本日2021年3月26日(金)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は5,700,000円前後(時価総額:約107.27兆円)です。
昨日の同時刻帯と比べて30,000円高い水準です。
引き続き上値の重い展開が続くビットコインは、日本時間25日21時頃にかけて一時50,305ドルと、約2週間ぶりの安値へと下落。売り一巡後は52,800ドル付近まで反発しているのものの、戻りは限定的となっています。
本日の記事では、政府系ファンドがビットコインへの投資を検討していることを示唆した米仮想通貨投資会社トップの発言や、シカゴ・オプション取引所がビットコイン先物取引の再開を検討しているとの報道を取り上げたいと思います。
【1】政府系ファンドがBTC購入を検討? 米NYDIGトップが示唆
米大手仮想通貨投資会社ニューヨーク・デジタル・インベストメント・グループ(NYDIG)のロバート・ガットマンCEOは26日、米投資リサーチ会社Real Visionが主催するオンラインイベント「Crypto Gathering」の中で、一部の政府系ファンド(SWF)にビットコイン購入の可能性があることを明かしました。
ガットマン氏は具体的な国名を挙げることは避けたものの、現在、SWFからビットコインの購入に関する問い合わせを受けているといいます。
ガットマン氏のこうした発言に、Real Visionのラウル・パルCEOも同調。真偽は不明ですが、すでに約30兆円規模の運用資産を持つ同国の政府系投資会社Temasek Holdings(テマセク・ホールディングス)が、マイナー企業から直接ビットコインを購入していると述べています。
テマセクは昨年、Facebookの独自デジタル通貨「Diem(旧Libra)」のプロジェクトに参画したことが明らかとなっているため、実際にビットコインを購入していたとしてもさほど不思議ではないかもしれません。
また、もうひとつのシンガポール政府系ファンドであり、同国の外貨準備を運用しているシンガポール政府投資公社(GIC)は、2019年に米大手仮想通貨取引所コインベースに出資。さらに今年2月にも、仮想通貨企業として米国初の国法銀行となった米仮想通貨カストディ大手Anchorage(アンカレッジ)に出資したことが明らかとなっています。
NYDIGのガットマン氏は、企業やSWFがビットコイン投資を検討する背景には、現在の世界的な経済の混乱を受けて、彼らが新たなポートフォリオ戦略を構築しようとしていることがあると指摘。そのうえで、ドル建て資産に偏ったポートフォリオが正しいのかを検討するのは当然のことだとの認識を示しています。
これまでSWFによる仮想通貨分野への投資は、表に出ている限りでは仮想通貨関連企業やマイクロストラテジーのような大量保有企業への投資にとどまっています。仮に数十兆円規模の運用資産を抱えるSWFが、ビットコインを直接購入することになれば、ポートフォリオへの組み入れが例え1%であったとしても、市場に与えるインパクトは大きなものとなりそうです。
【2】シカゴ・オプション取引所、BTC先物取引の再開に意欲
米大手デリバティブ取引所Cboe(シカゴ・オプション取引所)を運営するCboe Global Marketsのエド・ティリーCEOはこのほど、ビットコイン先物取引の取扱い再開を検討していることを明かしました。
ティリー氏はカナダの金融・経済専門チャンネル「BNN Bloomberg」の取材に対し、「我々はまだこの分野(ビットコイン先物)に興味を持っており、諦めたわけではない」とコメント。そのうえで、「我々はプラットフォーム全体の構築に意欲的であり、個人投資家や機関投資家からの需要は多くあるため、それを提供する必要がある」との見解を示しています
Cboeは、2017年12月に米国で初めてビットコイン先物を上場したものの、2019年6月に取引を停止した経緯があります。
取引の停止について明確な理由は明かされておりませんが、2017年12月にはCboeに続いて、シカゴ・マーカンタイル取引所を運営するCMEグループもビットコイン先物の提供を開始しており、CMEの先物の方が順調に出来高を伸ばす一方で、Cboeの先物は低調な取引に終わったことが影響したと見られています。
なお、CMEのビットコイン先物は、その後も順調に出来高を拡大させており、今年3月24日時点で未決済建玉(OI)は27.9億ドル(約3,050億円)に上っています。
Cboeはこれ以外にも仮想通貨分野での動きを見せ始めており、昨年12月には米仮想通貨ソフトウェア会社CoinRoutes(コインルーツ)と提携。2021年第2四半期を目途に、複数の主要取引所からリアルタイムで収集された価格データをもとにした仮想通貨インデックスの提供を開始する計画を明らかにしています。
また、ビットコインETFの上場にも意欲を見せており、今年に入ると米資産運用会社VanEck(ヴァンエック)やWisdomTree Digital Commodity Services(ウィズダム・ツリー)が組成し、Cboeが運営するBZX取引所への上場を目指している同ETFの申請書類を、米証券取引委員会(SEC)に提出しています。