本日2020年6月22日(月)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,003,000円前後(時価総額:約18.46兆円)です。
昨日の同時刻帯と比べてほぼ横ばいの水準です。
週末のビットコインは、概ね9,200ドル~9,400ドルの狭いレンジ内で方向感に乏しい展開に終始しました。
本日の記事では、ビットコインETFの承認にも影響を与える可能性がある米SEC委員長の交代の話題や、今週に大規模なカットオフを迎えるDeribitのビットコイン・イーサリアムオプションの動向を取り上げたいと思います。
【1】米SEC委員長が退任か、「クリプトママ」後任ならETF承認に追い風
米司法省は19日、ドナルド・トランプ大統領が米証券取引委員会(SEC)のジェイ・クレイトン委員長を、7月3日付けで新たにニューヨーク州南地区の連邦検事に任命する意向であるとの声明を発表しました。
本来ならクレイトン氏のSEC委員長としての任期は2021年6月5日までで、さらに18ヵ月延長される可能性もありましたが、任期を前にして退任する可能性が出てきています。
クレイトン氏は、仮想通貨に対してもっと規制を強化すべきとの姿勢を持っている人物として知られています。同氏の在任中には、ビットコインを含む仮想通貨ETFの上場がいくつも申請されてきましたが、いずれも拒否されており、仮想通貨業界からは「クレイトン氏の任期が終わるまで承認されることはないだろう」との声も聞かれていました。
仮想通貨関連の規制や取締りにおいて最も重要な役職であるSEC委員長の交代が、仮想通貨業界に与えるインパクトは大きく、後任者次第ではETFの承認やICO等による資金調達など、これまで停滞していた様々な懸案事項の明確化が進む可能性もありそうです。
なお、もしクレイトン氏のSEC委員長の退任が正式決定した場合、その後任として現SECコミッショナーのへスター・ピアース氏の委員長就任を待望する声が、仮想通貨業界では多く聞かれています。
同氏は仮想通貨業界にフレンドリーなことから「クリプトママ」の愛称で知られており、「SECによる過剰な規制が仮想通貨業界のイノベーションを阻害している」との考えから、SECがビットコインETFの申請を拒否する度にそれを批判する声明を出してきました。
【2】Deribitで10億ドル相当のオプションOIが26日にカットオフへ
大手仮想通貨デリバティブ取引所Deribitにおいて、10億ドル相当のビットコインとイーサリアムのオプション建玉(OI)が、6月26日にカットオフ(権利行使の締め切り)を迎えようとしています。
機関投資家が参入を進める中、DeribitやCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)などの主要市場で取引されるビットコインオプションの規模は、足元で15億ドル超にまで拡大。そのうち、Deribitは約7割のシェアを誇っています。
仮想通貨デリバティブ分析企業Skewによると、現在、Deribitにある各期限のビットコインオプション市場のうち、6月26日にカットオフを迎えるOIは、全体の約7割を占める7万以上の契約に及ぶ見通しとなっています。一方、同日にカットオフを迎えるイーサリアムオプションは、29万以上の契約となる見通しです。
こうした大規模なカットオフは、トレーダーがポジションを巻き戻すことで、市場のボラティリティを大きくする可能性がありますが、いまのところ多くのトレーダーはポジションを次の限月(7月)にロールオーバー(乗り換え)させるのではないかと見られています。
なお、Deribitはオプションのロールオーバーによるリスクを軽減するため、すでに一部のクライアントの証拠金基準を引き上げています。
ビットコイン市場はここ数日に渡って膠着感が強まっているため、次の動きは大きなものとなる可能性が想定されます。大規模なカットオフに向けて思惑的な売買も出やすい中、リスク管理には注意を払いたいところです。
本日、こちらからは以上です。