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市場センチメントは過去最低水準に、気になるクジラの動きは?|米財務省、1万ドル以上の仮想通貨送金に報告義務化の方針

本日2021年5月21日(金)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は4,400,000円前後(時価総額:約82.81兆円)です。

昨日の同時刻帯とほぼ同水準での推移となっています。
パニック売りの一巡後は、売られすぎの反動もあり40,000ドル台へと急反発したビットコインですが、その後は同水準で上値の重さが目立つ展開となっています。

本日の記事では、ビットコインの乱高下の中での大口投資家の動向や、米財務省が発表した仮想通貨送金の報告義務化に関する話題を取り上げたいと思います。

 

【1】市場センチメントは過去最低水準に、気になるクジラの動きは?

日本時間19日に一時30,000ドルまで急落したビットコイン。その後は、短期的な売られすぎの反動もあって40,000ドル台を回復し、一息ついてはいるものの、市場は引き続き警戒感の強い状況にあります。

それを映すように、Alternative.meがボラティリティ、市場のモメンタム、SNSの感情分析、ドミナンス、Googleトレンドを基に算出しているビットコインの「Fear & Greed Index(恐怖指数)」は、極端な恐怖を示す「11」にまで低下。これは、2020年3月のコロナショック時にほぼ並ぶ低水準だといいます。

「総悲観は買い」という言葉もありますが、米国で仮想通貨規制やテーパリング(量的緩和の縮小)に関する議論が始まりつつあるなど、数ヵ月前とは市場環境も大きく変わってきているだけに、大口投資家「クジラ」の動向にはこれまで以上に注意を払う必要がありそうです。

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今回のビットコイン相場急落のきっかけとしては、今月13日に米電気自動車大手テスラがビットコイン決済の受け入れを停止したことなどが考えられますが、その背後にはクジラの売りの存在が指摘されています。

ブロックチェーン分析企業Glassnode(グラスノード)のデータによると、急落に先立つ今月17日には、仮想通貨取引所へのビットコイン純流入額(1日当たり)が約27,500BTCとコロナショック以来の高水準を記録していました。

これは、長期保有を見据えて、取引所からコールドウォレットやカストディサービスに資金を移していたクジラが、価格の停滞やファンダメンタルズの悪化などを嫌気して売りに転じた可能性を示唆しています。

また、米銀行大手JPモルガン・チェースのアナリストが今月18日、機関投資家がビットコインから資金を引き揚げ、金(ゴールド)に移しているとする顧客向けメモを発信していたことも明らかとなっています。

ブロックチェーン分析企業CryptoQuant(クリプトクワント)のキ・ヨンジュCEOが、過去24時間における全仮想通貨取引所への平均入金額が3.46BTCと依然高い水準にあり、再び下値を試す可能性あると指摘しているように、引き続き神経質な相場が続くことを警戒しておきたいところです。

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一方で、一部の機関投資家は暴落時に押し目買いに動いていたとの指摘も聞かれています。

機関投資家向けにトレーディングプラットフォームを提供するFalconXのセールス責任者Aya Kantorovich氏は、「伝統金融のアセットマネージャーは、FalconXのサービスを使って押し目買いしている」とコメント。

また、大手OTCサービスプロバイダーGenesis Global Tradingは、カウンターパーティーに対し、マクロファンドが35,000ドル台でビットコインを購入していたというノートを送信していたと伝わっています。

さらに、機関投資家が多く利用するとされる米大手仮想通貨取引所コインベースと、大手仮想通貨取引所バイナンスのビットコイン価格差である「コインベース・プレミアム」が、昨日40,000ドル付近まで回復した時点で過去最高水準となる+7.69%まで急騰したことも、機関投資家の押し目買いを示唆するものだと指摘されています。

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【2】米財務省、1万ドル以上の仮想通貨送金に報告義務化の方針

米財務省は20日、バイデン政権の税制改革案に、1万ドル(約108万円)以上の仮想通貨送金について、内国歳入庁(IRS)への報告を義務付ける方針が盛り込まれていることを明らかにしました。

財務省は報告書で、仮想通貨取引を介した脱税を含む違法行為は「すでに重大な問題」だと指摘。現時点では仮想通貨取引の規模は現金取引などと比べて小さいものの、「今後10年間で存在感が増していく」と見ており、仮想通貨に関する取引口座や決済サービス口座に対し、現金取引と同様の報告義務を課していく考えのようです。

なお、財務省はバイデン政権が推し進める税制改革に伴い、今後10年間で常勤に相当する職員を計86,000人以上採用し、2019年時点の73,554人から倍増させるほか、徴収担当職員についても5,000人以上増やす方針も示しています。

財務省の推計によると、税法に従って納付されるべき連邦税と実際に納付された連邦税の差額である「タックスギャップ」は、今後10年間で約7兆ドルに上る見通しで、税制改革と徴税力の強化によって、保守的に見積もってもタックスギャップは約10%縮小し、約7,000億ドルの徴税に繋がると見込んでいます。

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また、この他にも米国では仮想通貨規制を巡って新たな動きが見られています。

米通貨監督庁(OCC)のマイケル・スー長官代理は19日、前任のブライアン・ブルックス氏の在任期間中に決定された仮想通貨に関するOCCの方針を見直すことを発表しています。

ブルックス氏の在任期間中には、銀行が仮想通貨カストディサービスの提供や、ステーブルコインの発行おける準備資産及びそのステーブルコインの保管を行うことが可能だとする見解や、仮想通貨企業が銀行サービスにアクセスできる「公平なアクセス規則」といった方針が示されていましたが、これらの方針は政権交代に伴い、一時的に保留されている状況にありました。

今回の方針見直しによって、米仮想通貨カストディ企業BitGoや米仮想通貨決済企業BitPayが行っている国法銀行設立の申請は一旦保留されることになります。また、米カストディ企業であるAnchorageやProtego、米仮想通貨サービス企業Paxosなどは、すでにOCCから国法信託銀行として条件付きのライセンスを取得していますが、これらのステータスがどうなるのかは現在のところ明らかとなっていません。

スー長官代理は金融イノベーションの重要性は認めているものの、19日には米上院銀行委員会のトップであるシェロッド・ブラウン議員が、OCC長官代理宛てに仮想通貨企業に国法銀行設立の許可を与えたことに対して異議を唱える公開書簡を送るなど、政治的な圧力も引き続き強いだけに、事態は流動的なものとなりそうです。

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本日、こちらからは以上です。

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