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「世界に遅れを取っている」関係者の危機感|処分6社が改善計画書を提出

本日2018年7月24日(火)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は、862,000円前後(時価総額:約14.80兆円)です。

昨日の同時刻帯より2万円ほど高い水準です。
買い優勢の展開が続き、続伸しています。

本日の記事では、仮想通貨・ブロックチェーンに詳しい弁護士、会計士などが参加したパネル・ディスカッションでの議論内容や、6月22日に業務改善命令を受けた大手6社が当局に改善計画書を提出した件を取り上げたいと思います。

 

【1】「世界に遅れを取っている」危機感が強い日本の仮想通貨界隈

7月21日に東京大学で開催されたイベントにおいて、仮想通貨・ブロックチェーンに詳しい弁護士、会計士などが「規制と税制が日本の暗号通貨業界に与える影響」についてのパネル・ディスカッションを行ないました。

2017年4月に世界に先駆けて仮想通貨関連法(改正資金決済法)を整備したものの、2018年1月のコインチェック事件以降、金融庁が育成から規制へとシフトチェンジしたことで、仮想通貨ビジネスの動きが完全に停滞してしまい、世界に遅れを取っているとの論調が主流です。

ICOについても、米国が厳しい規制方針を示しながらも、世界最大のICO実施国であるのに対して、日本では2018年のICO実績がゼロであることなどを取り上げながら、日本の規制、税制には、ビジネスセンスや国際競争力がないという行政に対する厳しい意見や、民泊のAirbnbやライドシェアなどと同様、規制が厳しすぎて有望なビジネスが育たないと危惧する声が挙がっています。


金融庁への出向経験がある長瀬弁護士は、黎明期から仮想通貨取引所を運営し、仮想通貨についての専門技術を有するテック系企業と、金融ビジネスのノウハウを持つ金融業者は合体していくことになると見ており、金融庁もそれを望んでいるとの見方でいけば、コインチェックを買収したマネックスはその先例となり得ます。

ただ、テック系企業と金融業者では明らかに企業文化、価値観が異なるため、融合にはある程度の時間が掛かるとみられます。

仮想通貨ビジネスは様々な方向へ広がりを見せており、既存の資金決済法、及び一律の仮想通貨交換業者規制でカバーするのはそろそろ難しくなってきています。
以前報道された金商法への移行や、業態や取扱額などによって第1種、第2種という区別を付けた登録制度への移行を検討する時期に来ていると言えそうです。

crypto.watch.impress.co.jp

 

【2】業務改善命令を受けた6社、23日に改善計画書を当局へ提出

昨日7月23日は、6月22日に業務改善命令を受けたbitFlyerなど仮想通貨交換業者6社にとって業務改善計画書を提出する期限日だったため、各社から当局へ計画書を提出したというリリースが相次ぎました。

bitFlyer|業務改善計画の提出について

業務改善命令を受けた仮想通貨交換業者(2018/6/22)

bitFlyer、QUOINE、ビットバンク、ビットポイント、BTCBOX、テックビューロ(2回目)

 

今後各社は計画書に沿って業務改善を進めていくことになりますが、実施完了までの間は翌月10日までに当局へ進捗・実施状況を報告する義務を課せられます。

進捗が不十分と判断された場合、追加で行政処分を下される恐れがあり、次回は業務停止命令があり得ることから、計画書の提出を終えたとは言え、当面は油断できない日々が続きそうです。


前回の業務改善命令では、各社共通でマネーロンダリング・テロ資金供与対策や、利用者保護の管理態勢の不備などが指摘されていましたが、国内最大手bitFlyerに関しては、「当局等へ事実と異なる説明等を行うといった企業風土」という表現で金融庁は不信感を滲ませており、「経営管理態勢の抜本的な見直し」と経営陣の刷新要求とも受け取れる強い表現で改善を求めていました。

