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中国人民銀、デジタル人民元の発行に向けた法改正成案を発表|ノボグラッツ氏、ペイパルの仮想通貨サービス参入は「ウォール街変える」

本日2020年10月26日(月)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,370,000円前後(時価総額:約25.38兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べてほぼ横ばいの水準です。
週末のビットコインは買い優勢の流れが継続し、日本時間25日9時頃に一時13,363ドルまで上昇し、年初来高値を再度更新。その後は、2019年の最高値(13,880ドル、BITSTAMPレート)が意識される中、利益確定売りなどに押されたものの、13,000ドル付近では底堅さを見せています。

本日の記事では、デジタル人民元の発行に向けた中国の法改正の動きや、2019年7月以来の13,000ドル台回復でビットコインの先高期待が膨らむ中、各所から聞かれている強気コメントを取り上げたいと思います。

 

【1】中国人民銀、デジタル人民元の発行に向けた法改正成案を発表

中国人民銀行(PBoC)は今月23日、デジタル人民元の発行に向けた人民銀行法改正案を発表しました。PBoCは改正案について、11月23日までパブリックコメントを募集するとしています。

改正案では、人民元の発行形式について「物理的形式とデジタル形式の両方が含まれる」と規定し、デジタル人民元の発行に法的根拠を付与。2022年2月の北京冬期五輪までの発行を目指す中、開発競争だけでなく法整備でも日米欧をリードする形となっています。

一方で、「個人または企業・団体が、人民元の流通を代替するトークンを製造・発行してはならない」とも規定。また、仮に違反した場合、PBoCはトークンの発行で得た利益を押収し、その押収した利益額の最大5倍の罰金を科すことができるようにするようです。

こうした規制の背景には、デジタル人民元と共に民間のデジタル通貨が市中に出回ることで、金融政策による貨幣流通量のコントロールが難しくなる懸念があると見られます。また、これにより人民元を裏付け資産とする民間のステーブルコインを中国国内に流通させるのが困難となるため、米Facebookが発行を計画している「リブラ」などをけん制し、海外への資産流出を防ぐ狙いもあると考えられます。

coinpost.jp

【2】ノボグラッツ氏、ペイパルの仮想通貨サービス参入は「ウォール街変える」

米ソフトウェア企業マイクロストラテジーや、米決済スタートアップ企業スクエアによるビットコインを大量に購入し、米決済大手ペイパルが仮想通貨サービスへの参入を発表するなど、長期的にポジティブな材料が続く中、仮想通貨肯定派からは強気なコメントが相次いで聞かれています。

米仮想通貨投資会社ギャラクシー・デジタルの創設者マイケル・ノボグラッツ氏はこのほどCNBCとのインタビューの中で、ペイパルによる仮想通貨サービスへの参入は「ウォール街を変える1発の銃声」との見解を示しました。

アプリを通じて決済・預金・送金など実質的な銀行機能を提供しているペイパルは、世界に約3億4600万ユーザーと2600万以上の加盟店を有しており、その預金規模は全米で20番目に大きい「銀行」に相当します。

その影響力の大きさから、「モルガン・スタンレーやゴールドマンサックス、バンク・オブ・アメリカといったウォール街の大手金融機関の幹部も、どのように仮想通貨業界に参入するか話し合うことになるだろう」と指摘。

「今後10年かけて、アメリカの金融インフラは再構築される」との見方を示しています。

coinpost.jp

また、大手仮想通貨取引所Gemini(ジェミナイ)の創業者であるウィンクルボス兄弟は23日、金(ゴールド)の時価総額などから、ビットコインが最終的に50万ドルに達するとの予測を示したうえで、「問題は50万ドルに達するかどうかではなく、どれだけ早くそれが実現されるかということだ」とコメントしています。

さらに、マイクロストラテジーなどのような準備資産としてビットコインを購入する動きを、「全てのフォーチュン100やフォーチュン500の企業、あるいは中央銀行がそれを行ったら開始したらどうなるだろうか?」と指摘。

ウォール街もまだ仮想通貨業界には参入してきていないため、現在のビットコイン市場は野球に例えればまだ1回裏の状況であり、1BTC=50万ドルという予測はかなり保守的だとの見解を示しています。

www.youtube.com

その他、ヘッジファンド業界の大物ポール・チューダー・ジョーンズ氏も22日に出演したCNDCの経済番組Squawk Boxで、「ビットコインは価格上昇の初期段階にあり、まだまだ成長の余地がある」との見解を示しました。

