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ビットコイン暴騰で一時231万円に|先物の値幅制限は歯止めとなるか?

本日2017年12月8日(金)時点のビットコイン情報をお届けします。
16時頃のビットコイン価格は、2,079,000円前後(時価総額:約34.78兆円)です。

昨日の同時刻帯より43万円ほど高い水準です。
上昇の勢いが止まらず、日本時間12月8日午前6時台にはついに200万円を突破しました。
11月27日に100万円を突破してから僅か11日で200万円超えを達成し、時価総額も倍増という恐るべきスピードです。

200万円突破後も上昇し続け、午前9時台には231万円前後まで高値を更新したものの、海外市場との乖離が相当広がっていたことで午前10時台から売り込まれ、短期間で買われすぎた反動もあり、170万円台まで急落しました。
これで今年9回目となる25%超の暴落を、数時間で記録したことになります。
更にそこから反発し、午後4時時点では200万円を上回ってきました。

本日の記事では激しい値動きが続く中、いよいよ来週からCBOEで取引が開始されるビットコイン先物で導入される値幅制限・サーキットブレーカー制度や、ビットコインで今後レバレッジ規制がなされる可能性や影響についての考察などをまとめてみたいと思います。

 

【1】ビットコイン先物がCBOEで来週から取引開始、値幅制限は効くか?

ビットコイン市場が過去最大規模で加熱している中、米国東部時間12月10日18時にビットコイン先物がCBOEに上場されます。

ここ数日のビットコイン急騰は、CBOEおよびCME(12月18日)のビットコイン先物上場への期待が要因の一つと見られているだけに、実際に上場された後、相場にどのような影響を与えるのか注視したいところです。

一つ言えるのは、CBOEおよびCMEでは値幅制限やサーキットブレーカー制度を導入するため、頻発している暴騰・暴落時において一定の歯止め効果が期待できそうです。

今後CMEなどで20%の値幅制限に達した時、既存のビットコイン取引所の暴騰・暴落がそれを目安に止まるかどうかが注目ポイントで、止まるようであれば国際市場の指標価格・基準レートとなり得るのですが、どうなりますやら。

Cboe, CME to launch bitcoin futures contracts | Reuters

CBOEの値幅制限、サーキットブレーカー制度
  • 前日からの変動幅10%以上で2分間取引停止
  • 前日からの変動幅20%以上で5分間取引停止
CMEの値幅制限、サーキットブレーカー制度
  • 前日からの変動幅7%、13%、20%で取引を一時停止
  • 前日からの変動幅は20%までに制限

 

【2】CBOT、CMEはレバレッジ3倍程度、今後レバ規制はあるのか?

現在のビットコイン市場は、最大15倍のbitFlyerFXなど世界的に見てもレバレッジ取引が値動きを先導しているため、ひとたび潮目が変われば10万円単位で値が飛ぶほど、極めてボラティリティが高い状態が続いています。

前述のCBOE、CMEではレバレッジは3倍程度に抑えられており、値幅制限一杯(20%)まで値動きしても、証拠金額の20%×3倍=60%程度しか損益が発生しない設計となっていますが、国内最大手のbitFlyerFXの最大レバレッジ15倍で計算すれば、証拠金額の20%×15倍=300%程度もの損益が発生します。
ここ最近の暴騰・急落でも、多数の長者が生まれた反面、投資資金を飛ばしてしまった退場者が一定数生まれた模様です。

2017年4月施行の仮想通貨関連法は、現物取引を前提とした法律となっているためレバレッジ取引についての規定・裏付けがなく、FXのレバレッジ規制を参考にしながら金融庁の反応を伺いつつ自主規制の中で実施している面があります。

日経新聞は9月、金融庁がFX取引のレバレッジを10倍程度に引き下げることを検討していると報じ、業界関係者からは2018年秋の実施もあり得るとの声も聞かれますが、ドル円で2円、3円(±2〜3%)も動けば暴騰、暴落と呼ばれるFXに対して、±10〜20%変動することも珍しくないビットコインのレバレッジ規制に関して、議論が全く出ていないとは思えません。

一方、金融庁の仮想通貨業界への監督については、まず最初に行なうべき仮想通貨交換業者としての審査が、コインチェックを始めとする申請企業の半数でまだ終わっておらず、今すぐにレバレッジ規制に関して動きがあるような状況でもなさそうです。

今後、証拠金以上の損失が発生して不足金を督促される投資家が多発するような事態が相次ぐようであれば、登録審査が一段落し、FXのレバレッジ規制の話が本格化する頃、CBOT、CMEでの取引状況を参考にしながら、ビットコインを始めとする仮想通貨のレバレッジについて、金融庁が指針を示す展開になっても不思議ではありません。

FX同様にレバレッジの上限を10倍程度にする、というレベルであれば大勢に影響はないでしょうが、もし法的な裏付けがないレバレッジ取引を全面禁止するということにでもなれば、事態はかなり深刻です。

今年1月、中国で取引所に対して規制が入り、レバレッジ取引が禁止された結果、相場は暴落した上、中国の取引高は激減してピーク時の100分の1程度となり、世界の主要市場から外れることとなりました。
レバレッジ取引による取引量の水増しがなくなっただけではなく、取引所がレバレッジ取引の手数料収益が得られなくなったことで、これまで無料だった現物取引に手数料を課すことととなり、現物取引の取引高も減少するという負のスパイラルとなったからです。

今後、ビットコイン取引に対して金融庁がレバレッジ規制を検討、といった報道が出てくることがあれば、この連想が働くことは間違いなく、最大限の警戒が必要と言えそうです。

 

【3】処理待ちが20万件以上、ビットコイン送金遅延が深刻なレベルに

ビットコインが急騰を続ける中、送金ニーズが大量に生まれたことで、本日16時現在、送金の処理待ち件数が20万件以上に達するなど、ビットコインネットワークが大混雑しています。

12月6日に約2週間に一度のマイニング難易度調整が行なわれて、難易度が18%上昇したことでマイニングのペースが落ちたほか、手元のビットコインを換金のために取引所に送金したり、取引所間の価格差が広がったことで裁定取引のための資金移動が増加したことなどが背景にありそうです。

昨日、米大手ゲーム配信サービス「Steam」がビットコイン決済から撤退したことをお伝えしましたが、混雑時は送金手数料の高騰、送金遅延などが生じてビットコイン決済の使い勝手が大きく下がるため、個人ユースだけではなく、決済サービス導入企業への影響が懸念されます。

ビットコイン未確認取引(処理待ち件数)

ビットコインのマイニング難易度グラフ

 

本日、こちらからは以上です。

 

 

 

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。