ビットコインの値動きや最新情報を、あなたに分かりやすく伝えたい

分かりやすさ重視で、技術的な説明は極力省きます。噛み砕きすぎて一部不正確だったり、解説に主観が交じったりもしますが、分かりやすさ重視のためとご理解ください。

Coinshares、半減期後シナリオの分析レポートを公表|ブルームバーグ、「有利なマクロ経済環境がビットコインをサポート」

本日2020年5月7日(木)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は990,000円前後(時価総額:約18.20兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べて約30,000円高い水準です。
来週に半減期を控えての思惑や、経済活動再開の動きが広がる中でリスク回避ムードが後退していることなどを追い風に、GW期間中のビットコインは堅調に推移しました。

日本時間4月30日には、一時9,485ドルと約2ヵ月ぶりの高値を記録。円ベースでも100万円の大台に乗せる場面が見られました。その後は、利益確定の売りなどにやや押されたものの、ドルベースで9,500ドル、円ベースで100万円を睨んだ底堅い展開に終始しました。

本日の記事では、Coinsharesが公表したビットコイン半減期後のシナリオの分析レポートや、ブルームバーグのアナリストがまとめたビットコインに関するレポートを取り上げたいと思います。

 

【1】Coinshares、半減期後シナリオの分析レポートを公表

デジタル資産管理会社Coinsharesは4日、ビットコインの半減期が来週に到来する見通しである中、影響シナリオとして最も一般的ないくつかの仮説について、その実現可能性などを分析したレポートを公表しました。

f:id:komitaku6126:20200507121338p:plain

半減期後のシナリオ仮説(Coinsharesより)

まず、マイニング報酬の半減がマイナーの撤退を加速させるという「マイニングの死のスパイラルの発生」について、Coinsharesは起こる可能性は「ゼロ」だと見ています。

同社は、数ギガワットのマイニングを止めることは「壁のコンセントからプラグを抜けば済むわけではない」と指摘。多くの大規模マイナーは公益事業者と離脱協定を結んでいるため、合意した量の電力供給を拒否することが難しく、手形がデフォルトするまで半強制的にマイニングを続ける必要があるとしています。

次に、「ストック・フロー(S2F)モデルに基づき価格が上昇する」というシナリオについては、需要面が無視されているなどモデル自体に問題点も多く、Coinsharesは実現性を懐疑的に見ています。

f:id:komitaku6126:20200507121441p:plain

BTCのS2Fモデル(digitalik.netより)

続いて、イベントを見越した投機的な需要によって事前に価格が吊り上がり、イベント通過後に売りが強まる「投資家が噂で買って、ニュースで売る」というシナリオですが、Coinsharesはこうした動きが発生する可能性は幾分かあると考えるものの、大幅な価格下落となる可能性は低いと見ています。

その他のシナリオとしては、「マイナーからの売り圧力の強まり」が挙げられています。こちらについては、ビットコイン価格の低迷が長期化した場合、マイナーは手持ちのビットコインを売って運営資金を賄う必要が生じる可能性はあるものの、半減期は事前にわかっていることなので、基本的にはこれを機にマイナーが大量に売却する必要に駆られる可能性は低いとしています。

ただ、「投資家が噂で買って、ニュースで売る」と「マイナーからの売り圧力の強まり」の2つのシナリオが組み合わさった場合、やや大きな下方圧力を生み出す可能性はあると見ています。

こうした分析を踏まえたうえでCoinsharesは、半減期などによって最新のマイニングマシンに切り替えが進み、非効率的な旧世代のマシンを使う業者は追い出されると予測。

低コストで運営できるマイナーが残ることで、コストを賄うために売却されるビットコインがより少なくなるため、供給面において中長期的なプラスの影響が期待でき、大きな価格上昇を生み出す可能性があるとしています。

coinshares.com

【2】ブルームバーグ、「有利なマクロ経済環境がビットコインをサポート」

ブルームバーグのアナリストであるマイク・マクグローン氏は、ビットコインに関する最新のレポートを公表し、株式のボラティリティの上昇、債券利回りの低下、中央銀行の大規模な流動性供給といった現在のマクロ経済環境が、ビットコインの大きな追い風になっているとの見解を示しました。

そのうえで、ビットコインがその他のほとんどの資産をアウトパフォームする状況は今後も続くと予想しています。

f:id:komitaku6126:20200507121717p:plain

BTCとその他資産のパフォーマンス(ブルームバーグより)

また、マクグローン氏によると、ビットコインのボラティリティ(180日間)は史上最低水準を記録。直近でこの指標が大きく低下したのは2015年~2016年にかけてであり、その後、2017年には史上最高値を付けるに至った大きな強気相場が発生していることから、この現象が強気相場入りのシグナルとなる可能性があるとの見解を示しています。

f:id:komitaku6126:20200507121620p:plain

BTCのボラティリティ(ブルームバーグより)

さらに、足元でアクティブアドレスが増加していることも、今後の上昇が期待できる要因のひとつだと指摘。現在のアクティブアドレス数(30日平均)は、2017年のバブル崩壊後の戻り高値を付けた2019年6月の水準に接近しています。

この戻り高値を付けた際の動きを見ると、アクティブアドレス数が以前のピークを上回った少し後から上昇の勢いが強まっており、アドレス数の直近ピーク超えが今回も本格的な上昇に向けた先行シグナルとなる可能性があるとしています。

f:id:komitaku6126:20200507121951p:plain

BTCのアクティブアドレス数(ブルームバーグより)

その他、ビットコインがリスク資産から離れ、金(ゴールド)のような価値を持つ存在へと移行し始めていると指摘。ただ、ゴールドの場合、価格が上昇すると生産者が生産量を増やす傾向にありますが、ビットコインはその仕組み上、価格が高くなっても供給が増えることはないため、ヘッジ手段としてゴールドよりも優れているとの見解を示しています。

jp.cointelegraph.com

本日、こちらからは以上です。

 

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。