本日2018年5月16日（水）時点のビットコイン情報をお届けします。
15時頃のビットコイン価格は、914,000円前後（時価総額：約15.57兆円）です。
昨日の同時刻帯より5万円ほど安い水準です。
不安定な値動きが続く中、日本時間5月15日23時台より売り優勢の展開となり、同16日11時台には8,100ドル前後まで下げました。
本日の記事では、NY州金融サービス局が米大手仮想通貨取引所ジェミニに対して日本では金融庁に睨まれている匿名性の高い仮想通貨Zcashの取扱認可を出したというサプライズや、仮想通貨事業で大幅な利益を計上した東証2部上場リミックスポイントの決算内容について取り上げたいと思います。
【１】米大手取引所ジェミニ、NYDFSの認可を得てZcashの取扱開始へ
ウィンクルボス兄弟が経営する米大手仮想通貨取引所ジェミニが、NY州金融サービス局（NYDFS）の認可を得て、匿名性の高い仮想通貨の一つであるZcash（ジーキャッシュ）の取引を開始することが明らかとなりました。
ジェミニはNYDFSからNY州での仮想通貨事業免許「ビットライセンス」を取得している数少ない取引所の一つです。
Zcashは、Dash（ダッシュ）やMonero（モネロ）と並んで、金融庁からは「匿名3兄弟」と称されるなど、匿名性の高い仮想通貨として知られており、国内ではコインチェックが唯一取り扱っていました。
そのコインチェック（＝マネックス）も、マネーロンダリング等への悪用を懸念する金融庁の厳しい視線を受けて今後取扱を中止する方針と見られています。
そのようなネガティブな情勢下で、NY当局の認可を得てジェミニがZcashの取扱を堂々と開始することが伝わったため、Zcashの価格は急騰しました。
Zcash (ZEC) price, charts, market cap, and other metrics | CoinMarketCap
ジェミニはZcashの取り扱いに際して、出金先を匿名性のないアドレス宛に限定するなど一定の対策を取るとしたことで、当局からの認可を得た模様です。
今回のNYDFSの判断は、今後他州や各国の規制方針にも影響を及ぼしそうです。
【２】東証2部上場リミックスポイントが仮想通貨事業で大幅利益
東証2部上場のリミックポイントが15日の大引け後、2018年3月期の決算短信を発表し、予想を大幅に上回る好決算となったことで市場の注目を集めています。
連結子会社の仮想通貨取引所ビットポイントの売上高が45億円、営業利益が37億円に達し、連結の営業利益は34億円、親会社に帰属する当期純利益は約23億円となりました。
前期は4,200万円の赤字で、当期も仮想通貨事業を除けば赤字確実だっただけに、仮想通貨ビジネスが運命を変えた代表的な上場企業と言えます。
さすがに営業利益537億円のコインチェックとは顧客規模が違うために比べられないものの、予想以上の好決算を受けて、株価は本日朝からストップ高気配で寄り付かない状況です。
リミックスポイント｜平成30年３月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
注目したいのは、仮想通貨が相場のピークを付けた2017年12月を含む第3四半期まで仮想通貨事業の売上高は10億円、営業利益は6億円に留まっており、相場が大きく下げた第4四半期で大半の利益を稼ぎ出しているという点です。
2017年12月末時点で顧客からの預り金は38億円、仮想通貨預り金は70億円ありましたが、2018年3月末時点ではそれぞれ19億円、43億円とほぼ半減しており、評価レートの暴落と、決済分の出金が重なった影響が大きいと見られます。
一方、仮想通貨の自社保有額は71億円⇒46億円と同様に目減りしているものの、「投資その他の資産」の敷金及び保証金は23億円⇒45億円と大きく積み増しており、外部取引所での取引量を急増させている様子が伺えます。
リミックスポイント｜平成30年３月期 第３四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
コインチェックはアルトコインの幅広いスプレッドで収益を稼ぎ出すビジネスモデルでしたが、ビットポイントの場合は対顧客取引のスプレッド収益、カバー取引での差益に加えて、自己トレーディング収益も大きかったのではと推測できそうです。
先行他社とは異なる収益構造であるため、顧客資産が減少した今期以降も高収益を継続して稼ぎ出せるか、注目したいところです。
本日、こちらからは以上です。