今のところ同社から経営体制変更についての具体的なリリースは出ていませんが、業務改善計画書には記載されているはずで、どのような対応を取るかが注目されます。

また同社は6月22日から、既存顧客の本人確認の再点検と内部管理体制の強化が整うまで、新規口座開設の受付を停止しており、異常な状態は今なお継続中です。

国内の仮想通貨業界をリードしてきた2大企業、bitFlyerとコインチェックが共にサービスを正常に提供できない状態が長引き、新規登録企業の審査再開にも時間が掛かるようであれば、国内の仮想通貨ビジネスは世界から更に遅れを取ることになりそうです。

 

本日、こちらからは以上です。

 

機関投資家向けのカストディサービス|クラウドマイニング業者が撤退へ

本日2018年7月23日(月)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は、844,000円前後(時価総額:約14.49兆円)です。

先週金曜日の同時刻帯より1万円ほど高い水準です。
週末は小動きながらじわりと上昇してきました。

本日の記事では、機関投資家向けに仮想通貨を保管するカストディサービスが広がりを見せつつある現況と、相場低迷と競争激化でクラウドマイニング業者がサービス中止を決めたニュースなどを取り上げたいと思います。

 

【1】仮想通貨保管サービス、米コインベースは既に200億ドルを管理か

米国最大の仮想通貨事業者コインベースは5月、機関投資家向けに仮想通貨を保管するサービスを開始すると発表し、今月から大規模機関投資家向けにデジタル資産保管ソリューション「コインベース・カストディ」を開始していましたが、メディアの報道によれば、既にヘッジファンドの資金200億ドルを預かっているようです。

また同社は、他の大型ヘッジファンドとのパートナーシップも模索中であるほか、機関投資家向けに取引用の仮想通貨を貸し出すサービスも年内に提供する予定だとしています。

機関投資家向けのサービスを次々と充実させていくことは、より多くの機関投資家に対して仮想通貨投資を促す効果が期待できる一方、仮想通貨取引所を運営するコインベースがカストディ業務だけではなく、プライムブローカレッジ業務まで手を広げようとしていることは、SECの注意を引く可能性が高いと指摘する声も出ています。

jp.cointelegraph.com

 

また、香港でも資産運用会社フサンが、クライアントのデジタル資産を保管するほか、定期的な監査も提供するカストディサービスを2018年第4四半期に提供開始する予定だと報じられています。

同社CEOは、独立した第三者に仮想通貨を管理させたいニーズが高まっていると指摘し、保険会社と協力の上、資産保護体制を整える見通しです。

今後もカストディサービスは多額の仮想通貨資産を保有する法人・個人から支持を受けると予想されることから、この分野でどこが覇権を握るかにも注目したいところです。

jp.cointelegraph.com

 

【2】クラウドマイニング業者、収益配分が困難としてサービスを中止

マイニング施設の計算能力をバラ売りし、出資者に収益を配分するクラウドマイニングサービスを提供するエストニアの老舗業者ハッシュフレアが、収益を生み出すのが困難だとして、サービスを中止することになりました。

同社によれば、市場価格が低迷する中、メンテナンス費用や電力代金を引き下げる方法を模索してきたものの、過去1ヶ月にわたり出資者に収益を配分できない状態が続いていたようです。

現在のビットコインの価格は昨年11月半ばとほぼ同水準ですが、マイニング競争の激化により、市場全体の計算能力や採掘難易度は当時の4倍以上に跳ね上がっているため、採算割れが近い業者が出てきているという見方が以前から出ていました。

ビットコイン相場は6月に一旦底を打ち、緩やかに回復傾向となっていることから、マイニング業者の撤退が相次ぐという事態には至っていないものの、やはり危うい水準であることが今回のニュースにより明らかとなったと言えます。

一方、現在の価格水準はマイニングでの損益分岐点に近いと言えるため、ファンダメンタルズの観点から、この辺りが相場の底と見る投資家も増えてきそうです。

jp.cointelegraph.com

 

本日、こちらからは以上です。

 

ビットコイン投資信託に機関投資家マネーが|デジタル法定通貨の可能性

本日2018年7月20日(金)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は、833,000円前後(時価総額:約14.29兆円)です。

昨日の同時刻帯より1万円ほど高い水準です。
方向感がはっきりしない横ばいの展開となっています。

本日の記事では、ビットコイン投資信託などに機関投資家の資金が流入していることを明らかにしたグレースケール社の投資レポートと、中央銀行が究極のステーブルコインとも言えるデジタル法定通貨を発行する可能性について取り上げたいと思います。