ジョーンズ氏は、「(ポートフォリオの)1桁パーセント台」のビットコイン投資を行っていることを改めて認めたうえで、投資を決断したときよりも現在の方がより魅力を感じていると語っています。

また、ビットコイン投資を推奨する理由として、「ゴールドやTIPS(米国物価連動国債)、銅、右上がりのイールドカーブのようなインフレ・トレード戦略のひとつであり、その中でもビットコインが最も優秀なインフレ・トレードになるという結論に至ったため」と説明しています。

なお、ジョーンズ氏は「ビットコインはその価値を信じる本当に優秀な人々に支えられて発展してきた。ビットコイン投資は、スティーブ・ジョブズ氏やアップル、グーグルへ投資することに似ている」との自論も披露しています。

www.cnbc.com

本日、こちらからは以上です。

 

米決済大手ペイパルが仮想通貨売買に参入、来年には決済対応も|米通貨監督庁トップ、「DeFiが銀行ビジネスを代替する可能性」

本日2020年10月22日(木)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,335,000円前後(時価総額:約24.72兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べて約55,000円高い水準です。
米決済大手ペイパルの仮想通貨売買サービスへの参入報道などを好感し、ビットコインは日本時間22日8時頃に一時13,235ドルまで上昇し、年初来高値を更新しています。

本日の記事では、米決済大手ペイパルの仮想通貨サービスへの参入の話題や、米通貨監督庁(OCC)のトップが語った銀行ビジネスの将来についての見解を取り上げたいと思います。

 

【1】米決済大手ペイパルが仮想通貨売買に参入、来年には決済対応も

米決済大手ペイパルは21日、自社アプリ内で仮想通貨を売買できるサービスを開始することを発表しました。

数週間以内にアメリカのユーザー向けにサービスを開始し、2021年の初めには世界のペイパル加盟店2600万店以上で仮想通貨での決済が行えるようにするとしています。また、同上半期には傘下の個人間送金アプリ「Venmo (ベンモ)」でも仮想通貨の売買を可能にする予定であるほか、米国外にもサービスを拡大させていく考えのようです。

ペイパルが取り扱う仮想通貨は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)の4銘柄。ユーザー側はペイパルアプリ内のウォレットを通じて仮想通貨の売買や保管、決済が可能で、店舗側はペイパルを介して換金された法定通貨を受け取る仕組みとなるとしています。

ペイパルのダン・シュルマンCEOは、「デジタル通貨への移行は避けられず、金融包摂やアクセス、効率性、スピード、政府による市民への迅速な給付といった能力の点で明らかに利点がある」と指摘。そのうえで、「世界中の中央銀行や規制当局と協力し、グローバルな金融と商業の将来においてデジタル通貨が果たす役割の形成に貢献していきたい」と述べています。

世界に約3億2500万ユーザーを抱えるペイパルの参入は、仮想通貨の普及を大きく後押しする可能性があるため、業界関係者からは歓迎の声が多く聞かれており、米仮想通貨投資会社ギャラクシー・デジタルの創設者マイケル・ノボグラッツ氏は、「今年最大のニュース。我々はもうルビコン川を渡った」などと興奮気味に語っています。

www.nikkei.com

【2】米通貨監督庁トップ、「DeFiが銀行ビジネスを代替する可能性」

連邦法免許を受けて営業する国法銀行に対して監督権限を有する、米通貨監督庁(OCC)のブライアン・ブルック監督官はこのほど、電子メールが郵便サービスを破壊したように、そう遠くない将来、銀行ビジネスがDeFi(分散型金融)のような非中央集権モデルに取って代わられる可能性があるとの見解を示しました。

ブルックス氏は、銀行がいまだに「プレテクノロジー時代」にあると指摘。一方、ブロックチェーンのような分散型ネットワークは、集中型構造よりも安価かつ高速で、復元力も高いとしたうえで、「我々は非中央集権化が止められない力となる未来を見るだろう。銀行が決済ネットワークとして直接ブロックチェーンのノードを運用する未来も容易に想像できる」などと語っています。

