ビットコインの値動きや最新情報を、あなたに分かりやすく伝えたい

分かりやすさ重視で、技術的な説明は極力省きます。噛み砕きすぎて一部不正確だったり、解説に主観が交じったりもしますが、分かりやすさ重視のためとご理解ください。

世界的なビットコイン送金遅延で大混乱?|中国のグレートファイアウォールの脅威

本日2017年9月22日(金)時点のビットコイン情報をお届けします。
16時頃のビットコイン価格は、419,000円前後(時価総額:約6.95兆円)です。
材料難の中、日本時間9月21日(木)23時台から崩れ始め、レンジ相場を抜けて下落した格好です。

本日の記事では、10月18日の中国共産党の党大会を目前に規制強化が続く中国において、グレートファイアウォールによる通信制限がビットコインに適用された場合に、世界的に送金遅延が発生して混乱が生じる可能性などを考察してみたいと思います。

 

【1】中国のネット鎖国化、検閲強化が現在進行中

中国では 、特別行政区である香港、マカオを除き、「金盾(きんじゅん)」と呼ばれるグレートファイアウォールにより国内外へのネットアクセスを規制しています。
Google系サービスや、Facebook、Twitterなどの人気SNSは原則利用できません。

更に今週に入り、日本のYahooも制限対象に加わったようで、突然検索ができなくなったと報じられています。

www.jiji.com

 

10月からはWeChat、QQ、百度など国産の人気サービスが当局の指示により、全て実名制になることもあり、検閲体制が一層強化されてきそうです。

news.livedoor.com

 

【2】グレートファイアウォールで、ビットコイン取引を次々と遮断?

中国のグレートファイアウォール「金盾(きんじゅん)」は、ネット利用状況の監視、検閲、アクセス制御のほか、国内のIT産業保護・育成が目的と言われており、ドメイン名、IPアドレス、特定キーワードによってアクセスが制限される上、接続サイトをチェックして内容に問題がないかのチェックが入るとされています。

中国国内のビットコイン取引所を閉鎖させると共に、海外ビットコイン取引所のドメイン名やIPアドレスをブラックリストに追加すれば、中国在住者のビットコイン売買を事実上禁止することができます。VPN(Virtual Private Network)などの通信暗号化技術を用いた抜け道も塞がれつつあるようです。
現時点では、海外ビットコイン取引所へのアクセスが遮断されたという具体的な報道はまだありませんが、時間の問題かもしれません。

 

更に最も懸念されるのが、ビットコイン・ブロックチェーンのデータ同期遮断です。
ブロックチェーン内のビットコイン残高・送金記録情報は、世界中で同じ情報がほぼリアルタイムで同期されることで意味を持ちます。
もし中国が今後、国外の接続先とブロックチェーンのデータ同期をさせないよう制限を掛けるようなことになれば、中国はビットコインネットワークから完全に切り離されることになります。

 

【3】計算処理能力大幅ダウン ⇒ マイニング、送金承認に時間が掛かり当面混乱

仮に、中国がビットコインのデータ同期を完全に遮断した場合、世界的に影響を受けるのが、中国が70%程度シェアを持つとされるマイニングです。
中国でのマイニング結果が、国外に同期されず無視されることになれば、ビットコインネットワークの計算処理能力(ハッシュレート)が大幅にダウンします。

マイニングに参加するコンピュータの増加や能力の向上で、ハッシュレートは下記グラフの通り右肩上がりで伸び続けています。

blockchain.info

 

であるのに、マイニングでのブロック生成間隔が平均約10分と変わらないのは、マイニングの難易度(暗号解読の難しさ)が、過去の平均所要時間を考慮して、一定間隔ごとに自動的に調整されるためです。

マイニングの難易度(Difficulty)も、ハッシュレートと同様に右肩上がりで伸び続けています。

blockchain.info

 

ハッシュレートが大幅にダウンした場合、マイニングの難易度もそれに応じて下がることになりますが、問題はタイムラグがあることです。

難易度の調整は2016ブロックごとに行なわれる仕組みとなっており、通常であれば、2016×10分=14日で2週間ごと調整が行なわれますが、急にハッシュレートが大幅ダウンした場合は、乏しくなった計算処理能力で、従来の難易度のマイニングを次の調整時期まで行なうことになります。
ハッシュレートが1/3になったのであれば、従来10分間隔で行なえていたマイニングが、3倍の30分間隔になってしまう可能性があります。

一方、マイニング1回で承認できる取引量は1,000〜2,000程度と変わりませんので、1日で承認できる取引量が1/3程度に落ち込むこととなり、承認待ちの送金データが大量に並ぶことになります。

未確認取引(承認待ちの送金データ)

 

次の調整時期を過ぎれば、自然解消することが分かっているとは言え、長ければ1−2ヶ月程度、世界的にビットコイン送金遅延が慢性化する恐れがあり(通常は数十分で着金確認可能 ⇒ 数日以上掛かる場合も)、また、それに伴い送金手数料も大幅に値上がりする可能性が高いことから、取引所への資金移動やビットコイン決済など、ビットコインを用いた取引全体に幅広く悪影響を及ぼすことが心配されます。

 

本日、こちらからは以上です。

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。