 

【1】ビットコイン投資信託に機関投資家マネーが流入

ビットコイン投資信託など7種類の仮想通貨投資信託と、主要仮想通貨にバスケット投資するパッシブ運用ファンドを運営する、ニューヨーク拠点の仮想通貨投資会社グレースケールは、今年上半期の投資状況レポートを業界で初めて公開しました。

同社のビットコイン投資信託とイーサリアムクラシック投資信託は、米国新興市場OTCQBで取り扱われています。

レポートによると、2018年1月〜6月の半年で約2億5,000万ドルもの資金が同社商品に流入しており、その投資先はビットコイン投資信託が63%、その他が37%とされています。

更に資金の出し手は、機関投資家が56%と過半数を占めている状況で、仮想通貨投資に対して機関投資家は様子見であるという見方が一般的である中、機関投資家からの資金流入を直接体験している同社幹部は、彼らは価格下落をチャンスと捉えていると発言しています。

世界最大規模の資産運用会社である米ブラックロックが仮想通貨市場に参入するという噂は同社CEOが今週否定したばかりですが、グレースケール社のレポートは機関投資家マネーが今後も継続的に流入する可能性を具体的に示すものとして注目されそうです。

coinpost.jp

 

【2】中央銀行がステーブルコイン(デジタル法定通貨)を発行する未来は?

IBMが開発に着手した米ドル連動の「Stronghold USD」や、三菱UFJフィナンシャル・グループが実証実験を進める日本円連動の「MUFGコイン」など、投機目的ではなく決済利用を目的としたステーブルコイン(安定通貨)が注目を集めていますが、民間企業ではなく中央銀行自体が法定通貨をデジタル化しようとする動きも各国でみられます。

現金流通量が対GDP比で1.4%(2016年)と、日本の19.9%、ユーロ圏の10.7%、米国の7.8%と比較にならないほどキャッシュレス化が進んでいる北欧スウェーデンでは、中央銀行によるデジタル通貨「eクローナ」の検討が進んでいるほか、ロシアや中国などでも政府が管理するデジタル通貨の研究が進んでいるとされています。

民間企業が取り組むステーブルコインは、どうしても発行企業を中心としたグループ内での使用に留まる恐れがありますが、中央銀行が発行するデジタル通貨は法定通貨と同義であり、企業グループとは無関係となることから、様々な決済・送金の場で使用される可能性を秘めています。

ただその分、既存の金融システムに与えるインパクトは絶大で、検討すべき課題も多く、18日に開かれた米議会の公聴会で、中央銀行のデジタル通貨(CBDC)の導入について意見交換が行なわれたところ、参加者から「最悪な金融アイディアの一つ」など様々な意見が出されたようです。

中央銀行が発行するデジタル通貨は、スウェーデンのようにキャッシュレス化が既に進んでいる国や、経済規模が小さな国、また原油を裏付け資産とする「ペトロ」を発行したベネズエラのように特殊事情を抱える国が先行して実施していき、先進諸国はその影響を見極めながら、自国での発行を検討するという流れが最も有り得そうです。

各国政府や中央銀行の支配を受けない非中央集権の通貨を目指したビットコインが、結果として、中央銀行が管理するデジタル法定通貨の実現に多大な影響を与えたとするなら、皮肉な展開であると同時に、歴史に残る偉業として評価されるべきことかもしれません。

jp.cointelegraph.com

 

本日、こちらからは以上です。

 

IBM、米ドル連動の仮想通貨開発へ|野田大臣事務所が金融庁に圧力?