また、電子メールが郵便サービスに取って代わり、アグリゲーター(仲介役)なしで直接メッセージのやりとりができるようになったのを引き合いに出しながら、特に預金や融資の分野では、DeFiのような非中央集権的なプロトコルにビジネスモデルを崩される可能性があると指摘。

「人間には金融サービスが必要であるものの、銀行は必要ではない」とし、中央機関の存在しないP2P(ピアツーピア)の取引が中心となるDeFiの普及が、仲介役としての銀行の価値は低下させていくと見ているようです。

以前に大手仮想通貨取引所コインベースで最高法務責任者(CLO)を務めていた経歴があるブルックス氏ですが、銀行を監督する機関のトップの発言としては刺激的な発言と言えます。

一方、ブルックス氏はブロックチェーン技術だけでは解決できない「物理的資産の管理」や「信託」などの分野に、銀行にとっての活路があると指摘。法定通貨にペッグするステーブルコインは利便性や利用率が高いため、銀行がその裏付け資産を保管するサービスを提供することが重要になってくると見ているようです。

jp.cointelegraph.com

本日、こちらからは以上です。

 

パウエルFRB議長、CBDCの発行は「早さより正しくやることが重要」|取引所BTC残高の減少が加速、長期思考の投資家が拡大か

本日2020年10月20日(火)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,238,000円前後(時価総額:約22.92兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べて約35,000円高い水準です。
特段の材料はないものの、ビットコインは買い優勢の展開となり、日本時間20日1時頃に11,840ドルまで上昇し、9月2日以来の高値を記録。コロナショック以降、米株式市場との相関性は上昇傾向にあったものの、この日は軟調な米株式市場とデカップリングした動きとなっており、強気相場入りを期待する声も聞かれています。

本日の記事では、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に対するパウエルFRB議長の見解や、減少傾向が続く取引所のビットコイン残高について取り上げたいと思います。

 

【1】パウエルFRB議長、CBDCの発行は「早さより正しくやることが重要」

米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は19日、国際通貨基金(IMF)が開催した国際送金に関するパネルディスカッションに参加し、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行には依然として慎重な姿勢であることを明らかにしました。

CBDCを巡っては、中国が米ドル覇権を脅かすべく開発競争をリードしている状況ですが、パウエル議長は「アメリカが早くCBDCを発行することよりも、正しくやることが重要だと考えている」とし、他国に先を越されることは問題ではないとの認識を披露。

米ドルは世界の基軸通貨であるため、CBDCのメリットの部分だけでなく、リスクにもしっかりと目を向けなければならず、「我々はまだやらなければいけないことがたくさんある」と述べています。

パウエル議長はCBDCのリスクとして、「サイバー攻撃や詐欺行為」「金融政策と金融の安定性への影響」「不正行為を防ぎつつプライバシーやセキュリティを守れるか」の3つを例示。これらは単純な問題ではなく、包括的な対策を講じる必要があるとしています。

一方で、CBDCのメリットとしては決済をより早く、安価に行える可能性がある点だと指摘。既存の決済インフラが抱える問題を改善することで、従来の金融サービスを受けられていない顧客層にもリーチすることができる可能性があるとしています。

ただパウエル議長は、国民の現金需要が高く、電子決済システムにもほぼ全ての国民がすでにアクセスできているアメリカにとって、そもそもCBDCは必要なのかとの疑問も持っているようです。

jp.cointelegraph.com

【2】取引所BTC残高の減少が加速、長期思考の投資家が拡大か

コロナショック以降、取引所のビットコイン残高の減少傾向が鮮明となっています。仮想通貨データ企業Glassnodeによると、2020年2月11日に約297万BTC(約3.7兆円)と過去最高の水準に達した取引所のビットコイン残高は、同9月19日には約260万BTC(約3.2兆円)にまで減少し、2018年11月以来の低水準を記録しています。

こうした背景には、投資家がビットコインを長期保有する傾向が強まっている可能性があると考えられます。

機関投資家や大口の個人投資家は、セキュリティなどの観点から取引所で購入したビットコインをそのままにはせず、カストディ機関や外部ウォレットに移すのが一般的です。

こうした投資家は、売却を考えている時に外部ウォレットから取引所にビットコインを移動させることになりますが、取引所から一貫して流出が続いている現在の状況は、短期的な売却の意思が低く、ビットコインを蓄積させている段階であることの表れと言えます。

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取引所のBTC残高とBTC価格の推移(Glassnodeより)

