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世界最大の取引所バイナンスに金融庁が警告、国内営業中止を強く要求

本日2018年3月23日(金)時点のビットコイン情報をお届けします。
15時頃のビットコイン価格は、888,000円前後(時価総額:約15.04兆円)です。

昨日の同時刻帯より7万円ほど安い水準です。
日本時間3月22日午後6時頃、取引高世界最大を誇る香港の取引所バイナンスに対し、無登録のまま国内で営業しているとして金融庁が営業を中止するよう警告を出すとの日経新聞報道により、警戒感から急落しました。

本日の記事では、金融庁が営業中止を求める警告を出したバイナンス社の状況と、3月8日に行政処分を受けた7社が改善計画書を提出し、コインチェックが2通貨の決済・出金を再開したニュースを取り上げたいと思います。

 

【1】金融庁、世界最大の取引所バイナンスに国内営業中止を求める警告

金融庁は本日3月23日付で、無登録のまま国内で営業しているとして、世界最大の取引高を誇る香港の取引所Binance(バイナンス)に対して営業を中止するよう改正資金決済法に基づく警告を出しました。

無登録であることに加え、日本人が口座開設する際に適切な本人確認をしていなかった点や、匿名性の高い仮想通貨を複数取り扱い、マネーロンダリング対策も不十分であったことが問題視されており、更にはWebサイトを日本語対応にするなど積極的に営業していた姿勢が悪質と判断され、警告後も国内での営業を中止しない場合、金融庁は警察当局などと連携して刑事告発する、と日経新聞は相当強いニュアンスで報じています。

金融庁|無登録で仮想通貨交換業を行う者について(Binance)

www.nikkei.com

 

バイナンスは、世界最大級の仮想通貨ウォレット運営会社「Blockchain.info」や中国最大の取引所だったOKCoinなど、有名な仮想通貨企業の技術部門をリードしていたジャオ・チャンポン氏が2017年7月に設立したばかりの新興企業ですが、約120種類と取り扱う仮想通貨の豊富さや使い勝手の良さ、マーケティング施策の成功で、利用者数は既に世界600万人に達しているほか、集計サイトの情報では直近24時間の取引高が16億ドル超と、2位以下を大きく突き放して断トツ1位となっています。

24 Hour Volume Rankings (Exchange) | CoinMarketCap

 

2018年2月末発売のフォーブス米国版の表紙を飾ったジャオ氏は、インタビューの中で利用者は米国人38%に続き、日本人が2番目に多いと語っていることから、数十万〜100万人規模の日本人利用者がいると推測されます。

forbesjapan.com

 

バイナンスがここまで急激に成長した背景には、新規顧客の紹介者に手数料の一部をキックバックするアフィリエイト制度の存在が大きく、SNSやブログなどでインフルエンサー(多数のフォロワーを持つなど周囲への影響力が大きい人)がこぞって同社の口座開設を促す状態が続いていました。

同社が直接的に広告などの営業活動をしなくても、既存の日本人利用者による勧誘行為が後を絶たない現況を、金融庁が重く見た可能性もありそうです。

 

同社は一時期、日本に事務所を設けて金融庁登録を目指していましたが、ハードルの高さから途中で取り止めた模様で、今年1月には金融庁からの指摘が入ったためか、Webサイトの日本語対応も突然削除していました。

今からバイナンスが再び金融庁登録を目指す展開は考えづらく、日本の金融庁・警察当局の権限が香港拠点の企業に対してどこまで及ぶかが不透明の中、既存の日本人利用者への対応も含めて、バイナンス側の出方に注目が集まります。

 

【2】行政処分7社が改善計画書を提出、コインチェックは2通貨の凍結を解除

3月8日に業務改善命令、業務停止命令を受けたコインチェックなど取引所運営会社7社が、提出期限の昨日22日に業務改善計画書を金融庁に提出しました。

金融庁は提出書類を基に次の対応を決めることになり、不十分と判断された場合は追加処分が出される可能性があるため、当面は動向を見守る必要がありそうです。

www.sankeibiz.jp

業務改善命令(3/8〜)
  • テックビューロ社
  • GMOコイン社
  • コインチェック社(みなし業者)
  • バイクリメンツ社(みなし業者)
  • ミスターエクスチェンジ社(みなし業者)
1ヶ月間の業務停止命令(3/8〜)
  • ビットステーション社(みなし業者)
  • FSHO社(みなし業者)

 

また同日、コインチェックは1月26日以降凍結していたアルトコイン7種類のうち、リスク(LSK)とファクトム(FCT)の決済・出金を再開すると発表しました。
3月12日にアルトコイン5種類の凍結を解除して以来の措置となります。

残る5種類のうち、流出事故を起こしたネム(XEM)の取扱再開は考えづらく、匿名性が高いモネロ(XMR)、ジーキャッシュ(ZEC)、ダッシュ(DASH)は、金融庁の意向により取り扱い中止が確定と見られており、ギャンブルのような仕組みを持つオーガー(REP)も今回解除対象とならなかったことで取り扱い中止の可能性が高まってきました。

corporate.coincheck.com

いまだ解除されていないもの(コインチェック)
  • 新規口座開設
  • アルトコイン全ての新規取引
  • モネロ(XMR)の決済取引、出金
  • オーガー(REP)の決済取引、出金
  • ジーキャッシュ(ZEC)の決済取引、出金
  • ネム(XEM)の決済取引、出金
  • ダッシュ(DASH)の決済取引、出金

 

金融庁が認める仮想通貨の種類が限定されてきたことは、バイナンスのような国内以上に幅広い仮想通貨を上場している海外取引所が、日本で正規の登録を得るインセンティブをより減退させることになりそうです。

ただ、世界最大の資本力を有する米コインベースは日本の取引所以上に取扱通貨を限定(4種類のみ)している事実もあり、国内の取引所は取扱通貨の豊富さではなく、安心・快適など別のメリットを訴求していく必要がありそうです。

 

本日、こちらからは以上です。

 

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。