本日2018年7月19日(木)時点のビットコイン情報をお届けします。
15時頃のビットコイン価格は、821,000円前後(時価総額:約14.09兆円)です。

昨日の同時刻帯より2万円ほど安い水準です。
米コインベースがSECなどから証券業者の買収認可を得たというブルームバーグ報道で、市場に歓迎ムードが流れていたところ、コインベースの広報担当者がその報道を否定するEメールをブルームバーグに送った模様で、戸惑いが広がっています。

本日の記事では、IBMがフィンテック企業と共同で米ドルにペッグする新しい仮想通貨の開発に乗り出すというニュースと、野田聖子総務大臣の事務所が無登録業者の要請で金融庁に圧力を掛けたのではとされる疑惑について取り上げたいと思います。

 

【1】IBM、新興企業と共同で米ドルにペッグするステーブルコインの開発に着手

IBMは米フィンテック企業と共同で、米ドルにペッグする仮想通貨「Stronghold USD」の開発に乗り出すと発表しました。

「Stronghold USD」はボラティリティが低く、より早くて安全な決済手段を構築することを目的に開発され、金融機関や多国籍企業、資産運用管理会社などの企業間で活用されることを想定しており、数ヶ月以内に利用可能となるとしています。

米ドルなど法定通貨にペッグさせる仮想通貨はステーブルコインと呼ばれ、その代表格が香港Tether社が発行するテザー(USDT)です。
発行元のTether社が同等額の米ドルなどを確保・管理していることが信用の裏付けとされるものの、同社を巡っては様々な疑惑が取り沙汰されており、今のところ企業間の決済通貨として使われるような動きは確認できません。

今回の「Stronghold USD」は、米コインベースが新規上場を検討する仮想通貨の一つであるステラ(XLM)のブロックチェーンが活用され、米ドルと1対1で連動する仕組みとされています。

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が開発・発行し、実証実験を重ねているデジタル通貨「MUFGコイン」も、1MUFGコイン≒1円とレートをほぼ固定させるとしており、国産のステーブルコインと言えます。

銀行送金やカード決済より早くて安く、法定通貨と連動させる仕組みのステーブルコインは、次世代の決済手段としての可能性を感じさせる一方、同種のコインが乱立する可能性が高く、デファクトスタンダードを狙った各陣営間での主導権争いが活発化していきそうです。

www.itmedia.co.jp

 

【2】野田聖子総務大臣の事務所、無登録業者の要請で金融庁に圧力疑惑

野田聖子総務大臣の事務所が、金融庁から無登録営業の疑いで調査を受けていた仮想通貨販売業者からの要請を受けて、業者が同席した状況で金融庁担当者を呼び、規制方針や金融庁としてのスタンスを説明させていたことが報じられ話題となっています。

昨年10月から独自の仮想通貨を販売していた業者に対し、金融庁が1月12日に資金決済法違反の疑いがあると同社に通告し、書面での回答を求めたところ、1月中旬に野田氏の事務所から説明を求められたとされています。

金融庁幹部は、現役大臣サイドから業者同席のもと説明を求められれば、役人としては圧力だと感じると発言しています。

仮想通貨販売業者の実名は報道されていませんが、販売開始時期などの共通点や、その仮想通貨に深く関与している有名芸能人と友人関係であることを野田氏が認めていることから、著名ミュージシャンのGACKT氏が参画するスピンドルであるとの見方が広がっています。

金融庁は2月下旬に資金決済法に抵触するため、仮想通貨の販売を行なわないよう業者に行政指導したとされているものの、スピンドルの場合は昨年10月から1月末までに国内でのプレセールを終えており、販売済みの分を返金するよう求めたという話も聞かないため、行政指導の効果は極めて限定的と言えそうです。

スピンドルは5月に複数の海外取引所に相次いで上場したものの、200円以上の高値を付けた後すぐに6円前後まで暴落し、ICOでの販売価格を大きく割れる事態となっていました。
その後も浮上の兆しが見えず、本日現在では1円前後と更に低迷しており、投資家の間では失望感が広がっています。

www.asahi.com

www.asahi.com

 

本日、こちらからは以上です。

 

コインベース、SECから証券業者買収認可|攻勢強める国内ネット証券勢

本日2018年7月18日(水)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は、839,000円前後(時価総額:約14.39兆円)です。

昨日の同時刻帯より8万円ほど高い水準です。
週末の上昇要因となった世界最大規模の資産運用会社、米ブラックロックの仮想通貨市場参入の噂は同社CEOが否定したものの、米コインベースの証券業者買収認可などを手掛かりに大口の買いが入った模様で、日本時間7月18日午前2時台に急騰して6月10日以来となる7,000ドル台の回復を果たし、7,500ドル前後まで上昇しています。