実際Glassnodeによると、2回以上のビットコインの受金記録があり、それを一度も動かしたことがない「蓄積アドレス」に保管されているビットコインは増加傾向にあり、全供給量の約14%に当たる260万BTCが保管されているといいます。

各国が大規模な財政支出や金融緩和を実施し、将来的なインフレや法定通貨の価値低下が懸念される中、米ソフトウェア企業のマイクロストラテジーや米決済スタートアップ企業のスクエアのように、一般企業が長期的な視点で現金をビットコインに変える動きも出始めています。

長期思考の買い手の増加は、売り圧力の低下にも繋がるため、ビットコイン価格にはポジティブに働くことが期待できそうです。

 

本日、こちらからは以上です。

 

OKExが出金停止を発表、秘密鍵管理者の拘束で認証できず|ZOZO創業者の前澤氏、仮想通貨取引所幹部らと電子決済事業立ち上げへ

本日2020年10月19日(月)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,205,000円前後(時価総額:約22.31兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べてほぼ横ばいの水準です。
週末のビットコインは、大手仮想通貨取引所OKExによる出金停止措置を受けて、一時急落する場面が見られたものの、概ね11,300ドル~11,500ドル程度の狭い値幅での動きに終始しました。

本日の記事では、OKExの出金停止措置の背景や、衣料品通販大手ZOZOの創業者である前澤友作氏の新事業立ち上げを巡る話題を取り上げたいと思います。

 

【1】OKExが出金停止を発表、秘密鍵管理者の拘束で認証できず

世界最大級の仮想通貨取引所であるOKExは16日、全ての仮想通貨銘柄の出金を一時停止したことを発表しました。

出金停止の理由についてOKExは当初、仮想通貨ウォレットの秘密鍵管理者の1人が中国の警察当局の調査に協力しているため連絡が取れず、関連する認証作業を完了できないためと説明。その後、現地メディアの報道により、警察に拘束されているのがOKExの創設者ミンシン・シュー氏であることが伝わっています。

なお、本件の第一報を受けて、ビットコインは約30分で3%ほど急落する場面があったものの影響は限定的で、週明けにかけて下げ分をほぼ回復しています。

OKExは、「出金以外のサービスは正常に稼働しており、全ての顧客資産が安全であることを保証する」としたうえで、秘密鍵管理者が取引を承認できるようになり次第、出金を再開する予定だと説明しています。ただ、現在のところまだ再開の目途は立っていないようです。

OKExは元々、中国の三大取引所の一角でしたが、2017年に中国当局が規制を強化したことを受けて、中国国内向け取引所OKCoin.cnを閉鎖。その後、マルタに本社を移し、OKExとしてグローバル展開を進めています。

一方で、中国人投資家向けにOTC取引やP2P取引などの提供を継続していることから、中国政府としてはグレーな存在となっており、目を付けられやすい立場にあったと言えます。

coinpost.jp

【2】ZOZO創業者の前澤氏、仮想通貨取引所幹部らと電子決済事業立ち上げへ

日本の複数メディアは16日、衣料品通販大手ZOZOの創業者である前澤友作氏が、フィンテックを活用した電子決済サービスに関する新事業を近く立ち上げると報じました。

新事業は昨年9月にZOZOの社長を退任した後に新設した「スタートトゥデイ」の主力事業とする考えで、日本有数の知名度を誇る起業家の「第2の創業」には大きな注目が集まることになりそうです。

this.kiji.is

現在のところ新事業の具体的な内容は明らかとなっていないものの、報道では大手仮想通貨取引所の幹部が参画するとされているため、将来的に仮想通貨やブロックチェーンに関連した電子決済サービスに発展するのではないかと期待されています。

なお、今月3日には前澤氏が自身のTwitterで、新事業立ち上げのための求人募集を告知。その中では、事業目的を「お金に困る人をゼロにする」、事業内容を「お金配りのその先へ。複数の決済サービスと独自通貨圏創造」としています。

前澤氏と言えば、ZOZOの社長退任後にTwitterで行っている毎日10万円を10名に配る「お金配り活動」が大きな話題を呼んでおり、フォロワー数は国内最多の1058万人に達しています。

前澤氏のお金配り活動に対して、世間では「金持ちの道楽」「承認欲求を満たすため」などと揶揄する声も多く挙がっていましたが、ひょっとしたらこの活動も新事業に向けた種まきだったのかもしれません。

