本日2020年11月17日（火）時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は1,733,000円前後（時価総額：約32.12兆円）です。
昨日の同時刻帯と比べて約60,000円高い水準です。
先週末から調整の流れが続いていたビットコインですが、15,800ドル付近での底堅さを確認すると、日本時間17日6時頃には一時16,892ドルまで急騰し、年初来高値を更新しています。
本日の記事では、米投資ファンドのスカイブリッジ・キャピタルが仮想通貨投資を検討しているとの報道や、米銀行大手シティバンクによるビットコインの強気レポートを取り上げたいと思います。
【１】米投資ファンドのスカイブリッジ、仮想通貨への投資を検討
運用資産92億ドル(約9,600億円)を誇る米大手投資ファンドのスカイブリッジ・キャピタルが、仮想通貨への投資を検討していることがこのほど明らかとなりました。
スカイブリッジが米証券取引委員会(SEC)に提出した目論見書の内容から判明したもので、同社の運用するファンドがデジタル資産へのエクスポージャーをとる可能性があると説明しています。
ここでいうデジタル資産とは、ビットコインだけに限らず、アルトコインやICO（イニシャル・コイン・オファリング）なども対象としており、時価総額や技術的特徴についての制限はしないとしています。また、デジタル資産関連の技術などを提供する企業も投資対象とする可能性があるようです。
ただ、現在ビットコインに投資するファンドの多くは、金(ゴールド)と並ぶ、あるいはそれにとって代わる将来的なインフレリスクへのヘッジ手段と考えていますが、スカイブリッジについては、アルトコインやICOも投資対象としていることから、少し毛色が違うようにも見えます。
なお、スカイブリッジが運用するファンドは、他社が運用するファンドに投資を行う「ファンドオブファンズ」の形式をとっているため、米仮想通貨投資ファンドのグレイスケールが提供しているビットコイン投資信託(GBTC)などは、その有力な投資先となることが考えられます。
そのグレイスケールは先週も15,114BTCを購入するなど、機関投資家や企業からの需要の拡大を受けて継続的にビットコインを買い付けており、保有額はビットコイン時価総額全体の約2.3％に当たる506,000BTCにまで膨らんでいます。
【２】米シティバンク、21年末までに1BTC＝31万8000ドルまで上昇の可能性
米銀行大手シティバンクはこのほど、機関投資家向けに配信したレポートの中で、「ビットコインは21世紀の金」と主張したうえで、2021年末までにビットコイン価格は31万8,000ドルまで上昇する可能性があるとの見解を示しました。
シティバンクのマネージングディレクターであるトーマス・フィッツパトリック氏は、現在のビットコインについて、1970年代に高騰した金(ゴールド)を想起させると指摘しています。
ドルと金の兌換を停止し、為替が変動相場制に移行したいわゆる「ニクソンショック」以降、1970年代はオイルショックによる物価の高騰や、ソ連のアフガニスタン侵攻による政情不安に見舞われ、信頼の低下したドルを売って実物資産である金を買う動きが加速しました。
フィッツパトリック氏は 現在、新型コロナウイルスの流行に伴う危機に対応するため、各国政府が金融緩和や大規模な財政出動を行う中、1970年代に金が高騰した時と類似した市場環境が創り出されていると主張。各国政府がGDPや雇用が回復するまで、前例のない規模で現金印刷(マネープリント)を行う姿勢を示していることは、ビットコイン価格の爆発的な上昇に繋がる可能性があるとしています。
そのうえでフィッツパトリック氏は、ビットコイン価格が2021年12月までに31万8,000ドルになるとの強気予想を提示。数値の根拠としては、過去の強気・弱気相場のサイクルや、対数チャートで2013年以降に見られる上昇チャネルの存在を挙げています。
実際にフィッツパトリック氏の予想価格が実現するには、現在の価格から1年間で約19倍になる必要があるため、あまり現実的な予想とは言えません。
ただ、重要なのはシティバンクを始めとするの大手金融機関が、顧客にビットコインの購入を積極的に勧めているという事実であり、数年前までは“イロモノ”として扱われていたビットコイン投資が着実にメインストリームに変わってきていることがうかがえます。
本日、こちらからは以上です。