本日の記事では、SECとFINRAから証券業者の買収認可を得るなど、ポジティブな発表が相次ぐ米コインベースと、SBIやGMOなど国内ネット証券勢の動きが活発化してきた現況を取り上げたいと思います。

 

【1】米コインベース、証券業者の買収認可と追加上場検討を相次いで発表

米国最大の仮想通貨事業者コインベースは、SEC(米国証券取引委員会)とFINRA(金融業規制機構)から、買収済みだった証券業者3社(キーストーン・キャピタル社、ヴェノベート・マーケットプレイス社、デジタルウェルス社)の認可を受けたことを明らかにしました。

これによりコインベースは、ICOで販売された仮想通貨をSECが全て証券として認定した場合でも、合法的に取引サービスを継続できるライセンスを得たことになります。

coinpost.jp

 

またコインベースは14日、公式ブログやTwitterで新たに5つのアルトコインの新規上場の可能性を探っていることも明らかにしました。

時価総額7位のステラ(XLM)、8位のカルダノ(ADA)、21位のジーキャッシュ(ZEC)、23位のゼロエックス(ZRX)、41位のベーシック・アテンション・トークン(BAT)がその対象です。
規制当局との調整などが必要なことから、上場時期はまだ不明で、上場についての保証もできないとされていますが、対象とされた仮想通貨は期待値から大幅高となりました。

コインベースは6月にも今後数ヶ月内にイーサリアムクラシック(ETC)を上場すると発表しており、今般の証券業者の買収と認可に合わせたかのようなタイミングで、攻めの姿勢を示しています。

jp.cointelegraph.com

 

【2】SBI、GMOなどネット証券勢の動きが活発化、コインチェックの再開は?

仮想通貨事業に参入しているネット証券勢の動きが活発化してきました。

SBIグループの仮想通貨交換業者SBIバーチャル・カレンシーズは17日、一般向けに新規口座開設の受付を開始したと発表しました。

同社は2017年9月に金融庁登録を受けた後、2017年10月に口座開設の先行予約登録、12月に先行予約者限定で口座開設申込の受付を開始していましたが、受入体制の強化を理由に一般向けの口座開設申込の受付を延期していたところ、コインチェック事件が発生し、セキュリティや管理態勢を更に強化するとして、スケジュールが大幅に遅れていました。

2018年6月、2万人超の先行予約者向けに取引サービスを開始し、運用体制に問題がないと判断できたためか、いよいよ一般向けの口座開設申込を受け付けることにしたようです。

www.nikkei.com

 

また17日には、GMOインターネットがあおぞら銀行と共同設立した「GMOあおぞらネット銀行」が開業しました。持株比率はあおぞら銀行が85.1%、GMO側が14.9%です。

同銀行はAIやブロックチェーンなどの新技術を活用したネット銀行で、フィンテック企業が必要とするAPIを積極的に提供していく予定であるほか、仮想通貨を活用したEC決済の展開も検討するとしています。

SBI、GMOともに仮想通貨取引所の運営だけではなく、仮想通貨関連ビジネスをグループ力を活かして多角的に攻め、シェアを一気に獲得しようとしています。

www.itmedia.co.jp

 

ネット証券勢と言えば、マネックスに買収されたコインチェックもその範疇ですが、6月中にも金融庁登録を果たして取引再開というムードが高まっていたものの、いまだに具体的な発表がありません。

6月22日にbitFlyerなど大手6社が業務改善命令を受け、改善計画書の提出日をまだ迎えておらず(提出期限日:7月23日)、追加処分の可能性が残る中、コインチェックの取引再開は認めづらいという見方や、金融庁長官が交代(森信親氏⇒遠藤俊英氏)し、組織体制も
17日に変更されたばかりのため、先送りにされたのではという観測が出ています。

仮想通貨交換業者のライセンス取得を希望する企業が100社以上並んでいる状態が続いているため、8月には金融庁が動き出すことを期待したいところです。

 

本日、こちらからは以上です。

 

