本日2019年10月28日(月)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,047,000円前後(時価総額:約18.86兆円)です。
昨日の同時刻帯と比べて約59,000円高い水準です。
7,500ドル付近で膠着が続いていたビットコインですが、中国から習近平国家主席のブロックチェーン技術に対する前向きな発言や「暗号法」の可決が伝わると、わずか15時間ほどで約40%の急激な上昇を見せ、同26日10時頃に一時10,350ドルまで上昇。その後は利益確定売りなどで同27日3時頃に一時8,894ドルまで反落しましたが、足元では10,000ドルに再接近しています。
本日の記事では、週末の市場を大きく動かした中国の習主席の発言や「暗号法」について取り上げたいと思います。
【1】習近平国家主席、「ブロックチェーン分野で世界のリード役に」
中国の新華社通信は25日、習近平国家主席が中国共産党中央委員会の幹部会で、「ブロックチェーン技術の開発を加速させる必要がある」と述べたうえで、「中国はブロックチェーン分野で世界のリード役になるべき」との決意を示したことを明らかにしました。
現在、中国では仮想通貨の取引の取引やICOによる資金調達は全面的に禁止されています。その一方で、ブロックチェーン技術については、これまでも国力を高めるための次世代技術として開発・活用を進めていました。
今回の習主席の発言には、「仮想通貨(暗号通貨)」や「ビットコイン」といったフレーズは全く出てきておらず、従来の中国政府の方向性が大きく変化したわけではありません。
ただ、習主席がブロックチェーンについて公式に初言及したことや、同分野で世界をリードするという強いメッセージが示されたことから、中国が本気になったと受け止められ、ブロックチェーンのネイティブ通貨である仮想通貨市場もポジティブに反応したと見られます。
中国は強烈なトップダウンの国であることから、習主席のメッセージを受けて国内のブロックチェーン関連企業が今後大きな盛り上がりを見せることは間違いありません。
その場合、中国に主導権を握られることを避けたい欧米当局の尻に火がつき、世界的にブロックチェーン技術の開発・活用が一気に加速する展開となる可能性もありそうです。
なお、26日には中国共産党がさっそく、ブロックチェーン技術を活用した新アプリを公開。「人民党建云」と名付けられたアプリは、共産党員の情報交換プラットフォームを目指したもので、中国共産党に関するデータ等を掲載することで宣伝・教育を図るほか、党員自身の「初心」を書き込むこともできるとしています。
【2】中国で「暗号法」が可決、独自デジタル通貨の発行に向けた準備
中国メディアCCTVは26日、中国の最高国家権力機関である「全国人民代表大会」の常務委員会が、「暗号法」を可決したと報じました。同法の施行は、2020年1月1日になる見通しだといいます。
暗号法は、暗号技術の応用と管理ルールの標準化、暗号技術を活用したビジネスや情報セキュリティビジネスの促進を目的としたもので、市場では開発が進む中国人民銀行のデジタル通貨(CBDC)の発行に向けた下準備と受け止められています。
法律は全44条からなり、暗号の定義や政府が管理する暗号の種類などが定められているほか、「暗号科学技術のイノベーションを促進するため、政府が暗号科学技術の研究・実用化を支援し、知的財産権を保護する」といった内容も明記。
その他、違法行為への罰則についてや、貢献度の高い組織・人物に対してボーナス支給などを行う制度を創設することも定められています。
中国人民銀行による独自デジタル通貨の発行は、市場の最大の関心事といえるリブラを巡る議論にも大きく影響を及ぼすものであり、今後も中国の動向には大きな注目が集まりそうです。
本日、こちらからは以上です。