本日2020年7月6日(月)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は978,000円前後(時価総額:約18.01兆円)です。
昨日の同時刻帯と比べてほぼ横ばいの水準です。
週末のビットコインは、引き続き9,000ドル~9,200ドル程度の狭いレンジ内での小動きに終始しました。
本日の記事では、日本銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験に乗り出すとの報道や、リトアニア中央銀行がコレクター向けに近く発行するCBDCを取り上げたいと思います。
【1】日本銀行がCBDCの実証実験へ、技術的課題の解決に向け
日本銀行は2日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の技術的な課題についてまとめたレポートを公表。その中で、「日本銀行としては、実証実験等を通して、技術面からみた実現可能性を確認していく」と、近くCBDCの実証実験に乗り出す可能性が示されました。
レポートでは、CBDCが「現金と同等の機能」を有する決済手段となるには、誰でも使える「ユニバーサル・アクセス」と、環境に左右されずに使用できる「強靭性」を備える必要があるとの見解が示されています。
具体的には、既存のデジタル決済はスマートフォンを活用するのが一般的であるものの、それでは高齢者や子供などを中心に利用できない人が出てくるため、日銀は「様々なユーザーが利用可能な端末の開発が必要」だと指摘。また、地震などの非常事態によって通信や電源を確保できない状況でも利用できるよう、「オフライン決済機能」を備える必要があるともしています。
また、セキュリティやコンプライアンス面での課題についても言及。オフライン環境の場合、管理者が脅威を常時把握することができないことから、CBDCの利用額に上限を設けることで、被害規模を限定するという対応策が考えられるとしています。
さらに、マネーロンダリング防止(AML)とテロ資金供与対策(CFT)の観点から、不正リスクの抑制のために決済情報の事後収集やオフライン利用額の上限設定を検討する必要があるとも述べられています。
日本銀行は「現時点でCBDCを発行する計画はない」とのスタンスを変えていませんが、中国を筆頭に世界的な開発競争が進む中、取り残されないようにと危機感を募らせていることは間違いなく、日本でもデジタル決済が当たり前となる日はそう遠くないかもしれません。
【2】リトアニア中銀が7月23月にCBDCを発行へ、コレクターコインとして
リトアニアの中央銀行に当たるリトアニア銀行が、デジタル通貨「LBコイン」の先行予約販売を7月9日から開始することを発表しました。事前にKYC(本人確認)などが必要となることから先行予約販売の形式をとっており、実際の発行は7月23日を予定しています。
LBコインは、NEMブロックチェーンをベースに発行。中央銀行が発行するデジタル通貨「CBDC」の一種に位置付けられますが、決済を目的としたものではなく、収集を目的とする「デジタル・コレクターコイン」となります。
リトアニア銀行は、LBコインを24,000トークン販売する計画で、各トークンには1918年の独立宣言に署名した20名のうち、いずれかひとりの肖像画を添付。20名の人物は神父、大統領、外交官、実業家、学者、公務員の6つのカテゴリーに分類され、ランダムに選ばれた6枚のトークンを1セットとして99ユーロ(約1万2,000円)で販売されます。
LBコインはトークンを販売するeショップの専用ウォレットで保管することができ、NEMブロックチェーンのウォレットへの送金や贈答、トレードも可能だといいます。
なお、1918年にちなみ、額面19.18ユーロの記念銀貨も併せて発行。LBコインと記念銀貨は交換することが可能で、記念銀貨であれば決済に利用することができるものの、コレクターコインとして額面よりも高価な銀で作られているため、リトアニア銀行は「使用は推奨しない」としています。
LBコインのプロジェクトマネージャーであるパベル・リプネビッチ氏は、「LBコインはリテール向けのCBDCを発行するうえで、実践的な経験を積むのに役立つ」と語っており、決済用途のリテール向けCBDCの発行に向けた足掛かりとしたいようです。
本日、こちらからは以上です。