自民党有志が投資家保護、法改正検討の議連設立へ|ICOに好意的な国

本日2018年7月17日(火)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は、758,000円前後(時価総額:約13.00兆円)です。

先週金曜日の同時刻帯より5万円ほど高い水準です。
6.3兆ドルを運用する世界最大規模の資産運用会社である米ブラックロック社が、ビットコインETF上場プロジェクトチームを組成した等の噂が市場に流れたことで、反発しました。

本日の記事では、自民党有志が仮想通貨市場での投資家保護のあり方などを論じる議連を17日に設立するという報道や、ICOに好意的な国にアメリカ、スイス、シンガポールがランクインした調査結果などを取り上げたいと思います。

 

【1】投資家保護や法改正を論じる議連、自民党有志が設立へ

自民党の有志が、仮想通貨市場における投資家保護のあり方などを議論し、関連法の改正も検討する「新型通貨の適正利用を考える議員連盟」を17日に設立すると読売新聞が報じました。

仮想通貨交換業者を規制する改正資金決済法では、交換業者に対して会社資産と顧客資産の分別管理は義務付けているものの、顧客資産に損失が発生した場合の決まりがないという課題があります。

証券会社などを規制する金融商品取引法では、経営破綻で顧客に資産を返還できない場合は、業界の基金で損失を補填するよう義務付けているため、発足する議連では交換業者を金商法の対象とする法改正も検討するとしています。

www.yomiuri.co.jp

 

7月3日には金融庁が同様に、仮想通貨交換業者を規制する法律を金商法へ移行する検討を開始したと産経新聞が報じており、このテーマは大きな流れとなってきた感があります。

現在の改正資金決済法では、出来高の大半を生み出しているレバレッジを効かせたデリバティブ取引(FX、先物、信用)の扱いがグレーなままという問題もあることから、金商法に移行する場合に、現物とデリバティブどちらを軸に規制する内容となるかという
点にも注目が集まりそうです。

www.sankei.com

 

【2】ICOに好意的な国、アメリカ、スイス、シンガポールが上位に

クリプト・ファイナンス・カンファレンスに参加しているアナリストらが、資金調達額上位100件のICOを調査してまとめた結果によると、ICOに好意的な国として、1位がアメリカ、2位がスイス、3位がシンガポールがランクインしました。

今回1位とされたアメリカでは、現在進行系でSECが詐欺的なICO業者を摘発する動きを強めているほか、ICOで販売されるトークンを証券認定する姿勢を取っているため、1年後に再び調査した際もトップの座をキープできているかどうかは微妙なところですが、規制を通じてSECが合法的なICOの定義を整理すれば、ICO分野で揺るぎない地位を確保する未来も有り得そうです。

 

タイでは7月16日からICOの法規制が施行され、合法的なICOが可能となった他、仮想通貨事業の受け入れに積極的なマルタでは、3年後に株式へ転換できるトークンを売り出す世界初のICCO(イニシャル・コンバーチブル・コイン・オファリング)が今月から実施されるなど、ICO分野を取り巻く環境は次々と変化しています。

今回のレポートでは、ロシア、イギリス、エストニアなどもICO有望国として名前が挙がっている一方、日本では昨年実施されたテックビューロ社のCOMSA(コムサ)、QUOINE社のQASH(キャッシュ)という100億円規模の大型ICOが話題を呼んだものの、コインチェック事件以来、国内でのICO実施が金融庁により事実上差し止められたままで、ICOに好意的な国とは決して言えない状況が続いています。

マネーロンダリングやテロ資金供与への対策などは国際的な取り決めが進みつつありますが、ICOへの取り組み方は各国でバラバラであるため、金融庁がどの国を参考にするかによって、日本でのICOが認められ再開される方向になるかが決まりそうです。

ただ参考にする国がアメリカであれば、ICOは証券法の範疇となりそうですので、名証セントレックス上場のオウケイウェイヴがプレミア証券を買収したように、大手業者が手頃な証券会社を物色する動きが活発化しそうです。

jp.cointelegraph.com

 

本日、こちらからは以上です。

 

ビットコインETF、SECの承認可否判断はいつ?|現実主義か理想主義か

本日2018年7月13日(金)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は、704,000円前後(時価総額:約12.07兆円)です。

