本日2021年8月20日(金)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は5,100,000円前後(時価総額:約97.05兆円)です。
昨日の同時刻帯と比べて約300,000円高い水準です。
44,000ドル付近を底に反発に転じたビットコインは、日本時間9時頃に一時47,395ドルまで上昇しています。
本日の記事では、米仮想通貨取引所コインベースが日本での取引サービスを開始した話題や、仮想通貨取引所Liquid Globalで発生した資金の不正流出に関する話題を取り上げたいと思います。
【1】米仮想通貨取引所コインベース、日本でサービス提供を開始
米国最大の仮想通貨取引所「コインベース」を運営するコインベース・グローバルは19日、日本法人となるCoinbase株式会社を通じて日本での仮想通貨取引所サービスを開始しました。
取扱銘柄は当初、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ステラルーメン(XLM)、ライトコイン(LTC)の5つとし、銘柄は随時追加していくとしています。
また、同社は日本市場参入にあたっての決済パートナーとして、三菱UFJ銀行を指名。同行の口座保有者は、インターネットバンキングを通じてコインベースの口座にクイック入金が可能となっています。
ただ、いずれ改善されるとは思われるものの、現時点では三菱UFJ銀行の口座を持っていないと、日本版コインベースのサービスは利用できないため、投資家からは不満の声も聞かれています。
Coinbaseの代表取締役社長を務める北澤直代氏は説明会の席で、「仮想通貨取引のグローバルスタンダードになる。最も信頼され、最も使いやすい取引所を目指す」と意気込みを語っています。
今後のサービス展開について詳細は明かさなかったものの、日本市場に合わせたサービスや商品を順次導入する方針であるとしており、その一例として小売店向けの仮想通貨決済サービスを「コインベース・コマース」を挙げています。
さらに、現在のところ日本では機関投資家による仮想通貨市場への参入の動きは見られていませんが、北澤氏は「仮想通貨価格の安定性には、機関投資家の参入が重要。機関投資家が安心して参入できる市場づくりに貢献したい」とし、サービス提供に意欲を示しています。
【2】仮想通貨取引所Liquid Global、資金の不正流出を発表
仮想通貨取引所Liquid(リキッド)は19日、自社のウォームウォレットがハッキング攻撃を受け、保管していた仮想通貨が流出したことを発表しました。
リキッドは日本の仮想通貨交換業者QUOINE(コイン)が運営している仮想通貨取引所であり、今回の流出は同社のグローバル取引所Liquid Globalを手掛けるシンガポール法人QUOINE PTEが、仮想通貨の入出庫管理に利用していたMPC(マルチ・パーティー計算)ベースのウォレットが攻撃を受けたことによるものだとしています。
同社が20日に公表した調査レポートによると、ビットコインやイーサリアム、リップル、トロンなど69銘柄、総額9,135万ドル(約100億円)相当の仮想通貨が、他の取引所やDeFi(分散型金融)プラットフォームに送金。このうち1,613万ドル(約17.6億円)相当のERC20トークン(イーサリアム規格のトークン)は他の取引所の協力によって凍結が完了しているようです。
また、現在のところ具体的な攻撃の手口については明らかとなっていません。ただ、今回攻撃を受けたMPCウォレットは、複数の秘密鍵の適切な保管が必要な従来のマルチシグウォレットとは異なり、秘密鍵の生データを保存・復号する必要がないことから、ウォレットのセキュリティ性が飛躍的に向上するとして導入が進められているだけに、今後もその経緯には業界の注目が集まることになりそうです。
なお、仮想通貨の資金の不正流出事件としては、先週10日にDeFiプロジェクト「Poly Network」から過去最大となる6億1,000万ドル(約670億円)相当の仮想通貨が、不正に送金されたことが話題になったばかりでした。
幸いこの事件では、ハッカー側が盗み出した仮想通貨を後日返還し、事なきを得ていますが、米証券取引委員会(SEC)などが仮想通貨市場における顧客保護のために規制強化の必要性を訴える中、流出事件が頻発している現状はそうした議論にも少なからず影響を与えることになりそうです。
本日、こちらからは以上です。