なお、すでに一部報道では仮想通貨取引所「ディーカレット」の白石陽介最高技術責任者(CTO)が、11月から新事業に参画するとも伝わっています。豊富な資金と優れた人脈や影響力を持つ前澤氏の新事業だけに、今後も様々な人材が集まると見られ、その顔触れも注目されそうです。

 本日、こちらからは以上です。

 

米資産運用大手フィデリティ、「BTCと他の金融資産に相関性なし」|米銀大手JPモルガン、BTC市場は短期的に「適度な逆風」に直面

本日2020年10月15日(木)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,198,000円前後(時価総額:約22.18兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べてほぼ横ばいの水準です。
手掛かり材料に乏しい中、ビットコインは概ね11,400ドルを中心とした狭いレンジ内で方向感に欠ける動きが続いています。

本日の記事では、米資産運用大手フィデリティと米銀行大手JPモルガンチェースのビットコイン市場に関する分析を取り上げたいと思います。

 

【1】米資産運用大手フィデリティ、「BTCと他の金融資産に相関性なし」

米資産運用大手フィデリティ・インベストメンツの仮想通貨関連子会社フィデリティ・デジタル・アセット(FDA)が、ビットコイン投資に関するレポートを公表しました。

レポートでは、2015年1月~2020年9月におけるビットコインと他の金融資産(米株式、米債券、REIT、金など)との相関係数は平均0.11となっており、他の資産との相関性はほぼないと指摘。

相関係数とは2種類のデータ間の関係性を示す指標で、-1~1までの値を取ります。「-1」に近ければ近いほど負の相関(一方が増加するともう一方は減少)が強く、「1」に近ければ近いほど正の相関(一方が増加するともう一方も増加)が強い
ことを表します。また、「0」の場合、無相関(一定の関係性がない)を意味します。

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BTCと他金融資産の相関係数(フィデリティより)

相関性が低い理由のひとつとしてFDAは、従来の金融資産と異なり、TwitterなどのSNSやYoutubeがビットコインの普及を促進していることがあると指摘。Twitter上の肯定的または否定的な投稿を調査し、1日のセンチメントをスコア化した、仮想通貨データ分析企業The TIE(ザ・タイ)のデータによると、ビットコインの価格変動は概ねTwitter上でのセンチメントの変化と一致しているといいます。

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BTCの価格変動とSNS上でのセンチメント変化の比較(フィデリティより)

そのうえでFDAは、他資産と相関性の低いビットコインをポートフォリオに加えることで多様化を図れるため、ポートフォリオの5%をビットコインに振り向けることを推奨しています。

ただ、伝統的な金融機関や機関投資家のポートフォリオにビットコインが組み込まれるにつれ、他の金融資産との相関性が高まる可能性があるとも指摘しています。

実際、機関投資家などがほとんど参入していなかった2018年10月頃に、米株式市場が20%超の調整局面を迎えた際、ビットコインはその動きに無反応だったものの、参入が本格化し始めていた今年3月のコロナショックの際には米株式市場と同じように暴落しています。

この時には、ビットコインの方が株式市場よりも下落が遅く始まり、逆に反発が始まるのは早かったことから、株式市場などで発生した追証の支払いのためにビットコインも換金されたと見られています。

本質的には相関関係のある資産ではなかったとしても、プレイヤーが同じであれば少なからず影響は受けることは頭に入れておきたいところです。

【2】米銀大手JPモルガン、BTC市場は短期的に「適度な逆風」に直面

米銀行大手のJPモルガンチェースはこのほど、ビットコイン価格に関する分析とその展望を発表し、ビットコインは短期的に「適度な逆風」に直面するとの見解を示しました。

JPモルガンは、ビットコイン先物市場のポジショニング指標と本質的価値を基に、現在のビットコイン価格を分析。9月の下落でバブル感は排除されたものの、依然として先物市場ではロングポジションが過剰な状態にあり、現在のビットコイン価格は本質的価値より約13%割高な水準にあると見ています。

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BTCの市場価格と本質的価値(JPモルガンチェースより)

