1日〜
- ビットコインゴールド(BCG?) … 2017年10月25日頃〜
- ビットコインSegwit2x(?) … 2017年11月頃〜
【4】本家ビットコイン(BTC)相場への影響は? 分裂は買い材料か?
本来、ビットコインの分裂は、理論上その価値を分割することになりますし(分裂前のビットコイン価格 ≒ 分裂後のBTC+新仮想通貨の価格)、様々な混乱リスクがあることから、ビットコイン相場にとっては大きなマイナス要因となるはずです。
ただ、8月のビットコインキャッシュ誕生の際、価値を分割したはずのビットコインはほぼ下落することなく、その後逆に上昇に転じました。この傾向を参考にするなら、10月25日にビットコインゴールドが分裂誕生しても、ビットコインゴールドだけが売られ、ビットコイン自体はほぼ下げないというシナリオが考えられます。
ビットコインゴールドを売った分でビットコインを追加購入する行動も考えられ、前回同様、ビットコインの価格が逆に上昇する場面もありそうです。
11月のSegwit2xを巡る騒動でも、更に分裂することを期待する投資家が一定数いると思われることから、ビットコインの分裂リスクが高まれば高まるほど、ビットコインの買い人気が高まるという不思議な構図が当面見られるかもしれません。
本日、こちらからは以上です。