本日2020年4月20日(月)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は775,000円前後(時価総額:約14.20兆円)です。
昨日の同時刻帯と比べてほぼ横ばいの水準です。
ビットコインは50日移動平均線を上抜けしたものの、コロナショック後の戻り高値(7,469ドル)付近では上値が重く、7,200ドル前後でやや膠着感が強まっています。
本日の記事では、世界的ヘッジファンドのビットコイン先物取引参入の話題や、著名仮想通貨アナリストが示したビットコインの強気予想を取り上げたいと思います。
【1】大手HFのルネサンス・テクノロジーズ、BTC先物取引に参入か
数学者ジェームズ・シモンズ氏率いる世界的ヘッジファンド「ルネサンス・テクノロジーズ」が、ビットコイン先物取引に参入する可能性があることがこのほど明らかになりました。
同社が3月末に規制当局に提出した書類によると、旗艦ファンド「メダリオンファンド」のビットコイン先物取引への参入を許可したといいます。取引はシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)でのみに限定されるようです。
ルネサンスは、現在では当たり前となっている高度な数理モデルに基づいたアルゴリズム取引のパイオニアとして知られています。旗艦ファンドであるメダリオンファンドはルネサンスの従業員のためのファンドで、1988年~2018年までの30年間のリターンは、年平均66%超(手数料支払後リターン39%超)と極めて高い水準を実現しています。
CMEが提供しているビットコイン先物の1日の平均取引高は、新型コロナウイルスの感染拡大で金融市場が混乱する直前の2月17日に11億ドル(約1,180億円)に増加したものの、ここ最近は1億ドルを割り込む日も珍しくなく、まだまだ取引規模としては物足りない状況となっています。
ただ、ビットコインに関心を抱いているヘッジファンドや機関投資家も多いとされる中、ルネサンスのような世界的ヘッジファンドがビットコイン先物取引への参入の意向を示したことで、他社も背中を押される可能性がありそうです。
一方、アルゴリズム取引が市場の高ボラティリティ化を招くとの指摘もある中、長期投資家の厚みがないままヘッジファンドの参入が加速し、市場がより投機的になってしまえば、実需としてのビットコインの存在感が一段と低下してしまうことも懸念されます。
【2】著名仮想通貨アナリストPlanB氏、「BTC価格は今後1~2年で10倍に」
ストックフロー(S2F)モデルを用いた分析を行う仮想通貨アナリストのPlanB氏は16日、5月に予定されている半減期後の2年間でビットコイン価格が大幅に上昇するとの予測を示しました。
同氏は自身のTwitterで、「2020年の半減期は(過去の半減期である)2012年と2016年のようになる。S2Fモデルでは、半減期から1~2年後に価格が10倍になると予想される」とコメント。
さらに、今回の半減期が「S2Fモデルが成功か失敗かを決めることになるだろう」との見解を示しています。
IMO #bitcoin 2020 halving will be like 2012 & 2016. As per S2F model I expect 10x price (order of magnitude, not precise) 1-2 yrs after the halving. Halving will be make-or-break for S2F model. I hope this halving will teach us more about underlying fundamentals & network effects pic.twitter.com/kiTdN0n3Lu
— PlanB (@100trillionUSD) 2020年4月16日
S2Fモデルは元々、貴金属(金や銀)などの希少性と価値を測るモデルとして利用されていました。PlanB氏は、ビットコインにもS2Fと価格動向の関係性を見出し、同モデルを用いたビットコイン価格の分析を行っています。
なお、S2Fは以下の計算式で表されます。
『S2F=市場に存在する量(ストック)/年間生産量(フロー)』
S2Fモデルに基づくと、ビットコイン価格は2020年末までに3万ドル、2022年5月までに10万ドルに達する可能性があるようです。
ただ、S2Fモデルは統計的傾向を基にした理論値のひとつにすぎず、仮想通貨業界内では「カルト的だ」との批判の声も多くあります。
例えば、同モデルではS2Fが高くなればなるほど時価総額も上昇するという結論が導き出されますが、これはビットコイン価格を新規発行という供給面からの視点でしか考えていないとも言えます。しかし、実際の価格形成は需要と供給のバランスの下でなされるため、需要面も考慮しなければ意味がないと指摘されています。
また、S2Fモデルではマイナーの撤退行動が考慮されていないことも問題視されています。半減期後は1ブロック当たりの報酬が半減し、マイナーにとってはマイニングの魅力が低下することに繋がるため、撤退や他通貨のマイニングへの移行が進む可能性があります。
そうなれば、ビットコインのネットワーク価値が低下し、価格にも悪影響を及ぼす可能性がありますが、S2Fモデルではそうした動きは考慮されていないため、楽観的すぎるとの指摘があります。
S2Fモデルは仮想通貨投資家に夢を与えるモデルではありますが、投資家としては過度に信仰しすぎず、冷静な目で情報に触れていきたいところです。
本日、こちらからは以上です。