JPモルガンはビットコインの本質的価値について、マイニングのために投入される計算リソースや電力を基に算出しています。

ただ、短期的には下落局面を迎える可能性があるとする一方で、長期的には米ソフトウェア企業のマイクロストラテジーや米決済スタートアップ企業のスクエアが大量購入を行ったように、企業からの需要がポジティブに働くと見ています。

今月、スクエアがビットコインの大量購入を行った際、JPモルガンのアナリストは、「ビットコインの将来への強い支持表明」だと指摘。そのうえで、「他の決済企業がスクエアの後を追うことが考えられる。そうしなければ、この成長分野から締め出されるリスクを負うことになる」とコメントしています。

www.bloombergquint.com

本日、こちらからは以上です。

 

米資産運用会社ストーンリッジ、1億ドル相当のBTCを購入|G7がCBDC導入に必要な3要素を明示、先行する中国をけん制

本日2020年10月8日(木)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,205,000円前後(時価総額:約22.31兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べてほぼ横ばいの水準です。
ビットコインは米ハイテク株の堅調な動きなどが追い風となり、日本時間13日6時頃に一時11,731ドルまで上昇。ただ、その後は11,400ドル付近へと押し戻され、ほぼ往って来いとなっています。

本日の記事では、米資産運用会社ストーンリッジによるビットコイン購入の話題や、G7がまとめた中央銀行デジタル通貨(CBDC)に必要な3要素について取り上げたいと思います。

 

【1】米資産運用会社ストーンリッジ、1億ドル相当のBTCを購入

100億ドル以上の運用資産残高を誇る米大手資産運用会社ストーンリッジ・ホールディングス・グループは13日、10,000BTC(約121億円)以上を購入したことを発表しました。

発表によると、今回のビットコインの購入は顧客の運用資産を充てたものではなく、財務戦略の一環として自社の準備資産で行われたもので、子会社のニューヨーク・デジタル・インベストメント・グループ(NYDIG)がカストディを務めるといいます。

ストーンリッジはビットコイン購入の理由として、世界的に裏付けのない紙幣印刷が進み、実質金利もマイナスとなる中、その不利益をヘッジするためだと説明しています。

www.prnewswire.com

新型コロナウイルスの流行によって、大規模なバラマキ政策や金融緩和が進められる中、ここ数ヵ月でポートフォリオの見直しによって米企業がビットコインを購入する事例が目立ち始めています。

今年8月~9月頃にかけては、米NASDAQ上場ソフトウェア企業のマイクロストラテジーが、財務戦略の一環として計38,250BTCを購入。また、今月8日にはTwitterのジャック・ドーシーCEOが率いる米決済スタートアップ企業のスクエアが、同社の総資産の1%(5,000万ドル)に相当する4,709BTCを購入したことを発表しています。

「bitcointreasuries.org」がまとめた上場会社のビットコイン保有状況を見ると、企業が保有するビットコインは総供給量の2.86%に当たる約64億ドル相当に上っています。

現時点ではビットコイン投資信託(GBTC)を提供するグレイスケールがその多くを占めていますが、今後もマイクロストラテジーやスクエア、ストーンリッジのように自社のポートフォリオの見直しに動く企業は拡大すると見られ、5兆ドルとも言われる米上場企業の現預金の取り込みが期待されます。

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上場企業のビットコイン保有状況(bitcointreasuries.orgより)

【2】G7がCBDC導入に必要な3要素を明示、先行する中国をけん制

先進7ヶ国(G7)の財務相・中央銀行総裁会議は13日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を巡って、法の順守や透明性、健全な経済ガバナンスという必要な3つの要素を明示した共同声明をまとめました。

麻生太郎財務相は記者会見で、「中国の透明性は大丈夫かという話。どなたでも条件を満たしていない限りはだめだと理解してほしい」とCBDCの利用におけるプライバシー問題を指摘し、中国を念頭においた声明であることを示唆。

また、日本銀行の黒田東彦総裁も、「G7以外の国もCBDCを発行するならば透明性などを備えた形で発行する必要がある。そうでないと国際金融システムに影響が出かねず問題が生じると注意喚起した」と説明しています。

coinpost.jp

中国では深セン市民のうち抽選に当たった5万人に一人当たり200元(約3,000円)分のデジタル人民元を配布し、10月12日~18日まで同市羅湖区の3000以上の商店で使用する実証実験が行われるなど、デジタル人民元の導入に向けた準備が着々と進んでいます。

