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仮想通貨ウォレット「エレクトラム」にハッキング、1400BTC流出か|DeFi市場の活況続くも、行き過ぎた過熱感に警戒の声

本日2020年9月3日(木)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,210,000円前後(時価総額:約22.35兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べて約47,000円安い水準です。
節目として意識されている12,000ドルの上抜けに失敗したビットコインは、ハッキング流出事件や、韓国の大手仮想通貨取引所ビッサムへの家宅捜索報道など、ネガティブな話題が続いたことも重しとなり、日本時間2日20時頃に一時11,155ドルまで急落。

ただ現在のところ、過去約1ヵ月に渡って続いている11,100ドル~12,000ドル程度のレンジ内での動きにとどまっています。

本日の記事では、仮想通貨ウォレット「Electrum(エレクトラム)」からのビットコイン流出の話題や、仮想通貨業界の著名人から続々と挙がるDeFiバブルへの警戒の声を取り上げたいと思います。

 

【1】仮想通貨ウォレット「エレクトラム」にハッキング、1400BTC流出か

仮想通貨ウォレット「Electrum(エレクトラム)」のユーザーがこのほど、約17億円相当のビットコインをハッキングによって失ったことを、ソフトウェア開発プラットフォーム「GitHub」上に投稿しました。

「1400BitcoinStolen」と名乗るユーザーによると、8月30日にセキュリティ更新を求めるポップアップメッセージを確認し、アップデート版をインストールしたところ、管理していた約1,400BTCが自身のウォレットから他のアドレスに移動されたといいます。

追跡調査によると、ハッカーは不正に得た約1,400BTCを複数のウォレットに分散。そのうちのいくつかのトランザクションは、ロシアのサンクトペテルブルクにあるノードで処理されたことが確認されているようです。

なお、Github上では他のエレクトラムユーザーからもハッキングの報告が挙がっており、「Cryptbtcaly」と名乗るユーザーは、2か月前に同様の手口で36.5BTCが盗まれたと投稿しています。

jp.cointelegraph.com

エレクトラムは、それ自身がブロックチェーンを持たない「ライトウォレット」であり、ブロックチェーンへのアクセスはサーバーを介して行われます。これは、データを軽量化できる一方で、通信先が悪意のあるサーバーであればハッキングによってコインを盗まれてしまう可能性もあります。

実際、2018年にもエレクトラムは、複数の偽サーバーを作成したハッカーによって、今回と同様の手口で約250BTCが盗まれています。

coinpost.jp

【2】DeFi市場の活況続くも、行き過ぎた過熱感に警戒の声

2020年の仮想通貨市場において最大のトレンドとなっているのは、「DeFi(分散型金融)」と言って間違いないと思います。

DeFiとはDecentralized Financeの略語で、ブロックチェーンを活用した非中央集権的な仕組みの中で、レンディングやデリバティブといった様々な金融サービスを提供するものだと解釈されています。

従来の中央集権的な金融サービスでは、銀行や証券会社などの金融機関が仲介役となることで、顧客の取引の円滑化を図っていました。しかし、そうした金融システムでは多額の運営コストが発生するため、顧客の手数料負担が重くなってしまうほか、取引の実行時間にも制約が多いといったデメリットがありました。

しかし、中央管理者がいないDeFiでは、取引にかかる手数料が発生しない、あるいは非常に少額で済むほか、取引の履行もスマートコントラクト上で行われるため、タイムリーな取引が可能となります。

DeFiはスマートコントラクトが可能なイーサリアム(ETH)のブロックチェーンをベースとしたものが多く、担保のためにDeFiにロック(預入)されたETHは、年初の約10倍となる70億ドルに上っています。

academy.binance.com

現在、DeFi市場では「イールドファーミング」と呼ばれる運用モデルが流行。イールドファーミングとは、レンディングやDEX(分散型取引所)などのDeFiサービスに、流動性を提供するために資産を貸し出し、その対価として金利や手数料を得るものです。

手法自体は珍しいものではありませんが、多くのDeFiサービスが資産提供者を惹き付けるために、サービスの仕様変更の意思決定に参加できる権利「ガバナンストークン」をインセンティブとして付与するようになったことで人気化。数十%~数百%という異常な年利が提供されるサービスが出てきたうえに、ガバナンストークンへの投機熱も高まったことで、DeFIブームが加速しています。

ただ、7月18日にローンチしたyearn.financeのトークン「YFI」が、リリース当初の1YFI=3ドルから9月1日には39,690ドル(USDT建て)にまで上昇。yearn.financeの開発者であるAndre Cronje氏自身、ガバナンストークンであるYFIの経済的な価値は「ゼロ」だと語っている中でも、異常な値上がりを見せており、現在のDeFi市場の過熱感には警戒の声が高まっています。

イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は、「多くの人々がスマートコントラクトリスクを過小評価している」と指摘。DeFiサービスでは金利が従来の銀行口座よりも指数関数的に高い分、破綻する可能性もはるかに高いとし、「多くの一般人にとって、老後の蓄えを投入するような場所ではない」と語っています。

また、同氏は現在のイールドファーミングが長期的に持続できるものではないと見ているほか、「流動性提供者に支払うためにノンストップで印刷する大量のコイン」が、トークン価格にも下落圧力をかけるとしています。

jp.cointelegraph.com

さらに、大手仮想通貨取引所バイナンスのジャオ・チャンポンCEOも、現在のDeFi市場について、「超ハイリスク。注意してください」と警告しています。

その他、米仮想通貨投資会社Galaxy Digitalのマイケル・ノボグラッツCEOも、現在のDeFi市場の問題点として、多くのプロジェクトがコード監査を受けないままサービスの提供を開始していることを指摘。

実際、流動性マイニングサービスを提供する「Yam Finance」が、未監査のまま独自トークン「YAM」を発行し、わずか1日で4億8,000万ドル(約510億円)が集まったものの、ローンチ翌日には不具合だらけのプログラムだったことがわかり、価格が一時99%暴落するといったことが起きています。

ノボグラッツ氏は現在のDeFi市場を、次々と新たなコインが生まれ、実体のないプロジェクトにも多くの資金が流入した、2017年のICOバブルと重ね合わせており、投資家に警鐘を鳴らしています。

coinpost.jp

本日、こちらからは以上です。

 

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