本日2020年3月10日(火)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は795,000円前後(時価総額:約14.52兆円)です。
昨日の同時刻帯と比べて約37,000円安い水準です。
新型コロナウイルスの感染拡大によるリスク回避ムードが継続する中、ビットコインは日本時間12日11時頃に一時7,572ドルと、約2ヵ月ぶりの安値水準まで下落しています。
本日の記事では、0.1BTC以上を保有するビットコインアドレス数が過去最多になったとの報道や、マイナーの損益分岐点を巡る様々な見解を取り上げたいと思います。
【1】0.1BTC以上を保有するアドレス数が過去最多に
仮想通貨分析サイトglassnode(グラスノード)はこのほど、ビットコインを0.1BTC以上保有しているアドレスの数が、過去最多となる297万3,761個に達したことを明らかにしました。
グラスノードによると、歴史的に見てこうした指標はビットコインの価格に連動する傾向があるといい、年初から2月中旬にかけて強気相場が続いたことがアドレス数の増加に繋がったと見ています。
また、比較的大口な投資家の傾向を示す1BTC以上保有のアドレス数も、足元で過去最高を更新していることから、半減期が近づく中、投資家が中長期的な強気姿勢を維持している可能性も指摘しています。
アドレス数は相場動向によって一時的に大きく減少する場面はあったものの、総じてみれば着実に右肩上がりの成長を続けており、ビットコインの認知度・普及度は着実に拡大していると言えそうです。
【2】下落続くビットコイン、気になるマイナーの損益分岐点は?
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ビットコイン価格が約2ヵ月ぶりの安値圏に沈む中、下値の目途として意識されやすいマイナーの損益分岐点がどのくらいなのかが気になるところです。
マイナーの損益分岐点を巡っては様々な見方がありますが、カペリオール・インベストメンツのチャールズ・エドワーズ氏は、現在の1BTC=8,000ドル近辺の水準は平均損益分岐点に達しているとの見解を示しています。
#Bitcoin is currently sitting at its global average production cost. pic.twitter.com/busP7jBsuT
— Charles Edwards (@caprioleio) 2020年3月10日
また、世界最大級のマイニングプールであるf2poolも、2016年に発売が開始された人気マイニングマシン「Antminer S9」のマイニングコストを8,037ドルと試算しており、現在のビットコイン価格の水準は、一部旧型マシンを使用しているマイナーの損益分岐点に達している可能性があると見ています。
F2Pool recently mined block number 620,928 which also saw the #bitcoin network difficulty increase by 6.88% to 16.55 T.
— f2pool (@f2pool_official) 2020年3月9日
The break-even price for an S9 13T with $0.05/kWh electricity cost is now $8,037. pic.twitter.com/u7Jpyda2Z0
一方、仮想通貨調査会社TradeBlock(トレード・ブロック)は、今年2月に公表したレポートの中で、仮想通貨マイニング最大手Bitmain(ビットメイン)の最新モデル「Antminer s17+」の性能を基に試算した損益分岐点が6,851ドルになると指摘しています。
また、著名な仮想通貨テクニカルアナリストであるジェイコブ・キャンフィールド氏は、ベネズエラやトリニダード・トバゴ、ウズベキスタンなど、電気代の安い国であれば、4,000ドル以上であれば利益が出るとの見方を示しています。
もし一段と価格が下落しても、現在のマイニング中心地である中国から他の場所にその役割が引き継がれるだけと見ているようです。
As the price of #bitcoin drops, the efficiency of the markets will take over
— Jacob Canfield (@JacobCanfield) 2020年3月10日
Here are the Top 5 Cheapest places to mine Bitcoin
1. Venezuela—$531
2. Trinidad and Tobago—$1,190
3. Uzbekistan—$1,788
4. Ukraine—$1,852
5. Kuwait—$1,983
Many can mine above $4,000 and be profitable.
ただ、マイニングコストは引き下げの余地があるものの、高性能な最新モデルのマシンを導入できる業者は限られているうえに、マイニング拠点もすぐには移転することができません。
また、大手業者であれば先物などを活用してリスクヘッジしている可能性はあるものの、中小業者ではそうした対策を講じているケースはあまり多くないと推測されます。
損益分岐点割れの状態が長引けば、中小業者の淘汰が加速し、一部の大手業者による寡占化が進む可能性がありますが、その場合、ネットワークの偏りによって非中央集権・分散管理といったビットコインの利点が損なわれることに繋がりかねないため注意が必要です。
本日、こちらからは以上です。