本日2021年11月22日(月)時点のビットコイン情報をお届けします。
13時頃のビットコイン価格は6,500,000円前後(時価総額:約123.87兆円)です。
昨日の同時刻帯と比べて150,000円安い水準です。
ビットコインは、日本時間22日午前2時にかけて一時60,000ドル台を回復したものの、その後は軟調な推移となり、現時点では57,000ドル付近に落ち着いています。
本日の記事では、日本の財務省が外為法を見直し、仮想通貨を資本取引規制法の対象に加える方針との話題や、エルサルバドルのブケレ大統領がビットコインシティ構想を発表したことに関する話題を取り上げたいと思います。
【1】財務省がFATF報告を受けて外為法の見直しを発表
日本の財務省は16日、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与対策を審査する国際組織「FATF(金融活動作業部会)」による今年8月の第4次対日相互審査報告書を受けて、「外為法」を見直し、仮想通貨を資本取引規制の対象に加えるなどの変更方針を発表しました。
FATFが公表した同報告書において、日本は毎年法令等整備状況について改善状況の報告を要する「重点フォローアップ国」という「実質不合格」の判断を受けていました。なお、日本と共に「重点フォローアップ国」に指定されたFATF加盟国は米国とカナダ、中国など19ヵ国に上ります。
同報告書内では日本の仮想通貨交換業者に関して、「日本は仮想通貨交換業者に対し、対象を絞り適時な法令及び監督対応を実施した。不備の認められる仮想通貨交換業者に対して迅速かつ強固な対応を行ってきたことは認められる」と評価した一方、「マネロン・テロ資金供与リスクに基づく監督上の措置は改善する必要がある」と指摘。
また、「対象を特定した金融制裁を遅滞なく実施するために金融機関や仮想通貨交換業者などに対してスクリーニングを行う義務が課せられているものの、金融機関や仮想通貨交換業者などによる対象を特定した金融制裁の実施は不十分である。」との課題に言及しました。
これを受けて財務省は、以下の点について外為法の見直しを行う方針を示しました。
- 仮想通貨取引を外為法上の資本取引規制の対象に追加
- 仮想通貨交換業者の確認義務
- 資産凍結措置遵守のための態勢整備義務
「1.仮想通貨取引を外為法上の資本取引規制の対象に追加」については、見直しの方向性として、居住者と非居住者との間の仮想通貨に関する取引(管理・貸付・売買)を資本取引規制の対象とし、「資産凍結措置を可能」とすることを検討するとしています。
「2.仮想通貨交換業者の確認義務」については、見直しの方向性として、仮想通貨交換業者も顧客の仮想通貨の移転について、「制裁対象者に対する移転に該当しないことを確認する義務」を課すことを検討するとしています。
「3.資産凍結措置遵守のための態勢整備義務」については、見直しの方向性として、制裁潜脱リスクの評価を行うことや、その低減措置を講ずることを含めた遵守基準を定め、 当局が、銀行等や暗号資産交換業者等による同基準の遵守状況についてモニタリングを行うとともに、必要に応じ、「指導・助言や勧告・命令」を行うことができるようにするとしています。
なお、現時点の外為法では、以下の要件のいずれかに該当する場合、資産凍結等の措置を講ずることができると定められています。
- 日本が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため必要があると認めるとき
- 国際平和のための努力に日本が寄与するため、特に必要があると認めるとき
- 日本の平和及び安全の維持のため、特に必要があるとき
警視庁によると、昨年の仮想通貨交換業者の疑わしい取引の届け出件数は、8,023件と増加傾向にあります。過去のFATFの別のレポートでも、「仮想通貨関連の犯罪の大半はマネーロンダリング関連に集中しており、特に犯罪者は金融制裁を逃れるため、又はテロをサポートするために仮想通貨を利用している。近年ではプロフェッショナルなマネーロンダリングのネットワークが、犯罪収益の移転、収集等の手段として仮想通貨を悪用している。国家主体による制裁潜脱のために仮想通貨を使用した高度な不正活動も見られた」と指摘しており、規制枠組みの明確化が急がれます。
【2】エルサルバドルのブケレ大統領、ビットコインシティ構想を発表
中米エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は20日、世界初の「ビットコインシティ(ビットコイン都市)」の建設構想を発表しました。
今年9月に世界で初めてビットコイン(BTC)を法定通貨に加えたエルサルバドルで、20日に開催されたビットコインウィークカンファレンスの席上、ブケレ大統領は同国東部海外沿いのラ・ウニオンに「ビットコインシティ(ビットコイン都市)」を建設することを発表。大統領によると、同都市は住宅地と商業地を備えた本格的なメトロポリスとのことで、商業施設、レストラン、港、空港、鉄道なども整備される計画になっています。建設費用は来年、ビットコインに裏付けられた10億ドル分(約1,140億円)の10年債を発行して充てるとしています。
また、ビットコインシティへのエネルギー供給源として、南東部コンチャグア火山近くに地熱発電所の建設を計画しており、そのエネルギーをビットコインのマイニングにも利用するという構想もあります。
同都市では、住民には10%の付加価値税(消費税)が課されるものの、所得税、キャピタルゲイン税、不動産税、給与税、地方税を一切課さない方針としており、大胆な優遇税制を布き海外のテクノロジー企業の誘致を促進したい考えのようです。
また、同国へ出資する投資家に対して永住権や帰化の申請を容易にすることも検討しています。
なお、ビットコインシティ建設の資金的根拠となる裏付け債は「火山債」と呼び、米大手ブロックチェーンテクノロジー会社「ブロックストリーム」が開発するビットコインのサイドチェーンとなる「リキッドネットワーク」上で発行するとしています。また調達した資金については半分を、同国に20以上存在する火山を利用した地熱発電などインフラ開発に充て、残りの資金でビットコインを購入する予定です。
ブロックストリームの最高戦略責任者サムソン・モウ氏は、「5年後にビットコイン価格が100万ドルになると思っている。エルサルバドル政府は半年かけてビットコインを売り、5億ドルを回収するだろう」と発言しています。
なお、火山債は同国初の仮想通貨取引所として営業ライセンスの付与が予定されている、香港が主要拠点の海外仮想通貨取引所ビットフィネックスが幹事となり販売することが予定されています。
本日、こちらからは以上です。