本日2018年8月24日(金)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は、723,000円前後(時価総額:約12.46兆円)です。
昨日の同時刻帯より1万円ほど高い水準です。
米SECがプロシェアーズなど3社が申請するビットコインETFを拒否して急落しましたが、日本時間23日午前に下げ止まり、再びじりじりと値を上げてきました。
本日の記事では、中国が海外取引所へのアクセス制限を大幅に拡大するなど仮想通貨に対する規制を更に強めてきたことや、米SECが22日に下したビットコインETF拒否の決定を、翌23日に一転、再審査すると異例の通知を出すに至った背景を取り上げたいと思います。
【1】中国が規制強化、海外取引所へのアクセス制限を大幅拡大
中国当局は仮想通貨取引やICOについての規制を更に強める方針を明らかにしました。
中国国外にサーバーを置く124の仮想通貨関連サービスについて、IPアドレスを特定してアクセスを不可とするなどの対処を行なう予定であるほか、決済サービス業者に対しては監視を強化して仮想通貨ビジネスを行なわないよう指導していくとのことです。
中国では昨年9月の規制強化でICOが全面禁止され、取引所も全て閉鎖に追い込まれたものの、海外の取引所を利用する国民が多かったため、BinanceやBitfinexなど大手海外取引所へのアクセスはグレートファイアウォール(金盾)で既に制限されていたとみられます。
ただ、新興サービスが次々と登場したり様々な抜け道が残っていたため、今回アクセスを制限する対象を大幅に拡大する決断に至ったようです。
このニュースに先立ち、中国ではテンセントが提供するWeChatで仮想通貨関連のアカウントが閉鎖される事例が相次いでいると報じられており、また北京の朝陽区では全てのホテルやショッピングセンター、オフィスに対して仮想通貨関連のイベントを開催することを禁じる声明が出されました。
中国メディア関係者は今回の規制強化の背景に、7月に勃発した米中貿易戦争が影響している可能性を指摘し、貿易戦争により経済情勢悪化を懸念した富裕層が仮想通貨を使って資産を海外に移そうとする動きを牽制するためではないかとの見方を示しています。
【2】ビットコイン拒否決定から一転、SECが異例の再審査実施へ
米証券取引委員会(SEC)は22日、プロシェアーズ、グラナイトシェアーズ、ディレクシオンが申請していたビットコインETF9種類を全て拒否すると発表しましたが、翌23日にはその決定をSECが改めて判断を下すまで保留扱いにするという異例の通知を出しました。
ウィンクルボス兄弟が申請するビットコインETFが拒否された際も、審査を担当するSECのコミッショナーの一人であるHester Pierce氏が、SECはビットコインの方向性を評価する立場になるべきではないとETF承認に肯定的な姿勢を示しており、今回も同氏の異議により異例の再審査に至ったようです。
可否判断はコミッショナーの過半数の票により決定されるため、再審査で判定が覆る可能性は低そうですが、SEC内部も一枚岩ではないことを改めて強調することになりました。
ビットコイン相場は3社が申請するビットコインETFの拒否を既に消化したため、再審査でSECが改めて拒否する決定を下しても相場に与える影響は軽微とみられる一方、今回の異議・再審査の流れの中、拒否する理由に何らかの付け足しがされるかどうかにも注目したいところです。
本日、こちらからは以上です。