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JPモルガン、「機関投資家のBTC採用拡大で金は構造的な逆風に」|ウェルズファーゴ、現在の仮想通貨市場は「狂気」も将来性には一定評価

本日2020年12月10日(木)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,927,000円前後(時価総額:約35.77兆円)です。

昨日の同時刻帯と比べて約20,000円高い水準です。
薄商いの中、19,000ドル付近での持ち合いを下放れたビットコインは、日本時間9日17時頃に一時17,639ドルまで急落。ただ、下値を拾う動きは引き続き旺盛で、10日7時頃には一時18,612ドルまで値を戻しています。

本日の記事では、米銀行大手2社によるビットコインに関する見解を取り上げたいと思います。

 

【1】JPモルガン、「機関投資家のBTC採用拡大で金は構造的な逆風に」

米銀行大手JPモルガン・チェースのクオンツストラテジストであるニコラオス・パニギルトゾグルー氏はこのほど、機関投資家がビットコインをデジタルゴールドとして受け入れつつあることが金(ゴールド)価格に負の影響を与えており、こうした傾向は今後も長期的に続く可能性があるとの見方を示しました。

同氏によると、10月以降、ゴールドETF(上場投資信託)から約70億ドル(約7,290億円)の資金が流出した一方、仮想通貨投資会社グレイスケールが提供しているビットコイン投資信託(GBTC)には約20億ドル(約2,080億円)が流入しているといいます。

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BTC価格とゴールドETFの資金流出入状況(Bloombergより)

JPモルガンの試算では、ビットコインはファミリーオフィスの保有資産の0.18%しか占めていないのに対し、ゴールドETFは3.3%に上っているといい、すでに機関投資家による採用が非常に進んでいるゴールドから、まだ採用が始まったばかりであるビットコインへと資金配分の針がわずかに傾けられるだけで数十億ドル規模の資金が動くと見込んでいます。

そのうえでパニギルトゾグルー氏は、「こうした見方が正しければ、ゴールドは今後数年に渡って構造的な逆風に苦しむことになるだろう」との見解を示しています。

ただ、同氏は現在のビットコイン価格についてやや過大評価されていると見ており、モメンタムのシグナルが悪化する中で、短期的には投機筋による強い売りがかかる可能性があるとしています。

www.bnnbloomberg.ca

【2】ウェルズファーゴ、現在の仮想通貨市場は「狂気」も将来性には一定評価

米銀行大手ウェルズ・ファーゴはこのほど公表した投資戦略レポートの中で、ビットコイン投資の現状やその可能性について触れました。

レポートの中で、2020年のビットコイン価格は170%増となり、S&P500やゴールドを大きく上回る最高のパフォーマンスを記録したことを指摘。これは、2019年の90%増というハイパフォーマンスをさらに上回るものとなっています。

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BTC、S&P500、ゴールドのパフォーマンス比較(ウェルズファーゴより)

ただ、ウェルズ・ファーゴは多くの投資家が仮想通貨について聞いたことはあるものの、実際に購入・使用した人はほとんどいないとしたうえで、波に乗れなかった投資家に対し、「この狂気から取り残されていると感じないでください」と言及。

仮想通貨市場全体の時価総額は5,600億ドル(約58兆円)に増加しているものの、これはS&P500の構成銘柄の中で最も時価総額が高いテクノロジー企業の4分の1程度にすぎず、「注目度は高いものの、必ずしも多くの投資資金が流入しているわけではない」のが現状だと指摘しています。

また、ウェルズ・ファーゴは「利益から取り残されていると感じないでください」とも言及。ビットコインの過去3年間のパフォーマンスはS&P500やゴールドを大きく上回っているものの、ビットコイン投資家はそこに到達するまでに非常に不安定な旅に耐えなければならなかったと指摘しています。

実際、わずか2ヶ月前までは3つの資産のトータルリターンはほぼ同じだったものの、ボラティリティには大きな差があることがわかります。ウェルズファーゴは、このように不安定な現在の仮想通貨市場について、「(投資より投機が多かった)1850年代のゴールドラッシュ初期に似ている」との見解を示しています。

現在の仮想通貨市場を「狂気」と評し、やや冷ややかな目を向けているウェルズ・ファーゴですが、「仮想通貨はいつの日か投資価値のあるものになり得る。一時的な流行であれば12年も生き残れない」とも述べており、将来的に投資資産として金融市場での受け入れが広がる可能性は認めています。

www.wellsfargo.com

本日、こちらからは以上です。

 

本ブログはビットコインなどの情報提供を目的としますが、内容の正確性を保証するものではありません。仮想通貨の取引はご自身の判断で行なってください。