昨日の同時刻帯より1万円ほど安い水準です。
ドル建てでは6,200ドル前後、円建てでは70万円前後で揉み合う展開となっています。

本日の記事では、CBOEが申請したビットコインETFについてSECが承認可否の判断を行なう予定日についてと、分裂型取引所のハッキング事件で浮上した悩ましい問題について取り上げたいと思います。

 

【1】CBOEのビットコインETF、8月10日or9月24日までにSECが可否判断か

昨年12月にビットコイン先物を上場した米大手デリバティブ取引所CBOEが、米SECにビットコインETFの上場認可申請を行なったというニュースが注目を集めていますが、米SECの文章によれば、届け出日から45日以内、延長がある場合も90日以内に承認の可否判断を行なう方針であることが明らかとなりました。

同文章の日付が6月26日であることから、ビットコインETFの可否判断は8月10日、もしくは9月24日までに下されることになりそうです。

年金・保険など多額の資産を運用する機関投資家は、中長期スパンでの運用が基本スタイルであるため、取引期限が短いビットコイン先物市場への直接参加は難しい面があり、ビットコインETFこそが機関投資家を呼び込む起爆剤とされてきました。

英ウィリス・タワーズ・ワトソン社の調査によると、機関投資家の運用資産額は世界上位500社合計で81.2兆ドル(2016年末)にも達しているのに対して、現在のビットコイン市場は時価総額1070億ドルと、その0.13%程度しかないため、ごく一部でも機関投資家の運用資金が流入すれば、多大なインパクトをもたらすと期待されています。

香港大手仮想通貨取引所ビットメックスのアーサー・ヘイズCEOは、ビットコインETFの承認をきっかけに相場は急反発し、2018年末までに2万ドルもしくは5万ドルまで急騰すると予想しています。

昨年11月、12月の急騰は、ビットコイン先物の上場期待が相場を押し上げた要因の一つであったため、ビットコインETFが承認されることになれば、その期待値で相場が大きく動くことになりそうです。

jp.cointelegraph.com

 

【2】分散型取引所を巡る問題、現実主義か理想主義であるべきか

7月9日に20億円規模のハッキング被害を発表したイスラエル発の分散型取引所バンコールの事件を受けて、同社システムの非中央集権制を疑う声が挙がっています。

分散型取引所(Decentralized EXchange)は、中央集権型の取引所とは異なり、取引所に対するハッキングなどが生じた際にも、参加者の資産が毀損するようなカウンターパーティーリスクがないことが利点とされており、全てシステムで処理されることから内部スタッフによる不正とも無縁と考えられていました。

ただ今回の事件で、バンコール側が盗難された仮想通貨の一部を凍結する措置を取ったことで、凍結などのコントロールが分散型取引所では存在しないはずの中央管理者の判断により可能であることが判明し、問題視されています。

開発者側は、ハッキング発生時などに発動できるよう緊急プログラムを組み込んでいたと説明しており、リスク管理の点からは妥当な取り組みと考えることができる一方、分散型取引所としての理念に反していると指摘されれば、それもまた否定しきれず、悩ましい問題と言えそうです。

btcnews.jp

 

2016年6月には、イーサリアム内のプロジェクト「The Dao」で参加者が拠出した65億円相当がハッキング被害にあった際、その盗難をなかったことにするためにブロックチェーンを巻き戻すかどうかで論争が巻き起こり、最終的にイーサリアムは分裂することになりました。

盗難をなかったことにするためブロックチェーンの巻き戻しを認めた現実主義派が現在のイーサリアム(ETH)で、ブロックチェーンの巻き戻し(≒改ざん)を認めず分裂した理想主義派がイーサリアムクラシック(ETC)です。

今回の分散型取引所を巡る問題は、過去のイーサリアムの事例と同様、現実主義派と理想主義派の綱引きのようにも思える一方、仮想通貨そのものが既存金融システムに対するアンチテーゼとして誕生し、マネーの理想のカタチを模索して成長してきた経緯を考えれば、理想主義派の主張にこそ耳を傾けるべきかもしれません。

 

本日、こちらからは以上です。

 

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。