一方で、デジタル人民元の取引データは中銀に筒抜けになるため、中国政府によって国家体制の維持や国民の行動把握などに利用されることが懸念されています。

jp.cointelegraph.com

本日、こちらからは以上です。

 

米仮想通貨ヘッジファンドのPantera、DeFi銘柄への投資を重視|米宇宙旅行会社Virgin会長、「BTCの値動き気にする必要ない」

本日2020年10月8日(木)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,127,000円前後(時価総額:約20.86兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べてほぼ横ばいの水準です。
ドナルド・トランプ米大統領がTwitterで、大統領選が終わるまで追加経済対策の協議を停止するよう指示したことを明かしたのを嫌気し、ビットコインも一時売りが強まる場面があったものの、概ね10,500ドル~10,800ドルの狭いレンジ内での値動きにとどまっています。

本日の記事では、米仮想通貨ヘッジファンド大手Pantera Capitalの投資戦略についての話題や、米宇宙旅行会社Virgin Galactic会長のビットコインに関する見解を取り上げたいと思います。

 

【1】米仮想通貨ヘッジファンドのPantera、DeFi銘柄への投資を重視

米仮想通貨ヘッジファンド大手Pantera Capital(パンテラ・キャピタル)は6日、オンラインイベントを開催し、その中で同社の投資戦略としてDeFi(分散型金融)関連銘柄への投資を重視していることを明かしました。

イベントの中でパンテラは、市場参加者の多くがビットコイン(BTC)やビットコインキャッシュ(BCH)ような価値の保存手段や決済手段として利用される銘柄への投資を重視していると指摘。現在の市場におけるウエイトは、価値の保存手段や決済手段として利用される銘柄が83%、DeFiやスマートコントラクトに関連した銘柄が17%になっているとしています。

一方で、自身はスマートコントラクトやDeFiに関連した銘柄への投資を重視していく考えを表明。2017年から運用している「Pantera Digital Asset Fund」のポートフォリオは、価値の保存手段や決済手段として利用される銘柄を26%、DeFiやスマートコントラクトに関連した銘柄を74%にしていく方針で、特にDeFiを重視するとしています。

DeFiについてはこの数ヵ月における急激な市場の拡大から、バブルを指摘する声も多く聞かれていますが、パンテラは「バブルではなく、金融の未来」だと主張しており、今後のさらなる成長を見込んでいるようです。

なお、今年9月にパンテラが投資家に送ったレターによると、運用ファンドの年初来(1~8月)のパフォーマンスは、「Pantera Digital Asset Fund」が+168%、「Pantera Long-Term ICO Fund」が+270%、「Pantera ICO Fund」が+323%、「Pantera Bitcoin Fund」が+61%となっています。

特に、「Pantera ICO Fund」はYFIやLUNA、DOT、AMPなどDeFi関連銘柄に多く投資しているため、昨今のトークン価格の急騰で大きな利益を上げたものと見られます。

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【2】米宇宙旅行会社Virgin会長、「BTCの値動き気にする必要ない」

元Facebookの幹部で、現在は米宇宙旅行会社Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)の会長を務めるチャマス・パリハピティヤ氏はこのほど、ビットコインの短期的な値動きを気にする必要はないとの見解を示しました。

米大手メディアCNBCの経済ニュース番組Squawk Box(スクワーク・ボックス)に出演したパリハピティヤ氏は、ビットコインを伝統的な金融システムに対するヘッジ手段として考えていると主張。

そのうえで、「ビットコイン価格を気にすればするほど、客観的な考え方はできなくなり、他の市場と連動しているように見えてくるだろう。しかし、現在の金融システムとは全く異なる理念に基づいており、根本的に違っている」との見解を示しています。

また、ビットコインへの投資を株式投資と同じ戦略で行うことには懸念を表明。そもそも相関性や関係性がないため、「株などをイメージしてビットコインの値動きに悩まされれば、最終的には失敗に繋がる」としています。

同氏はビットコインへの具体的な投資方法として、将来の予期せぬ出来事に対する保険として、ポートフォリオの1%をビットコインに振り向け、どこかにしまって気にしないでいることを推奨。

保険であるため、それを使う日が来ないことが望ましいものの、もし仮にその時が来てビットコインの価格が引き上げられれば、多くの人に富が再分配されるとしています。

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本日、こちらからは以上です。

 

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。